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第15話 初体験ダンジョン
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ゼノさんのルート指示に従いながら、途中で遭遇したモンスターとの戦闘を何度か繰り返していく。
「敵が接近してきてる。まず私が牽制するわね」
「頼んだ、マリアンヌ」
攻撃魔法を遠距離で命中させると、ほとんどのモンスターが瀕死状態になる。その残りを、ロバンとダイロンの二人でトドメを刺していく。これで、戦闘は終わり。
少し離れた場所で、ゼノさんが戦闘の様子を見ていた。その表情は、とても驚いている。
「……すごいな。本当に初心者なのか?」
とても順調なダンジョン攻略だったが、少し問題が発生した。
「ゼノさんが遅れてるわ!」
「周囲にモンスターは居ないようだし、ここで休憩しようか」
「仕方ねぇなぁ。休むか」
「はぁ、はぁ、……っ、す、すまない」
ベテランの冒険者であるはずのゼノさんが、早々にバテてしまった。案内人の彼を置いていくわけにもいかず、ダンジョン内で休憩することになった。
「お水です。飲んで下さい」
「……ふぅ。すまない」
かなり汗を流して疲れているようなので、水を渡して水分補給させる。私は、彼の疲労具合を近くで観察してみた。通常よりも、かなり疲れている様子。冒険者だったから、普通の人よりも体力はあるはずだけど。
それが、冒険者じゃなくて案内人をしている理由なのかしら。
「それにしても、君たちは本当に凄いなぁ。ダンジョンに入ったのは、今回が初めてなんだろう? それなのにダンジョン内で緊張することもなく、モンスターの戦闘もスムーズで、危なげがない。既に初心者のレベルを超えているよ」
「そうっすか? へへっ」
しばらく休憩していたゼノさんが、私達を褒めてくれた。嬉しそうに喜ぶロバン。ダイロンは、少し疑うような視線を彼に向けた。
「ゼノさんは、ずっとダンジョン攻略をしてきたベテランの冒険者なんですよね?」
「ん……。まぁ、そうだ。もう、冒険者は半分ぐらい引退しているけどな」
少し聞きづらいことを、ダイロンがズバッと質問した。それに答えるゼノさんは、表情を暗くする。そして、語り続けた。
「実は、それなりに有名なトップチームに所属していたんだ。だけど最近になって、クビを告げられてな」
「辞めさせられたんですか?」
「仕方ないさ。年齢による衰えで、ダンジョンの攻略に参加するのが厳しくなった。だから案内人として働こうと思ったのだが、ここまで自分が衰えているなんて……。これは、案内人も引退しないとダメだよな……」
ダイロンの言葉に、とても寂しそうにするゼノさん。
彼の言葉を聞いて、少し気になることがあった。私が見たところ、筋肉や反射神経などが衰えているような様子は無かった。
ただ、肺や心臓などの内臓器官が弱っていて、体力の消耗が激しくなっているようだった。それが原因で、彼の体は疲れやすくなっているのだろう。
回復魔法で彼の内臓器官を回復させながら、疲労しにくいような体に鍛え直すことが出来れば、ゼノさんは引退しなくても済みそうだ。回復魔法を使うことが出来て、体の仕組みや疲労に関する知識が豊富な私なら、彼を助けることが出来ると思う。
だから、提案してみた。
「私なら、ゼノさんの体力を取り戻すことが出来ると思います」
「な、なに!? それは本当か!!」
「敵が接近してきてる。まず私が牽制するわね」
「頼んだ、マリアンヌ」
攻撃魔法を遠距離で命中させると、ほとんどのモンスターが瀕死状態になる。その残りを、ロバンとダイロンの二人でトドメを刺していく。これで、戦闘は終わり。
少し離れた場所で、ゼノさんが戦闘の様子を見ていた。その表情は、とても驚いている。
「……すごいな。本当に初心者なのか?」
とても順調なダンジョン攻略だったが、少し問題が発生した。
「ゼノさんが遅れてるわ!」
「周囲にモンスターは居ないようだし、ここで休憩しようか」
「仕方ねぇなぁ。休むか」
「はぁ、はぁ、……っ、す、すまない」
ベテランの冒険者であるはずのゼノさんが、早々にバテてしまった。案内人の彼を置いていくわけにもいかず、ダンジョン内で休憩することになった。
「お水です。飲んで下さい」
「……ふぅ。すまない」
かなり汗を流して疲れているようなので、水を渡して水分補給させる。私は、彼の疲労具合を近くで観察してみた。通常よりも、かなり疲れている様子。冒険者だったから、普通の人よりも体力はあるはずだけど。
それが、冒険者じゃなくて案内人をしている理由なのかしら。
「それにしても、君たちは本当に凄いなぁ。ダンジョンに入ったのは、今回が初めてなんだろう? それなのにダンジョン内で緊張することもなく、モンスターの戦闘もスムーズで、危なげがない。既に初心者のレベルを超えているよ」
「そうっすか? へへっ」
しばらく休憩していたゼノさんが、私達を褒めてくれた。嬉しそうに喜ぶロバン。ダイロンは、少し疑うような視線を彼に向けた。
「ゼノさんは、ずっとダンジョン攻略をしてきたベテランの冒険者なんですよね?」
「ん……。まぁ、そうだ。もう、冒険者は半分ぐらい引退しているけどな」
少し聞きづらいことを、ダイロンがズバッと質問した。それに答えるゼノさんは、表情を暗くする。そして、語り続けた。
「実は、それなりに有名なトップチームに所属していたんだ。だけど最近になって、クビを告げられてな」
「辞めさせられたんですか?」
「仕方ないさ。年齢による衰えで、ダンジョンの攻略に参加するのが厳しくなった。だから案内人として働こうと思ったのだが、ここまで自分が衰えているなんて……。これは、案内人も引退しないとダメだよな……」
ダイロンの言葉に、とても寂しそうにするゼノさん。
彼の言葉を聞いて、少し気になることがあった。私が見たところ、筋肉や反射神経などが衰えているような様子は無かった。
ただ、肺や心臓などの内臓器官が弱っていて、体力の消耗が激しくなっているようだった。それが原因で、彼の体は疲れやすくなっているのだろう。
回復魔法で彼の内臓器官を回復させながら、疲労しにくいような体に鍛え直すことが出来れば、ゼノさんは引退しなくても済みそうだ。回復魔法を使うことが出来て、体の仕組みや疲労に関する知識が豊富な私なら、彼を助けることが出来ると思う。
だから、提案してみた。
「私なら、ゼノさんの体力を取り戻すことが出来ると思います」
「な、なに!? それは本当か!!」
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