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第8話 思わぬ贈り物の結果◆若手貴族当主ジェイミー視点
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その女の子は、エルドラド鉱山を譲ると言った。
俺は耳を疑った。鉱山を、そんな簡単に譲ってくれるというのか? ただ苦労話を話しただけの男に、どうしてそんなことを?
「偶然手に入ったのですが、持て余しているのです。役立てる人に譲りたいと思っていました」
彼女は説明する。
一瞬、なにかの詐欺ではないかと疑った。だが、こちらの話を真摯に聞いてくれた彼女を、疑いたくない気持ちもある。そもそも、彼女に何の目的があるというのか。没落寸前の貴族の男を騙しても、金なんて得られないだろう。騙す意味がない。
「もしかして、ご迷惑でしたか?」
「あ、いや」
考え込んでいる俺の様子を見て、彼女が不安そうに問いかけてくる。
「私に鉱山を譲ってくれた御方は、とても価値あるものだとおっしゃっていました。おそらく私は事実だと思いますが、私や私の知り合いについて詳しく知らないあなたには信じられませんよね」
少し悲しそうな表情になる。責めているわけじゃない。ただ、俺が疑り深いだけ。彼女は本気で、俺のためを思って言ってくれている。助けようとしてくれている。
「ですが、信じてください。絶対に嘘は言っていません。きっとあなたの役に立つと思います。どうでしょうか?」
「うん。君がそこまで言うのなら、受け取りたいと思う」
嘘を言っているようには思えない。本気で、俺のために言っている。それに応えるために、信じたくなった。
「ご挨拶が遅れました。私は、ローゼンバーグ家のヴィオラと申します。後で必ず、鉱山の権利書をお渡しします。それでは」
そう言って、あっという間に彼女は去っていった。
「あ……」
呼び止める間もなく、彼女の姿は人混みに紛れて見えなくなった。
後日、本当に鉱山の権利書を持った担当者がやって来た。ヴィオラ嬢に指示されて、手続きをするように言われたそうだ。
「こちらの書類にサインをすれば、エルドラド鉱山の所有権はレイクウッド家に移ります。どうぞ、ご確認ください」
「わかった。確認させてもらう」
それにサインをすれば、エルドラド鉱山の権利を得られるという。俺は担当者という男に何度も質問して、レイクウッド家の執事とも話し合い、契約の内容を隅々までチェックしていく。
それが王国が認める正式な契約で間違いないことを確かめてから、俺はその書類にサインした。
これで、エルドラド鉱山の権利はレイクウッド家が所有することになった。後から代金を請求されることもなく、本当に無料で所有権を譲ってもらったのだ。
すぐに鉱山技術者を送り込み、エルドラド鉱山の開発を進めた。予想以上の量の鉱物が採れたという報告を聞いて、俺は歓喜した。
偶然にもレイクウッド家には、その鉱物を加工する技術があった。
俺は新たな仕事を設け、働く場所を失っていた領民たちに鉱物を加工する仕事と、たっぷりの報酬を与えた。
加工した鉱物を取引したことで、あっという間に資金の問題が解決。鉱山の収入で、領地の問題も一つ一つ解消していった。今までの苦労が嘘のように、道筋が示された。
金があれば問題解決が早い。あんなに悩んでいた問題が、次々と片付いていく。
レイクウッド家に安定が戻ってきた。ヴィオラ嬢の贈り物のおかげで、俺達は危機を脱することができたのだ。
この恩義は、何としても返さなければならない。そんなことを考えていた時に、ヴィオラ嬢の婚約破棄の話を耳にした。
領地の経営が安定してきて、結婚や後継者といった将来の問題に目を向ける余裕が出てきた時のことだった。
俺は迷わず、ローゼンバーグ家に縁談の話を持ちかけた。あまりにもタイミングがバッチリだった。
あの時の感謝の気持ちを伝えるため、そして今度は自分が彼女の力になるために。俺は、ヴィオラ嬢との結婚を心から望んでいた。
俺は耳を疑った。鉱山を、そんな簡単に譲ってくれるというのか? ただ苦労話を話しただけの男に、どうしてそんなことを?
「偶然手に入ったのですが、持て余しているのです。役立てる人に譲りたいと思っていました」
彼女は説明する。
一瞬、なにかの詐欺ではないかと疑った。だが、こちらの話を真摯に聞いてくれた彼女を、疑いたくない気持ちもある。そもそも、彼女に何の目的があるというのか。没落寸前の貴族の男を騙しても、金なんて得られないだろう。騙す意味がない。
「もしかして、ご迷惑でしたか?」
「あ、いや」
考え込んでいる俺の様子を見て、彼女が不安そうに問いかけてくる。
「私に鉱山を譲ってくれた御方は、とても価値あるものだとおっしゃっていました。おそらく私は事実だと思いますが、私や私の知り合いについて詳しく知らないあなたには信じられませんよね」
少し悲しそうな表情になる。責めているわけじゃない。ただ、俺が疑り深いだけ。彼女は本気で、俺のためを思って言ってくれている。助けようとしてくれている。
「ですが、信じてください。絶対に嘘は言っていません。きっとあなたの役に立つと思います。どうでしょうか?」
「うん。君がそこまで言うのなら、受け取りたいと思う」
嘘を言っているようには思えない。本気で、俺のために言っている。それに応えるために、信じたくなった。
「ご挨拶が遅れました。私は、ローゼンバーグ家のヴィオラと申します。後で必ず、鉱山の権利書をお渡しします。それでは」
そう言って、あっという間に彼女は去っていった。
「あ……」
呼び止める間もなく、彼女の姿は人混みに紛れて見えなくなった。
後日、本当に鉱山の権利書を持った担当者がやって来た。ヴィオラ嬢に指示されて、手続きをするように言われたそうだ。
「こちらの書類にサインをすれば、エルドラド鉱山の所有権はレイクウッド家に移ります。どうぞ、ご確認ください」
「わかった。確認させてもらう」
それにサインをすれば、エルドラド鉱山の権利を得られるという。俺は担当者という男に何度も質問して、レイクウッド家の執事とも話し合い、契約の内容を隅々までチェックしていく。
それが王国が認める正式な契約で間違いないことを確かめてから、俺はその書類にサインした。
これで、エルドラド鉱山の権利はレイクウッド家が所有することになった。後から代金を請求されることもなく、本当に無料で所有権を譲ってもらったのだ。
すぐに鉱山技術者を送り込み、エルドラド鉱山の開発を進めた。予想以上の量の鉱物が採れたという報告を聞いて、俺は歓喜した。
偶然にもレイクウッド家には、その鉱物を加工する技術があった。
俺は新たな仕事を設け、働く場所を失っていた領民たちに鉱物を加工する仕事と、たっぷりの報酬を与えた。
加工した鉱物を取引したことで、あっという間に資金の問題が解決。鉱山の収入で、領地の問題も一つ一つ解消していった。今までの苦労が嘘のように、道筋が示された。
金があれば問題解決が早い。あんなに悩んでいた問題が、次々と片付いていく。
レイクウッド家に安定が戻ってきた。ヴィオラ嬢の贈り物のおかげで、俺達は危機を脱することができたのだ。
この恩義は、何としても返さなければならない。そんなことを考えていた時に、ヴィオラ嬢の婚約破棄の話を耳にした。
領地の経営が安定してきて、結婚や後継者といった将来の問題に目を向ける余裕が出てきた時のことだった。
俺は迷わず、ローゼンバーグ家に縁談の話を持ちかけた。あまりにもタイミングがバッチリだった。
あの時の感謝の気持ちを伝えるため、そして今度は自分が彼女の力になるために。俺は、ヴィオラ嬢との結婚を心から望んでいた。
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