4 / 52
4 防護スーツと歓迎会
しおりを挟む
俺は別世界の研究所で働くことになった。
俺を自分の世界に戻すという都合のいい仕事だ。まぁ、俺に謝罪の意味も込めて居場所をくれたんだと思う。
それはありがたいんだが、さっそく別世界らしい出来事に遭遇した。
この研究所で働くことになったので、俺もここの支給品を貰うことになった。その一つが、『防護スーツ』というものだ。
「これが防護スーツだ。これを身に付けてもらう」
医療担当のルジンという名の研究員が薄い防護スーツを持って来て見せた。薄手のゴム手袋でボディスーツを作ったような感じだ。
「このスーツは生体素材で出来ていて生体チップと組み合わせて使う。生体チップのお陰で防護スーツは皮膚と密着して長期間君を守ってくれるようになる」
マジか。どっかで見たようなスーツだが。
「ほう。そのまま風呂にも入れるのか?」
「もちろん。皮膚の一部のようになるからね。もっとも風呂に入る必要はないけどね」
冗談だったんだが、本当らしい。信用できないが。
「よくわからんが、凄いな。ちょっと違和感ありそうだが」
「最初はそうだろう。だが、すぐに気にならなくなるはずだ」
「ほう。そう願いたい」
スーツは信じられない感触だった。
なにしろ体の穴の部分を除いて全部を覆うのだ。髪の毛とかどうなるんだろうか? まぁ、産毛もあるんだから同じか。着ると言うより塗布に近いのかもしれない。
俺は下着が密着してるだけで気になるタイプなので心配だ。
だが、研究所の全員が、この防護スーツを使っているらしいので、あまり不平も言えないだろう。とりあえず一度は着てみるか。
「このスーツがあれば切り傷なんか出来ないし、出来てもすぐ修復される。あと、病気になることもないよ」
ルジンは自信満々で言った。本当だろうか? 想像以上だ。
だが、問題は生体チップだ。
これは体に埋め込む必要がある。生体チップは俺の世界でも知られているが自分も使うとは思わなかった。
「そうか。でも、拒否権はないんだろ?」
「拒否してもいいけど、隔離部屋に入りたいかい?」
まだ完全に安全だと確信したわけじゃないらしい。
「わかった。やってくれ」
「了解。助かるよ」
生体チップの埋め込みは手術というほどのものでは無かった。
寝台に横にはなったが小さなチップを首の皮下に挿入するだけだった。次第に神経系と接続するという話がちょっと怖い。
生体スーツ自体は良く伸びる素材でツルっと入った。後は勝手に変形するらしい。
ちょっと待っていたら髪の毛も素通りして皮膚に密着した。
コーティングされたような感じでサラサラしているので髪の毛にも多少伸びているようだ。
「あまりいじらないでくれ。一日くらいで生体スーツの違和感も無くなって、いじっても平気になる。そしたら、この部屋から出られるよ」
「いや、このままじゃ出れないだろう?」
「少ししたら硬化して我々と同じようになる。衣装モードで見た目を変えることもできる」
「まじか? その服もこれなのか?」
「そうだ。後で使い方を教えるよ」
そう説明すると、ルジンはさっさと部屋を出て行った。
生体スーツは時間の経過とともに次第に皮膚と見分けがつかなくなっていった。
付けたときは薄い皮膚のようだが、空気で膨張していろいろ変形するとのこと。優れモノにもほどがあるだろと思う。
ルジンはバイオスーツのようなものを着ていたが、この分野は俺の世界よりかなり進んでいるようだ。
その日は寝台に寝そべって過ごすことにした。
ルジンが言っていた通りスーツはいつの間にか変化していた。ルジンや他の研究員と同じバイオスーツのようなものになったのだ。これなら恥ずかしくない。まぁ、ちょっとコスプレっぽっくはあるが。
こうなると衣装モードというのが気になった。どんな服装になれるんだろう?
いや、コスプレしたいわけじゃないけどな。
* * *
翌日、俺は隔離部屋から通常の研究員用の部屋へ移された。
メリスという名の女性研究員がやって来て俺を個室に案内してくれた。俺が転移して来た時、カプセルの外で驚いていた研究員の一人らしい。
「みんなに紹介するから付いて来て」
メリスはそう言って、さっさと先に歩き出した。
「この防護スーツは便利だな。脳内表示が出るのがいい」
メリスと歩きながら防護スーツの感想を言ってみた。
「後で詳しい使い方を説明するけど、もしかして生体コントローラーチップは初めて?」
「ああ、生体チップは知ってるが、こんな制御機能があるものは知らない。開発中だと聞いてたが」
「そう。あなたの世界とここは大分違ってそうね」
「そうだな」
「あっ、分からないことがあったら聞いてね。私があなたの世話係になったから。小さな事でも報告してくれると嬉しい」
「わかった」
「あと、全部記録に残すけど気を悪くしないで」
「うん? そうか。俺も研究対象か。わかった。よろしく頼む」
俺もと言うか俺こそが、なのだろうけど。
まぁ、俺は普通の人間だから記録は無駄になるだろうが、とにかく二つの世界の相違に関することは、なるべく多く調べる必要があるということだろう。
* * *
パンッパンッ、パーン
研究員仲間は食堂で俺を待っていた。
入口を入るとすぐ、五人ほどの研究員がクラッカーを鳴らして歓迎してくれた。
「「「「「ようこそ! この世界へ!」」」」」
貸し切りかどうかは知らないが、この五名と俺以外に食堂には誰もいなかった。
「研究所を代表してリュウを歓迎する!」
リーダーのホワンが大きな声で言った。
「ありがとう」
「第一研究室の研究員はあと十人くらいいるんだが、我々はまだ暫定隔離中なんだ。この五人だけで悪いな」
ここにいる五人は今回の転移実験に立ち会ったメンバーということか。
「まずはメンバー紹介だろうが、堅苦しいのは嫌いだ。食べながら話そう」
そう言ってホワンは俺をテーブルのほうに誘った。
「この研究所で用意できるものでは最高の物を用意した。今回はこれで勘弁してくれ。後でもっと旨いもんをごちそうするよ」
ホワンはそう言って料理と飲み物を勧めてくた。
「ありがとう」
ホワンはそういうが、俺には十分旨かった。
久しぶりのちゃんとした食事だからな。食事はどこの世界でも人を幸せにしてくれる。
<メリス>
イラスト:AIアニメジェネレーターにて生成。
https://perchance.org/ai-anime-generator
俺を自分の世界に戻すという都合のいい仕事だ。まぁ、俺に謝罪の意味も込めて居場所をくれたんだと思う。
それはありがたいんだが、さっそく別世界らしい出来事に遭遇した。
この研究所で働くことになったので、俺もここの支給品を貰うことになった。その一つが、『防護スーツ』というものだ。
「これが防護スーツだ。これを身に付けてもらう」
医療担当のルジンという名の研究員が薄い防護スーツを持って来て見せた。薄手のゴム手袋でボディスーツを作ったような感じだ。
「このスーツは生体素材で出来ていて生体チップと組み合わせて使う。生体チップのお陰で防護スーツは皮膚と密着して長期間君を守ってくれるようになる」
マジか。どっかで見たようなスーツだが。
「ほう。そのまま風呂にも入れるのか?」
「もちろん。皮膚の一部のようになるからね。もっとも風呂に入る必要はないけどね」
冗談だったんだが、本当らしい。信用できないが。
「よくわからんが、凄いな。ちょっと違和感ありそうだが」
「最初はそうだろう。だが、すぐに気にならなくなるはずだ」
「ほう。そう願いたい」
スーツは信じられない感触だった。
なにしろ体の穴の部分を除いて全部を覆うのだ。髪の毛とかどうなるんだろうか? まぁ、産毛もあるんだから同じか。着ると言うより塗布に近いのかもしれない。
俺は下着が密着してるだけで気になるタイプなので心配だ。
だが、研究所の全員が、この防護スーツを使っているらしいので、あまり不平も言えないだろう。とりあえず一度は着てみるか。
「このスーツがあれば切り傷なんか出来ないし、出来てもすぐ修復される。あと、病気になることもないよ」
ルジンは自信満々で言った。本当だろうか? 想像以上だ。
だが、問題は生体チップだ。
これは体に埋め込む必要がある。生体チップは俺の世界でも知られているが自分も使うとは思わなかった。
「そうか。でも、拒否権はないんだろ?」
「拒否してもいいけど、隔離部屋に入りたいかい?」
まだ完全に安全だと確信したわけじゃないらしい。
「わかった。やってくれ」
「了解。助かるよ」
生体チップの埋め込みは手術というほどのものでは無かった。
寝台に横にはなったが小さなチップを首の皮下に挿入するだけだった。次第に神経系と接続するという話がちょっと怖い。
生体スーツ自体は良く伸びる素材でツルっと入った。後は勝手に変形するらしい。
ちょっと待っていたら髪の毛も素通りして皮膚に密着した。
コーティングされたような感じでサラサラしているので髪の毛にも多少伸びているようだ。
「あまりいじらないでくれ。一日くらいで生体スーツの違和感も無くなって、いじっても平気になる。そしたら、この部屋から出られるよ」
「いや、このままじゃ出れないだろう?」
「少ししたら硬化して我々と同じようになる。衣装モードで見た目を変えることもできる」
「まじか? その服もこれなのか?」
「そうだ。後で使い方を教えるよ」
そう説明すると、ルジンはさっさと部屋を出て行った。
生体スーツは時間の経過とともに次第に皮膚と見分けがつかなくなっていった。
付けたときは薄い皮膚のようだが、空気で膨張していろいろ変形するとのこと。優れモノにもほどがあるだろと思う。
ルジンはバイオスーツのようなものを着ていたが、この分野は俺の世界よりかなり進んでいるようだ。
その日は寝台に寝そべって過ごすことにした。
ルジンが言っていた通りスーツはいつの間にか変化していた。ルジンや他の研究員と同じバイオスーツのようなものになったのだ。これなら恥ずかしくない。まぁ、ちょっとコスプレっぽっくはあるが。
こうなると衣装モードというのが気になった。どんな服装になれるんだろう?
いや、コスプレしたいわけじゃないけどな。
* * *
翌日、俺は隔離部屋から通常の研究員用の部屋へ移された。
メリスという名の女性研究員がやって来て俺を個室に案内してくれた。俺が転移して来た時、カプセルの外で驚いていた研究員の一人らしい。
「みんなに紹介するから付いて来て」
メリスはそう言って、さっさと先に歩き出した。
「この防護スーツは便利だな。脳内表示が出るのがいい」
メリスと歩きながら防護スーツの感想を言ってみた。
「後で詳しい使い方を説明するけど、もしかして生体コントローラーチップは初めて?」
「ああ、生体チップは知ってるが、こんな制御機能があるものは知らない。開発中だと聞いてたが」
「そう。あなたの世界とここは大分違ってそうね」
「そうだな」
「あっ、分からないことがあったら聞いてね。私があなたの世話係になったから。小さな事でも報告してくれると嬉しい」
「わかった」
「あと、全部記録に残すけど気を悪くしないで」
「うん? そうか。俺も研究対象か。わかった。よろしく頼む」
俺もと言うか俺こそが、なのだろうけど。
まぁ、俺は普通の人間だから記録は無駄になるだろうが、とにかく二つの世界の相違に関することは、なるべく多く調べる必要があるということだろう。
* * *
パンッパンッ、パーン
研究員仲間は食堂で俺を待っていた。
入口を入るとすぐ、五人ほどの研究員がクラッカーを鳴らして歓迎してくれた。
「「「「「ようこそ! この世界へ!」」」」」
貸し切りかどうかは知らないが、この五名と俺以外に食堂には誰もいなかった。
「研究所を代表してリュウを歓迎する!」
リーダーのホワンが大きな声で言った。
「ありがとう」
「第一研究室の研究員はあと十人くらいいるんだが、我々はまだ暫定隔離中なんだ。この五人だけで悪いな」
ここにいる五人は今回の転移実験に立ち会ったメンバーということか。
「まずはメンバー紹介だろうが、堅苦しいのは嫌いだ。食べながら話そう」
そう言ってホワンは俺をテーブルのほうに誘った。
「この研究所で用意できるものでは最高の物を用意した。今回はこれで勘弁してくれ。後でもっと旨いもんをごちそうするよ」
ホワンはそう言って料理と飲み物を勧めてくた。
「ありがとう」
ホワンはそういうが、俺には十分旨かった。
久しぶりのちゃんとした食事だからな。食事はどこの世界でも人を幸せにしてくれる。
<メリス>
イラスト:AIアニメジェネレーターにて生成。
https://perchance.org/ai-anime-generator
0
あなたにおすすめの小説
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
合成師
盾乃あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。
そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
