52 / 89
【第二部】一章 仲間と平和と学園と
五、ポタージュスープと進路
しおりを挟む
その日のランチは鴨肉のローストと根野菜のマリネ、バケット、カボチャのポタージュスープにデザートは林檎ゼリーだった。学園の食事がこれだけのラインナップになるのを見るのは、いつ以来だろうか。ついトレーに乗る皿の量に目を瞬かせた。
「うわー! 豪華だね!」
「お前のときよりマシなんじゃないか?」
「ダン……あんまり引っ張るなら、いい加減に怒るよ?」
導かれるように分かれた人垣の中央を歩いて、混んでいるはずのレストランで堂々と席を確保して食事を開始した。そう言えば記憶が戻ってすぐ、余り演技をしなくなってからは食事前の『いただきます』をしないようにするのを留意した時期があったな、とスープを口に入れながらどうでもいいことを思い出した。
「お前、そんなことで大丈夫なのか? 軍ではイアンは上司だろう?」
スープスプーンを置いてバケットを千切りながら、セドリックが呆れた声で言った。さっきの会話が続いていたらしい。僕はスープを飲み込んでから視線を前へ向ける。
「……どういうことだ?」
「エドマンド様はご存知なかったですね!」
「ダンは商家を継がず、軍部へ残ることにしたそうですよ」
「そうだったのか」
「びっくりだよね。そうだ、エドマンド。ダンに理由を聞いてくれない? 誰が聞いても教えてくれないんだ」
「そうは言ってもな。僕が聞いたところで言うような性格じゃないだろう」
「ははは! その通りだ!」
悪びれもなく笑う辺り、この男は本当に肝が据わっていると思う。ニュドニアに貴族制度はないけれど、どうしても権力や地位、資金力などが根底でものを言うのだ。いくら資金力があっても商家の人間が、何もかも持っている僕等と付き合うのは本来なら気を遣うべきなのかもしれない。イアンは特別枠だし、僕もアンドリューたちも人に対して実力や人柄を重視するから気にしなかっただけだったのだな、と今さらながら気付いた。
「家の方は大丈夫なのか?」
ダンは確か長男だったはずだ。世界的に見れば新興国に入るニュドニアは、長子が家督を継がないといけない、というような法律もルールも不文律もない。とは言っても彼が優秀なのは一目瞭然なので、オライリ家としても簡単に手放したりはしないだろう。
「エドマンド様、その辺りはさすがは一流の商家、といったところでしたよ」
「セドリック、何か聞いているのか?」
「いや、アンドリュー。情報収集の一旦だよ。……イアンほどじゃあないにせよ、僕たちも英雄の端くれだ。彼の生家はダンを広告塔にするつもりらしい」
「おいおい、その話、どこから聞いたんだよ」
どこか引きつったような声がする。ダンが珍しく表情に出しているから、どうやら本当のことのようだ。
「これでも卒業後は財務部へ入るんだ。情報に疎いようじゃあ駄目だろう?」
「セドリックの場合は、少し執拗なところがあるよなぁ」
「どういう意味だ? バートン」
アンドリューたちは、どうやらローテンションで僕の両隣を確保しているらしいから、今は斜め前、ダンの隣にいるセドリックを見る。軽く睨むような藤色の目には、どこかイタズラっぽい色が混ざっていて本気で怒っているわけじゃないのはすぐに分かる。フッと息を吐く。
「あ……」
「お」
「エドマンド様……」
「なんだ? どうした?」
前の三人がジッと見つめてくる。すぐに、それぞれ全然違う表情を浮かべたから、結局なんなのか分からない。
「ううん。なんでもないよ!」
「お前も変わったよな、って話」
「エドマンド様……」
何故か嬉しそうな目で見られて、セドリックに至っては目元を覆って感極まっている。
「まあ、そういうワケで、ターシャリ入学後からは、学業と軍部の訓練の両立なんだよ」
「ダンが部下だよ? 俺は正直気が重いよ……」
「イアンは師団長昇進だったか?」
「最年少の師団長様の誕生だからな」
僕の確認の声に答えたのはダンだった。イアン本人は曖昧に笑っている。
軍部――と言うよりお爺様――はイアンの功績を称えて、軍部での昇進を決定した。その内容が、新たな部隊の設立と、その隊の師団長への就任だ。本来ならイアンの希望を汲むべきなのだろうけど、ニュドニアが彼を軍部から解放することはあり得ない。家族と平穏に生きていく。それが、彼が最も望むものなのだろうに。
「若手だけの部隊になる予定なんだよな?」
「うん。俺は師団長って扱いだけど、実際に指示を出すのは副長なんだ。その人はベテランだから……」
「てっきり、ダンを副長に、って話が出るかと思ったけどなぁ」
「その話も出たんだよな? ダン」
「ああ、流石に荷が重いって断った」
「それでその形か。イアンは完全にお飾りか?」
「流石に気分が悪いね」
僕の両サイドのアンドリューとバートンがイアンへ質問攻めする。これは本人たちの好奇心というより僕のために聞いてくれているのかもしれない。
「その辺も、なぁ。仕方ないんだけどね」
「イアン」
「ん? なに、エドマンド」
イアンが食後の茶を口に含んで少し顔を顰める。セイダルとの交易は冷え切っている。今飲んでいるのはトーカシア経由の海外のものだそうだ。ニュドニアのものとも違う渋みがあるけど、僕は嫌いじゃない。一口飲んで改めて口を開いた。
「どう転んでも、お前がこの国の英雄であることは変わらない。小さいことを気にするだけ無駄だ」
「そうだな。イアン、いっそ尊大なくらいでもいいんじゃないか? 今や、お前は切り札だ。何をしても許されるさ」
「セドリック。それは言い過ぎだよ。それに、俺はそういうのは……」
「よっ! 英雄!」
「おいっ! ダンッ!」
イアンのちょっと怒ったような声に全員が笑みを浮かべる。……僕も、例外じゃなく。
「次の授業は国外史だし、早めに戻って予習するわ」
「あ、俺も」
全員が食事を終えたと同時に言い出したダンにイアンが続き、ならば、と全員で席を立った。返却コーナーの近くで「あ」と声を上げたのはイアンだった。
「カップ持ってくるの忘れた。取ってくる」
「出口で待ってるな」
「うん-!」
早足でさっき座っていた場所へ向かうイアンに背中を向けて出口へ向かう。出入口の端に体を寄せてレストランを振り返ったときには、彼はこちらに向かって来ていた。
「ずいぶん早かったな」
「誰か片付けてくれたみたい」
「そうか」
バートンが「ラッキーだったな」なんて軽口を叩いているのを、後ろから見ながら僕らは教室へと向かった。
「うわー! 豪華だね!」
「お前のときよりマシなんじゃないか?」
「ダン……あんまり引っ張るなら、いい加減に怒るよ?」
導かれるように分かれた人垣の中央を歩いて、混んでいるはずのレストランで堂々と席を確保して食事を開始した。そう言えば記憶が戻ってすぐ、余り演技をしなくなってからは食事前の『いただきます』をしないようにするのを留意した時期があったな、とスープを口に入れながらどうでもいいことを思い出した。
「お前、そんなことで大丈夫なのか? 軍ではイアンは上司だろう?」
スープスプーンを置いてバケットを千切りながら、セドリックが呆れた声で言った。さっきの会話が続いていたらしい。僕はスープを飲み込んでから視線を前へ向ける。
「……どういうことだ?」
「エドマンド様はご存知なかったですね!」
「ダンは商家を継がず、軍部へ残ることにしたそうですよ」
「そうだったのか」
「びっくりだよね。そうだ、エドマンド。ダンに理由を聞いてくれない? 誰が聞いても教えてくれないんだ」
「そうは言ってもな。僕が聞いたところで言うような性格じゃないだろう」
「ははは! その通りだ!」
悪びれもなく笑う辺り、この男は本当に肝が据わっていると思う。ニュドニアに貴族制度はないけれど、どうしても権力や地位、資金力などが根底でものを言うのだ。いくら資金力があっても商家の人間が、何もかも持っている僕等と付き合うのは本来なら気を遣うべきなのかもしれない。イアンは特別枠だし、僕もアンドリューたちも人に対して実力や人柄を重視するから気にしなかっただけだったのだな、と今さらながら気付いた。
「家の方は大丈夫なのか?」
ダンは確か長男だったはずだ。世界的に見れば新興国に入るニュドニアは、長子が家督を継がないといけない、というような法律もルールも不文律もない。とは言っても彼が優秀なのは一目瞭然なので、オライリ家としても簡単に手放したりはしないだろう。
「エドマンド様、その辺りはさすがは一流の商家、といったところでしたよ」
「セドリック、何か聞いているのか?」
「いや、アンドリュー。情報収集の一旦だよ。……イアンほどじゃあないにせよ、僕たちも英雄の端くれだ。彼の生家はダンを広告塔にするつもりらしい」
「おいおい、その話、どこから聞いたんだよ」
どこか引きつったような声がする。ダンが珍しく表情に出しているから、どうやら本当のことのようだ。
「これでも卒業後は財務部へ入るんだ。情報に疎いようじゃあ駄目だろう?」
「セドリックの場合は、少し執拗なところがあるよなぁ」
「どういう意味だ? バートン」
アンドリューたちは、どうやらローテンションで僕の両隣を確保しているらしいから、今は斜め前、ダンの隣にいるセドリックを見る。軽く睨むような藤色の目には、どこかイタズラっぽい色が混ざっていて本気で怒っているわけじゃないのはすぐに分かる。フッと息を吐く。
「あ……」
「お」
「エドマンド様……」
「なんだ? どうした?」
前の三人がジッと見つめてくる。すぐに、それぞれ全然違う表情を浮かべたから、結局なんなのか分からない。
「ううん。なんでもないよ!」
「お前も変わったよな、って話」
「エドマンド様……」
何故か嬉しそうな目で見られて、セドリックに至っては目元を覆って感極まっている。
「まあ、そういうワケで、ターシャリ入学後からは、学業と軍部の訓練の両立なんだよ」
「ダンが部下だよ? 俺は正直気が重いよ……」
「イアンは師団長昇進だったか?」
「最年少の師団長様の誕生だからな」
僕の確認の声に答えたのはダンだった。イアン本人は曖昧に笑っている。
軍部――と言うよりお爺様――はイアンの功績を称えて、軍部での昇進を決定した。その内容が、新たな部隊の設立と、その隊の師団長への就任だ。本来ならイアンの希望を汲むべきなのだろうけど、ニュドニアが彼を軍部から解放することはあり得ない。家族と平穏に生きていく。それが、彼が最も望むものなのだろうに。
「若手だけの部隊になる予定なんだよな?」
「うん。俺は師団長って扱いだけど、実際に指示を出すのは副長なんだ。その人はベテランだから……」
「てっきり、ダンを副長に、って話が出るかと思ったけどなぁ」
「その話も出たんだよな? ダン」
「ああ、流石に荷が重いって断った」
「それでその形か。イアンは完全にお飾りか?」
「流石に気分が悪いね」
僕の両サイドのアンドリューとバートンがイアンへ質問攻めする。これは本人たちの好奇心というより僕のために聞いてくれているのかもしれない。
「その辺も、なぁ。仕方ないんだけどね」
「イアン」
「ん? なに、エドマンド」
イアンが食後の茶を口に含んで少し顔を顰める。セイダルとの交易は冷え切っている。今飲んでいるのはトーカシア経由の海外のものだそうだ。ニュドニアのものとも違う渋みがあるけど、僕は嫌いじゃない。一口飲んで改めて口を開いた。
「どう転んでも、お前がこの国の英雄であることは変わらない。小さいことを気にするだけ無駄だ」
「そうだな。イアン、いっそ尊大なくらいでもいいんじゃないか? 今や、お前は切り札だ。何をしても許されるさ」
「セドリック。それは言い過ぎだよ。それに、俺はそういうのは……」
「よっ! 英雄!」
「おいっ! ダンッ!」
イアンのちょっと怒ったような声に全員が笑みを浮かべる。……僕も、例外じゃなく。
「次の授業は国外史だし、早めに戻って予習するわ」
「あ、俺も」
全員が食事を終えたと同時に言い出したダンにイアンが続き、ならば、と全員で席を立った。返却コーナーの近くで「あ」と声を上げたのはイアンだった。
「カップ持ってくるの忘れた。取ってくる」
「出口で待ってるな」
「うん-!」
早足でさっき座っていた場所へ向かうイアンに背中を向けて出口へ向かう。出入口の端に体を寄せてレストランを振り返ったときには、彼はこちらに向かって来ていた。
「ずいぶん早かったな」
「誰か片付けてくれたみたい」
「そうか」
バートンが「ラッキーだったな」なんて軽口を叩いているのを、後ろから見ながら僕らは教室へと向かった。
50
あなたにおすすめの小説
マリオネットが、糸を断つ時。
せんぷう
BL
異世界に転生したが、かなり不遇な第二の人生待ったなし。
オレの前世は地球は日本国、先進国の裕福な場所に産まれたおかげで何不自由なく育った。確かその終わりは何かの事故だった気がするが、よく覚えていない。若くして死んだはずが……気付けばそこはビックリ、異世界だった。
第二生は前世とは正反対。魔法というとんでもない歴史によって構築され、貧富の差がアホみたいに激しい世界。オレを産んだせいで母は体調を崩して亡くなったらしくその後は孤児院にいたが、あまりに酷い暮らしに嫌気がさして逃亡。スラムで前世では絶対やらなかったような悪さもしながら、なんとか生きていた。
そんな暮らしの終わりは、とある富裕層らしき連中の騒ぎに関わってしまったこと。不敬罪でとっ捕まらないために背を向けて逃げ出したオレに、彼はこう叫んだ。
『待て、そこの下民っ!! そうだ、そこの少し小綺麗な黒い容姿の、お前だお前!』
金髪縦ロールにド派手な紫色の服。装飾品をジャラジャラと身に付け、靴なんて全然汚れてないし擦り減ってもいない。まさにお貴族様……そう、貴族やら王族がこの世界にも存在した。
『貴様のような虫ケラ、本来なら僕に背を向けるなどと斬首ものだ。しかし、僕は寛大だ!!
許す。喜べ、貴様を今日から王族である僕の傍に置いてやろう!』
そいつはバカだった。しかし、なんと王族でもあった。
王族という権力を振り翳し、盾にするヤバい奴。嫌味ったらしい口調に人をすぐにバカにする。気に入らない奴は全員斬首。
『ぼ、僕に向かってなんたる失礼な態度っ……!! 今すぐ首をっ』
『殿下ったら大変です、向こうで殿下のお好きな竜種が飛んでいた気がします。すぐに外に出て見に行きませんとー』
『なにっ!? 本当か、タタラ! こうしては居られぬ、すぐに連れて行け!』
しかし、オレは彼に拾われた。
どんなに嫌な奴でも、どんなに周りに嫌われていっても、彼はどうしようもない恩人だった。だからせめて多少の恩を返してから逃げ出そうと思っていたのに、事態はどんどん最悪な展開を迎えて行く。
気に入らなければ即断罪。意中の騎士に全く好かれずよく暴走するバカ王子。果ては王都にまで及ぶ危険。命の危機など日常的に!
しかし、一緒にいればいるほど惹かれてしまう気持ちは……ただの忠誠心なのか?
スラム出身、第十一王子の守護魔導師。
これは運命によってもたらされた出会い。唯一の魔法を駆使しながら、タタラは今日も今日とてワガママ王子の手綱を引きながら平凡な生活に焦がれている。
※BL作品
恋愛要素は前半皆無。戦闘描写等多数。健全すぎる、健全すぎて怪しいけどこれはBLです。
.
聖者の愛はお前だけのもの
いちみりヒビキ
BL
スパダリ聖者とツンデレ王子の王道イチャラブファンタジー。
<あらすじ>
ツンデレ王子”ユリウス”の元に、希少な男性聖者”レオンハルト”がやってきた。
ユリウスは、魔法が使えないレオンハルトを偽聖者と罵るが、心の中ではレオンハルトのことが気になって仕方ない。
意地悪なのにとても優しいレオンハルト。そして、圧倒的な拳の破壊力で、数々の難題を解決していく姿に、ユリウスは惹かれ、次第に心を許していく……。
全年齢対象。
【新版】転生悪役モブは溺愛されんでいいので死にたくない!
煮卵
BL
ゲーム会社に勤めていた俺はゲームの世界の『婚約破棄』イベントの混乱で殺されてしまうモブに転生した。
処刑の原因となる婚約破棄を避けるべく王子に友人として接近。
なんか数ヶ月おきに繰り返される「恋人や出会いのためのお祭り」をできる限り第二皇子と過ごし、
婚約破棄の原因となる主人公と出会うきっかけを徹底的に排除する。
最近では監視をつけるまでもなくいつも一緒にいたいと言い出すようになった・・・
やんごとなき血筋のハンサムな王子様を淑女たちから遠ざけ男の俺とばかり過ごすように
仕向けるのはちょっと申し訳ない気もしたが、俺の運命のためだ。仕方あるまい。
クレバーな立ち振る舞いにより、俺の死亡フラグは完全に回避された・・・
と思ったら、婚約の儀の当日、「私には思い人がいるのです」
と言いやがる!一体誰だ!?
その日の夜、俺はゲームの告白イベントがある薔薇園に呼び出されて・・・
ーーーーーーーー
この作品は以前投稿した「転生悪役モブは溺愛されんで良いので死にたくない!」に
加筆修正を加えたものです。
リュシアンの転生前の設定や主人公二人の出会いのシーンを追加し、
あまり描けていなかったキャラクターのシーンを追加しています。
展開が少し変わっていますので新しい小説として投稿しています。
続編出ました
転生悪役令嬢は溺愛されんでいいので推しカプを見守りたい! https://www.alphapolis.co.jp/novel/687110240/826989668
ーーーー
校正・文体の調整に生成AIを利用しています。
裏乙女ゲー?モブですよね? いいえ主人公です。
みーやん
BL
何日の時をこのソファーと過ごしただろう。
愛してやまない我が妹に頼まれた乙女ゲーの攻略は終わりを迎えようとしていた。
「私の青春学園生活⭐︎星蒼山学園」というこのタイトルの通り、女の子の主人公が学園生活を送りながら攻略対象に擦り寄り青春という名の恋愛を繰り広げるゲームだ。ちなみに女子生徒は全校生徒約900人のうち主人公1人というハーレム設定である。
あと1ヶ月後に30歳の誕生日を迎える俺には厳しすぎるゲームではあるが可愛い妹の為、精神と睡眠を削りながらやっとの思いで最後の攻略対象を攻略し見事クリアした。
最後のエンドロールまで見た後に
「裏乙女ゲームを開始しますか?」
という文字が出てきたと思ったら目の視界がだんだんと狭まってくる感覚に襲われた。
あ。俺3日寝てなかったんだ…
そんなことにふと気がついた時には視界は完全に奪われていた。
次に目が覚めると目の前には見覚えのあるゲームならではのウィンドウ。
「星蒼山学園へようこそ!攻略対象を攻略し青春を掴み取ろう!」
何度見たかわからないほど見たこの文字。そして気づく現実味のある体感。そこは3日徹夜してクリアしたゲームの世界でした。
え?意味わかんないけどとりあえず俺はもちろんモブだよね?
これはモブだと勘違いしている男が実は主人公だと気付かないまま学園生活を送る話です。
ブレスレットが運んできたもの
mahiro
BL
第一王子が15歳を迎える日、お祝いとは別に未来の妃を探すことを目的としたパーティーが開催することが発表された。
そのパーティーには身分関係なく未婚である女性や歳の近い女性全員に招待状が配られたのだという。
血の繋がりはないが訳あって一緒に住むことになった妹ーーーミシェルも例外ではなく招待されていた。
これまた俺ーーーアレットとは血の繋がりのない兄ーーーベルナールは妹大好きなだけあって大いに喜んでいたのだと思う。
俺はといえば会場のウェイターが足りないため人材募集が貼り出されていたので応募してみたらたまたま通った。
そして迎えた当日、グラスを片付けるため会場から出た所、廊下のすみに光輝く何かを発見し………?
【完結】『ルカ』
瀬川香夜子
BL
―――目が覚めた時、自分の中は空っぽだった。
倒れていたところを一人の老人に拾われ、目覚めた時には記憶を無くしていた。
クロと名付けられ、親切な老人―ソニーの家に置いて貰うことに。しかし、記憶は一向に戻る気配を見せない。
そんなある日、クロを知る青年が現れ……?
貴族の青年×記憶喪失の青年です。
※自サイトでも掲載しています。
2021年6月28日 本編完結
【完結】伯爵家当主になりますので、お飾りの婚約者の僕は早く捨てて下さいね?
MEIKO
BL
【完結】伯爵家次男のマリンは、公爵家嫡男のミシェルの婚約者として一緒に過ごしているが実際はお飾りの存在だ。そんなマリンは池に落ちたショックで前世は日本人の男子で今この世界が小説の中なんだと気付いた。マズい!このままだとミシェルから婚約破棄されて路頭に迷う未来しか見えない!
僕はそこから前世の特技を活かしてお金を貯め、ミシェルに愛する人が現れるその日に備えだす。2年後、万全の備えと新たな朗報を得た僕は、もう婚約破棄してもらっていいんですけど?ってミシェルに告げる。なのに対象外のはずの僕に未練たらたらなのどうして?
※R対象話には『*』マーク付けます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる