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第三部:異界館編
2:異界色プレリュード②
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「ようこそお越しくださいました、クロ様。その節は紅葉がお世話になりました」
「あ、いえ、その、僕は特に何も……」
「そう謙遜なさらないでください。過程はどうあれ、あの頑固な紅葉を素直にしていただいたのですから」
ゆったりとした着物を着て微笑む彼……鈴蘭さんを前にして、僕は曖昧に微笑むことしか出来ない。
あれは素直にしたというか冗談プラシーボで焚き付けたというか……。まあでも、結果的に良かったからいいのかな?
ルトラから事前に教えてもらったけど、まとめ役の鈴蘭さんも人間なんだっけ。年齢は30代後半って聞いたけど、かなり若く見えるなぁ。高いところで結ってある薄緑の長髪がびっくりするくらいサラサラだ。
そんなことを思いながら、案内されるまま異界館の中に入っていく。和風の大きなお屋敷といった感じだったけど、内装も昔のお屋敷風だ。だけど完全に和というわけじゃなくて、絨毯が敷かれていたり、小振りのシャンデリアがぶら下がっていたりと和洋折衷な感じだ。ルトラのお城も好きだけど、ここはなんだか懐かしく感じる。畳の部屋とかも見えるからかな。
ルトラに話しかけようとして、そういえば後から合流することになったんだと思い出す。なんでも連絡するところがあるとかないとか?
「こちらです、クロ様。我が異界館に在籍している彼等を紹介いたします」
鈴蘭さんが襖を開けてくれて、ドキドキしながら足を踏み入れる。ここに居るのは、紅葉さんのように魔族との結婚を望まなかった人達だ。紅葉さんに関してはライラさんに素直になれなかっただけだけど、他の人はそうとは限らない。
けれど、縁結びをしてほしいというのが紅葉さんからの頼みだから。迷惑なことをする奴だと思われても、出来ることをやってみよう。
そう決意してまっすぐ見つめた先には、テーブルを囲むようにして四人の人間が座っていた。館は広いけど思ったより数が少ない。そして何というか皆髪の色がカラフルだった。あとなんかこう、約一名からすごく強い視線を感じる。
「あ、いえ、その、僕は特に何も……」
「そう謙遜なさらないでください。過程はどうあれ、あの頑固な紅葉を素直にしていただいたのですから」
ゆったりとした着物を着て微笑む彼……鈴蘭さんを前にして、僕は曖昧に微笑むことしか出来ない。
あれは素直にしたというか冗談プラシーボで焚き付けたというか……。まあでも、結果的に良かったからいいのかな?
ルトラから事前に教えてもらったけど、まとめ役の鈴蘭さんも人間なんだっけ。年齢は30代後半って聞いたけど、かなり若く見えるなぁ。高いところで結ってある薄緑の長髪がびっくりするくらいサラサラだ。
そんなことを思いながら、案内されるまま異界館の中に入っていく。和風の大きなお屋敷といった感じだったけど、内装も昔のお屋敷風だ。だけど完全に和というわけじゃなくて、絨毯が敷かれていたり、小振りのシャンデリアがぶら下がっていたりと和洋折衷な感じだ。ルトラのお城も好きだけど、ここはなんだか懐かしく感じる。畳の部屋とかも見えるからかな。
ルトラに話しかけようとして、そういえば後から合流することになったんだと思い出す。なんでも連絡するところがあるとかないとか?
「こちらです、クロ様。我が異界館に在籍している彼等を紹介いたします」
鈴蘭さんが襖を開けてくれて、ドキドキしながら足を踏み入れる。ここに居るのは、紅葉さんのように魔族との結婚を望まなかった人達だ。紅葉さんに関してはライラさんに素直になれなかっただけだけど、他の人はそうとは限らない。
けれど、縁結びをしてほしいというのが紅葉さんからの頼みだから。迷惑なことをする奴だと思われても、出来ることをやってみよう。
そう決意してまっすぐ見つめた先には、テーブルを囲むようにして四人の人間が座っていた。館は広いけど思ったより数が少ない。そして何というか皆髪の色がカラフルだった。あとなんかこう、約一名からすごく強い視線を感じる。
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