54 / 73
第三部:異界館編
6:藤袴テイスティ①
しおりを挟む
たっぷり愛してもらって、唇がぽってりするくらいキスしてもらって、身体も心も大満足。後処理もしっかりしてから部屋を出ると、予想外の人が扉の傍に立っていた。
「昨夜はお楽しみでしたね♡……なーんて、昨夜どころかさっきだけど!やあやあ黒河君、久しぶりだね!」
「みっ、緑くん!?」
白いフリルシャツに黒いマント。それこそ吸血鬼のような格好をした緑くんが、にこにこしながら歩み寄ってくる。びっくりする僕とは裏腹に、ルトラは全然驚いていない。寧ろ、「待たせてしまったな」と声をかけていた。頭の中にはてなマークが乱立する。
「ふふふ、実は僕、異界館に興味がありまくりでね!ヴァミ伝いにルトラさんに頼んでたんだ。ちゃんとした理由がないとここに来ることは出来ないからね、もし行く機会があるなら同行したいって」
「そ、そうだったんだ……。事前に言ってくれればよかったのに」
「折角だし、黒河君の驚く顔も見たいと思ったんだよ。いやー、感情が露わになる瞬間はいいものだね!」
わはは、と快活に笑う緑くん。なるほど、ルトラが連絡した相手はヴァミさんだったのかな。
「そういえば、藍城くんは一緒じゃないの?」
「いやぁ、それが……。リオンからお仕置き中で今は外に出られないんだよ。あ、お仕置きといっても気持ちいいやつだから!僕が出かける時も噴水のようにおしっこしながら見送ってくれたし!」
「へ、え……」
一体藍城くんは何をしてしまったんだろう。その様相を明るく説明してくる緑くんも緑くんだけど。いや、初対面の人達の前でヤった僕が言うのもあれかな。
「と、いうわけで!僕は今から黒河君のサポートをさせてもらうよ!なんでも噂ではここに居る人間には不思議な特徴があるらしくてね。ふふっ、僕の秘密道具も役に立ちそうだ。よろしく黒河君!」
「よ、よろしくね」
そうは言ったものの、どこから手をつけよう。鈴蘭さんの姿もないし、猫柳さん達もいなくなっていた。一応泊まる部屋だけは教えてもらっているけど、その前に取っ掛かりは見つけておきたい。
と、なると。
「ルトラ、緑くん。あっちの方に行ってみてもいいかな。確かキッチンがあるみたいなんだけど」
「あの扉の先か。糸が繋がってるって言ってたな」
「了解!僕は邪魔にならないようにするからね」
「あ。そうだ。さっき言ってた不思議な特徴ってどんな感じなのか知ってる?藤袴さんって人が体質的に無理、みたいなこと言ってたなぁって」
「んー、所詮噂だし、詳しいことは僕も分からないんだよ。でもほら、火のないところに煙はうんたらっていうし、普通とは違う何かがあるのは確かだろうね!」
「なるほど……」
真正面から聞いて藤袴さんが教えてくれるかどうか……。っと、考えるよりもまずキッチンに行ってみよう。もしかするとそこに運命の相手がいるかもしれないから。
*****
「昨夜はお楽しみでしたね♡……なーんて、昨夜どころかさっきだけど!やあやあ黒河君、久しぶりだね!」
「みっ、緑くん!?」
白いフリルシャツに黒いマント。それこそ吸血鬼のような格好をした緑くんが、にこにこしながら歩み寄ってくる。びっくりする僕とは裏腹に、ルトラは全然驚いていない。寧ろ、「待たせてしまったな」と声をかけていた。頭の中にはてなマークが乱立する。
「ふふふ、実は僕、異界館に興味がありまくりでね!ヴァミ伝いにルトラさんに頼んでたんだ。ちゃんとした理由がないとここに来ることは出来ないからね、もし行く機会があるなら同行したいって」
「そ、そうだったんだ……。事前に言ってくれればよかったのに」
「折角だし、黒河君の驚く顔も見たいと思ったんだよ。いやー、感情が露わになる瞬間はいいものだね!」
わはは、と快活に笑う緑くん。なるほど、ルトラが連絡した相手はヴァミさんだったのかな。
「そういえば、藍城くんは一緒じゃないの?」
「いやぁ、それが……。リオンからお仕置き中で今は外に出られないんだよ。あ、お仕置きといっても気持ちいいやつだから!僕が出かける時も噴水のようにおしっこしながら見送ってくれたし!」
「へ、え……」
一体藍城くんは何をしてしまったんだろう。その様相を明るく説明してくる緑くんも緑くんだけど。いや、初対面の人達の前でヤった僕が言うのもあれかな。
「と、いうわけで!僕は今から黒河君のサポートをさせてもらうよ!なんでも噂ではここに居る人間には不思議な特徴があるらしくてね。ふふっ、僕の秘密道具も役に立ちそうだ。よろしく黒河君!」
「よ、よろしくね」
そうは言ったものの、どこから手をつけよう。鈴蘭さんの姿もないし、猫柳さん達もいなくなっていた。一応泊まる部屋だけは教えてもらっているけど、その前に取っ掛かりは見つけておきたい。
と、なると。
「ルトラ、緑くん。あっちの方に行ってみてもいいかな。確かキッチンがあるみたいなんだけど」
「あの扉の先か。糸が繋がってるって言ってたな」
「了解!僕は邪魔にならないようにするからね」
「あ。そうだ。さっき言ってた不思議な特徴ってどんな感じなのか知ってる?藤袴さんって人が体質的に無理、みたいなこと言ってたなぁって」
「んー、所詮噂だし、詳しいことは僕も分からないんだよ。でもほら、火のないところに煙はうんたらっていうし、普通とは違う何かがあるのは確かだろうね!」
「なるほど……」
真正面から聞いて藤袴さんが教えてくれるかどうか……。っと、考えるよりもまずキッチンに行ってみよう。もしかするとそこに運命の相手がいるかもしれないから。
*****
50
あなたにおすすめの小説
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。顔立ちは悪くないが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?
2025/09/12 ★1000 Thank_You!!
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる