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第三部:異界館編
9:藤袴テイスティ④
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*****
「──わ。な、なんか良い雰囲気?になってきたね……?」
普通に食事をしていたはずの藤袴さんが、虎獣人……ガレットさんの手を舐め始めてしまった。肉球を重点的にそれはもう美味しそうに。会ったばかりとはいえ、そんな大胆なことをするような人には見えなかったんだけど……。
「……なるほど、理解したよ。いや、にわかには信じがたいけど、こんな異世界があるくらいだから確かに何があってもおかしくはないか」
「緑くん?」
何かをブツブツ呟いた後、緑くんは眼鏡をかけ直しながら口を開いた。
「黒河君。ケーキバースって知ってる?」
「え。えっと、ケーキのバースデー……?」
「んー!それはそれで可愛いけど違うかな!まあ、簡単に言ってしまえば、ケーキとフォークって呼ばれる人達がいるんだけど。普段全く味を感じないフォークは、ケーキの皮膚や体液……だけ甘く感じることが出来るんだよ。そういう設定のBL漫画を僕はどれだけ読んできたことか!」
「設定?え……、現実じゃないってこと?」
「少なくとも僕達がいた世界では紙面の妄想でしかなかったね。けれどほら、さっきまでの言動といい、今の行動といい、あの人は確実にフォーク!何なら自分で言ってたし!まさか妄想上の人間を実際に見ることが出来るなんて……!生きててよかった!あっ、もしかしてもしかするとあの不思議な特徴って噂はこれのことだったり……となると、他の人達ももしや……!」
爛々と目を輝かせる緑くんが、生き生きと早口で喋り出す。取り敢えず、なんとなく把握することは出来たけど……、藤袴さんのことはこのままにしておいて大丈夫なんだろうか。
水晶を見ると、ガレットさんの上に跨って座った藤袴さんが、舌にかぶりつくようにして舐め吸っていた。
ちょっと目を離した間にすごいことになってる……!
『んあっ♡う♡こっひのほうが、おいひい♡♡んちゅ……っ♡ふぅ♡』
『ッ……!おい、フジ……!正気に戻れ!』
『じゅる、っふぅ、しゅき♡おいしいの、しゅきぃ♡♡』
『な、ァ……っ!』
とろっとろに溶けてしまっている藤袴さんのことを、ガレットさんは強く押しのけることが出来ないみたいだ。体格差もあるから、無理に力を込めないようにしているみたい。それをいいことに、ジュルジュルピチャピチャと水音を立てながら唾液を啜る藤袴さん。青白かった顔色が紅潮して火照っていく。
さっき緑くんが教えてくれた言葉を借りるなら、ガレットさんがケーキだったってこと……かな?気まずそうな空気が嘘のように甘ったるくなってるのが見て取れる。
「緑くん、ケーキを食べるとフォークの理性がなくなったりするの?」
「まあ個人差はあれど本能は強くなるだろうね!ハードな場合は肉体を食べてしまうこともあるくらいだし」
「に、にく……っ!?」
「僕はスプラッタがあまり得意じゃないからそのパターンは読んだことないんだけどね!……ああでも、藤袴氏がそうなる可能性はあるかもしれない、かな」
「え……」
「…………くうっ、邪推なことはしたくないけどここは一旦乱入しよう黒河君!」
「う、うん!」
既に覗き見という邪推なことをしたわけだけど、それは一旦置いといて。
ガレットさんがスプラッタな目に合うかもしれないのを止めるため、僕達は水晶を置いて部屋から飛び出した。
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「──わ。な、なんか良い雰囲気?になってきたね……?」
普通に食事をしていたはずの藤袴さんが、虎獣人……ガレットさんの手を舐め始めてしまった。肉球を重点的にそれはもう美味しそうに。会ったばかりとはいえ、そんな大胆なことをするような人には見えなかったんだけど……。
「……なるほど、理解したよ。いや、にわかには信じがたいけど、こんな異世界があるくらいだから確かに何があってもおかしくはないか」
「緑くん?」
何かをブツブツ呟いた後、緑くんは眼鏡をかけ直しながら口を開いた。
「黒河君。ケーキバースって知ってる?」
「え。えっと、ケーキのバースデー……?」
「んー!それはそれで可愛いけど違うかな!まあ、簡単に言ってしまえば、ケーキとフォークって呼ばれる人達がいるんだけど。普段全く味を感じないフォークは、ケーキの皮膚や体液……だけ甘く感じることが出来るんだよ。そういう設定のBL漫画を僕はどれだけ読んできたことか!」
「設定?え……、現実じゃないってこと?」
「少なくとも僕達がいた世界では紙面の妄想でしかなかったね。けれどほら、さっきまでの言動といい、今の行動といい、あの人は確実にフォーク!何なら自分で言ってたし!まさか妄想上の人間を実際に見ることが出来るなんて……!生きててよかった!あっ、もしかしてもしかするとあの不思議な特徴って噂はこれのことだったり……となると、他の人達ももしや……!」
爛々と目を輝かせる緑くんが、生き生きと早口で喋り出す。取り敢えず、なんとなく把握することは出来たけど……、藤袴さんのことはこのままにしておいて大丈夫なんだろうか。
水晶を見ると、ガレットさんの上に跨って座った藤袴さんが、舌にかぶりつくようにして舐め吸っていた。
ちょっと目を離した間にすごいことになってる……!
『んあっ♡う♡こっひのほうが、おいひい♡♡んちゅ……っ♡ふぅ♡』
『ッ……!おい、フジ……!正気に戻れ!』
『じゅる、っふぅ、しゅき♡おいしいの、しゅきぃ♡♡』
『な、ァ……っ!』
とろっとろに溶けてしまっている藤袴さんのことを、ガレットさんは強く押しのけることが出来ないみたいだ。体格差もあるから、無理に力を込めないようにしているみたい。それをいいことに、ジュルジュルピチャピチャと水音を立てながら唾液を啜る藤袴さん。青白かった顔色が紅潮して火照っていく。
さっき緑くんが教えてくれた言葉を借りるなら、ガレットさんがケーキだったってこと……かな?気まずそうな空気が嘘のように甘ったるくなってるのが見て取れる。
「緑くん、ケーキを食べるとフォークの理性がなくなったりするの?」
「まあ個人差はあれど本能は強くなるだろうね!ハードな場合は肉体を食べてしまうこともあるくらいだし」
「に、にく……っ!?」
「僕はスプラッタがあまり得意じゃないからそのパターンは読んだことないんだけどね!……ああでも、藤袴氏がそうなる可能性はあるかもしれない、かな」
「え……」
「…………くうっ、邪推なことはしたくないけどここは一旦乱入しよう黒河君!」
「う、うん!」
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