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番外編
三原色ドローイング(プラハイ)
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CP:プライマ×灰島
時系列:第一部
卵を身篭る前のおはなし。
灰島くん視点です。
☆☆☆☆☆
「てめぇ……っ!このクソ魔王!!ふざけたことしてんじゃねぇ!!」
「どうした、我が嫁よ。……ふむ、眉間に皺を寄せても愛らしさは変わらんな」
「ん……っなこと言って誤魔化そうとすんな!あの廊下に並んだ趣味悪ぃモンを今すぐ捨てろ!」
「趣味が悪い……?心外だな。貴様の愛らしさを知らしめて何が悪いと言うのだ?我の配下も皆一様に褒めておったぞ」
「~~ッッ!!チッ……!いいからさっさと捨てやがれ!」
マジで訳が分かっていないクソ魔王は、俺が怒鳴っても悠然と微笑んだままだ。三つもあんのに曇りすぎだろ、その目。
だからといって、恥ずかしいから捨てろと言うのも癪だ。俺がんなこと言ったら、こいつは絶対揶揄ってきやがる。くそ、俺が自分でどうにか出来れば話は簡単なのに、無駄に高い所に飾りやがって……!
……他の奴には頼りたくなかったが、仕方ねぇ。この城に居んのはクソ魔王だけじゃねぇんだ。
*****
「──つーわけだ。あの悪趣味なモンを燃やすなり破壊するなりやってくれ」
「や、やってくれ、っていわれても……」
「てめぇにじゃねーよ。てめぇの旦那にだ」
「ルトラに?」
よくキョドるしおどおどしやがるが、前よりマシになった黒河は、俺の言葉に素直に頷く、はずだった。
「ご、めん。それは無理」
「はぁ?」
「ひっ……!だ、だって、その、ルトラからっ、『あれがなくなったら、次はクロのを飾ってやる』って言われてて……!あ、あんな恥ずかしいの、無理だからっ!」
「へぇ、俺が晒し者になってる分はいいのかよ」
「う、うう……。ほ、ほんとにごめんなさいっ」
「あっ、おい逃げんな!……クソッ」
アイツに声をかければすぐに済むと思ったのに、アテが外れた。つーか、クソ魔王といいその弟といいどんな趣味してんだ。
「……仕方ねぇ」
気はノらねぇが、アイツの所に行ってみるか。
俺のことを毛嫌いしているアイツなら、あんなモン喜んで排除してくるだろうしな。
無駄に広い城の、客間を抜けた先にあんのがソイツの部屋だ。クソ魔王に心酔している、側近の一人。
思えば、初対面の時から印象は最悪だった。ネチネチうだうだ俺のことを馬鹿にしてくるもんだから、カッとなって殴ろうとしたくらいだからな。ま、その前にクソ魔王が地に沈めやがったけど。それにすら喜んでたアイツは生粋の魔王馬鹿で変態だ。
「おい、クソ野郎。話が……」
ノックなんてする必要もねぇと開けた部屋の中、嫌味野郎……獅子獣人のレンジはえげつない縛り方をされて天井から吊られていた。
「は……?」
「ややっ、奥方殿。ダメでござるよ、ノックもせずに入られては。ギャラリーが居ると分かると、レンジ殿が興奮してしまうでござる」
「……おい。昼間から何してんだてめぇは」
「ナニでござるよ、奥方殿。拙者の愛する伴侶はよくおいたをしてしまう故、こうしてお仕置きしているのでござる」
似非忍者のような口調で、目も耳も塞がれた裸のレンジの尻を叩くそいつは、もう一人の側近……鬼族のオーブだ。
レンジとは対称的に、ふざけた口調で魔王と俺のことを祝福してきた奴で、言動を除けば普通の魔族だと思っていた。ついさっきまでは。
「んーっ!ん゛んんッ!!」
「はいはい、まだお仕置きは終わらないでござるよ。ところで奥方殿、何か用事があったのでは?」
「……何でもねぇよ」
ぶっ飛んだ性癖に付き合う趣味はねぇ。踵を返してさっさと立ち去ろうとしたのに、オーブの野郎が袖を掴んで引き留めてきやがった。
「おい、離せ」
「まあまあ。短気は損気でござるよ。折角の機会故、拙者の可愛いレンジを見て行ってほしいでござる」
「んな趣味はねぇって言ってんだろ」
あからさまに嫌な顔をしてるってのに、コイツは関係なく俺の腕をぐいぐい引っ張ってきやがる。最悪ぶん殴ってしまえば……、いや、変に刺激しない方がよさそうだ。俺の勘がそう言ってる。
「おら、見てやったよ。満足か?」
目隠し猿轡耳栓ときて、赤い縄で背中が反るように縛られて吊られたレンジは、ずっとふごふご呻いている。こんな状況だってのに勃起してやがるちんぽからは、先走りがダダ漏れだ。ケツにはぶっといディルドとパールが刺さっている上に紐で固定されている。
逃げ場のない快感に襲われる感覚は俺にも覚えが……、くそ、魔王のこと思い出してんじゃねぇよ。
「ちょっと待つで候。口だけ解放するでござるから」
「あ?」
きつく結ばれていた猿轡が解かれると、牙が目立つ口から情けなく唾液が垂れていく。いつものレンジからは考えられない様相だ。
しかも、それだけじゃなかった。
「けほっ、かはっ……、う、うう、ひどいです、オーブ……♡はやく、はやくあなたのおちんぽ様を埋めてくださいっ♡こんなオモチャじゃ我慢できないんです♡ハメて♡わたしのおまんこでコキ捨ててっ♡お願いしますぅ♡♡」
部屋に響く、砂糖を吐きそうなくらいの媚びっ媚びの声。
あのレンジが。何かと突っかかってきやがる嫌味な奴が、腰ヘコしながらちんぽを強請ってやがる……!
「うーん、でもレンジ殿は魔王様の奥方殿に意地悪するでござろう?拙者、悪い子のおまんこにはハメたくないでござるよ」
「やだっ、いやですっ♡わるいのやめるからっ、おちんぽ様ハメてくださいっ♡」
「じゃあ、今度奥方殿にお会いした時はちゃーんと謝るでござるよ。……俺にも見せない顔を奥方には向けやがって……、今後はそんな顔見せんじゃねーぞ?」
「んっ……♡はい……♡♡」
飄々としたキャラが崩れてんじゃねぇか。突き通せよエセ忍者。
俺を無視して始まったキスに背を向けて、今度こそ退散に成功する。
あいつらがあんな関係だったなんて知らなかったし、知りたくもなかった。つーか、肝心の撤去の話が出来なかったじゃねぇか。
「あー……、くっそ、飛び道具か何か見つけて燃やすか?」
イライラしながら歩いていると、気が付けば例の廊下に足を踏み入れていた。ずらりと並んだそれにうんざりする。
長い廊下の両側に飾られてんのは、無駄にリアルな俺と奴の絵だ。クソ魔王と寄り添っていたり、クソ魔王に抱き上げられていたり、とにかく素面の俺じゃぜってぇやらないツーショットが嫌というほど並んでいる。
こんなの、俺に対する嫌がらせでしかねぇだろ。
「気は済んだか?」
背後に気配を感じたと同時に、ガキのように抱えられた。抵抗する暇すらない。
「済むわけねぇだろ。……ああ、この胸糞悪ぃモン全部消えたらすっとするだろうけど?」
「ほう?そもそも飾ってほしいと言い出したのは貴様なのだがな」
「はぁ……?んな戯言信じろってか?つーかさっさと離しやが……っ、んぐ!」
かち、と歯が当たる勢いで、唇を奪われた。
やばい。やばいやばいやばい……!
これをされたらおかしくなるって分かってんのに、何で避けようともしなかったんだ馬鹿かよ俺!
「どうだ、ハイジ。貴様はこの絵をどう思う?」
「あ、う……っ、こ、こんなのっ……、こんなの、……すごく、嬉しい……♡俺と魔王がラブラブしてるとこ、皆に見てもらえんの、嬉しいっ♡」
「くくっ、本当に貴様は愛いな……」
ぎゅう、と抱きしめられて、魔王の……プライマの香りがぶわりと広がる。軽々と俺を抱えたまま、耳にキスをしてくれる大好きな魔王様。
「愛しているぞ、ハイジ」
「あ……っ♡」
至近距離から注ぎ込まれた響きに、全身が歓喜してブルリと震える。
ジョワッ♡ジョロ……ジョロロロロ……ッ♡
「ふ、あ、あぁ♡プライマ、だめ、漏れるから……ぁ♡」
「気にするな。好きなだけ漏らせ」
「んあ……♡」
服を着たままうれションしてしまうのは、これが初めてじゃない。言葉だけで漏らしてしまうようになったのはつい最近だ。
これも全部、プライマがかっこよくて、俺がプライマのことを大好きすぎるせいだから仕方ないんだ。おしっこ漏らしても、絨毯に大きなシミを作っても、優しく許してくれるプライマがだーいすき♡
「ちょうどいい。新作を作ろうと思っていたところだ。我の部屋に飾る用の『絵』をな」
「ん……っ、また、作ってくれるのか……?うれしい……♡」
ちゅ、ちゅう、と自分からもキスをすると、周りの景色が一瞬で変わった。
モノトーンで統一された、魔王の広い部屋。そこにある大きなベッドで、子作りセックスするのが日課だ。だけど今はまだお預け。
「ハイジ。下を脱いで股の間から顔を見せてみろ」
「うん……♡」
そっと降ろされた俺は、プライマの言う通り下着ごとスラックスをずり下ろした。おもらししたからもわっと広がるニオイが恥ずかしい……♡グレーのパンツはびしょ濡れで、ちんぽからはポタポタ水滴が垂れている。ぐっと腰を曲げて股の間からプライマを見れば、ぷるんと揺れるちんぽ越しに微笑む彼の姿があった。
ひくっ♡ひくんっ♡
「あ……♡あ、まんこ、ひくついちゃ……♡ちんぽ欲しくてくぱくぱしてる……っ♡」
すっかり魔王ちんぽの虜になったまんこが、早く欲しいとばかりに収縮を始めてしまう。毎日毎日たっぷり子作りセックスしてるから、ちんぽがないと落ち着かないんだ……♡
「くくっ……、後で満足するまで愛してやろう。今はそのまま動くなよ」
「ん……♡」
プライマが手を翳すと、机の上にあった大きめの筆がふわりと浮いて、俺の後ろでピタリと止まった。
そのまま何もない空間で上下に一振り。たったそれだけで、今の俺の姿が写し取られた『絵』が、額縁がついた状態でポンッと現れた。
「……ああ。少し漏らしたか」
「だって……♡愛してもらえると、思ったら……♡」
体勢を戻して、ぴったりプライマに寄り添いながら出来上がった絵を眺める。
足元で溜まったびしょ濡れパンツ、少しガニ股になった脚、ちょうどぽかっと呼吸してしまったまんこ、とろんと蕩けた逆さまの顔。そして、下を向いたちんぽからは、うれションが飛び出していた。
俺の恥ずかしいところが全部丸見えの、いやらしい絵……♡俺がうっとりしている内に、プライマは早速黒い壁に飾ってくれた。
「もっと……♡もっと作って♡次はプライマと一緒にハメハメしてるのがいい……♡プライマのおちんぽ様、俺のまんこにハメて……♡」
うっかりレンジの媚び方が移ってしまった。……でも、プライマのちんぽがぐっと硬くなったから結果オーライだ。
それから俺達は、姿を丸写しする魔道具の筆で、壁が埋まってしまうくらいのえっちな絵を作り続けた。勿論ラブラブ子作りセックスも、中出しされた精液が溢れる様子も全部絵にしてくれて、俺は、俺は──……♡
*****
「──っっっざけんな!!今すぐ消せ!!!」
「あんなに喜んでいたではないか。どれもこれも気持ちよさそうな顔をしているぞ」
「そ、れは……っ、キ、キスでおかしくなったからだろ!廊下のは一億歩譲って許してやらねぇこともないが、この部屋のは全部燃やせ!記憶からも消せ!」
一日前は殺風景だった魔王の部屋。
そこは今や壁中に俺とクソ魔王のあられもない淫らな18禁で埋まっていた。俺の身体の接写にくっきりとした結合部、プレスされて互いにホールドしているものまで……全部が全部スケベな肌色。
この部屋には側近が入ってくることもあるってのに、何考えてんだこのクソ魔王……!相変わらず手が届かない所に飾りやがって!
「貴様が何と言おうと、我はただ模様替えをしただけだ」
「く、そっ……!あ゛ー!捨てねぇなら嫌いになっからな!?」
あーあ、ガキの癇癪みてぇだ。思い通りにならねぇからって、馬鹿みたいなこと言っちまった。この程度でクソ魔王が話を聞くわけ……。
「…………は?……きらいに、なる……?」
……嘘だろ?
いや、なんでそこで泣きそうな顔してんだよ!?魔王が簡単に泣くな!つーか額の目からはもうボロボロ零れてっし!
「え……、絵を撤去したら嫌わねぇよ」
「……ほんとうか?」
「ああ。ついでに廊下の分も消してくれたら、……も、もっと好きになるかもなぁ?」
「ほんとうか……!」
表情筋より分かりやすい瞳が、一瞬でキラキラ輝いた。さっきまで泣いてたのが嘘みたいに。
それからの魔王の動きは、俺の目で追うことが出来なかった。気付いた時には、部屋は元通りのシンプルなものになってたし……、多分、廊下のやつも全部取り除いてきたんだろう。
俺があんだけ言ってもやらなかったくせに、嫌いになるっつーガキみたいな言葉で動くんだな。へぇ、ふーん……。
「……使えそうじゃん」
「ハイジ。絵は全て撤去してきたぞ」
「っ、そーかよ。ああ、あの筆も捨てとけ……、いや、てめぇの弟にくれてやれよ」
俺が恥ずい思いをしたんだから、黒河にも味わってもらわねぇとな。
ま、そのおかげで絶倫クソ魔王を止められそうな方法も分かったわけだが。まずは今日抱こうとしてきやがったら『嫌いになって』やろうじゃねぇか。
──この時の俺は、まだ知らない。
調子に乗った奴が、どんなしっぺ返しを喰らうのか。
『嫌い』が本心じゃないと知った魔王が、どんなセックスをしてくるのか。
それを知ったのは、声も精液もおしっこも出し尽くす程、たっぷり三日間抱き潰された後だった。
時系列:第一部
卵を身篭る前のおはなし。
灰島くん視点です。
☆☆☆☆☆
「てめぇ……っ!このクソ魔王!!ふざけたことしてんじゃねぇ!!」
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「ん……っなこと言って誤魔化そうとすんな!あの廊下に並んだ趣味悪ぃモンを今すぐ捨てろ!」
「趣味が悪い……?心外だな。貴様の愛らしさを知らしめて何が悪いと言うのだ?我の配下も皆一様に褒めておったぞ」
「~~ッッ!!チッ……!いいからさっさと捨てやがれ!」
マジで訳が分かっていないクソ魔王は、俺が怒鳴っても悠然と微笑んだままだ。三つもあんのに曇りすぎだろ、その目。
だからといって、恥ずかしいから捨てろと言うのも癪だ。俺がんなこと言ったら、こいつは絶対揶揄ってきやがる。くそ、俺が自分でどうにか出来れば話は簡単なのに、無駄に高い所に飾りやがって……!
……他の奴には頼りたくなかったが、仕方ねぇ。この城に居んのはクソ魔王だけじゃねぇんだ。
*****
「──つーわけだ。あの悪趣味なモンを燃やすなり破壊するなりやってくれ」
「や、やってくれ、っていわれても……」
「てめぇにじゃねーよ。てめぇの旦那にだ」
「ルトラに?」
よくキョドるしおどおどしやがるが、前よりマシになった黒河は、俺の言葉に素直に頷く、はずだった。
「ご、めん。それは無理」
「はぁ?」
「ひっ……!だ、だって、その、ルトラからっ、『あれがなくなったら、次はクロのを飾ってやる』って言われてて……!あ、あんな恥ずかしいの、無理だからっ!」
「へぇ、俺が晒し者になってる分はいいのかよ」
「う、うう……。ほ、ほんとにごめんなさいっ」
「あっ、おい逃げんな!……クソッ」
アイツに声をかければすぐに済むと思ったのに、アテが外れた。つーか、クソ魔王といいその弟といいどんな趣味してんだ。
「……仕方ねぇ」
気はノらねぇが、アイツの所に行ってみるか。
俺のことを毛嫌いしているアイツなら、あんなモン喜んで排除してくるだろうしな。
無駄に広い城の、客間を抜けた先にあんのがソイツの部屋だ。クソ魔王に心酔している、側近の一人。
思えば、初対面の時から印象は最悪だった。ネチネチうだうだ俺のことを馬鹿にしてくるもんだから、カッとなって殴ろうとしたくらいだからな。ま、その前にクソ魔王が地に沈めやがったけど。それにすら喜んでたアイツは生粋の魔王馬鹿で変態だ。
「おい、クソ野郎。話が……」
ノックなんてする必要もねぇと開けた部屋の中、嫌味野郎……獅子獣人のレンジはえげつない縛り方をされて天井から吊られていた。
「は……?」
「ややっ、奥方殿。ダメでござるよ、ノックもせずに入られては。ギャラリーが居ると分かると、レンジ殿が興奮してしまうでござる」
「……おい。昼間から何してんだてめぇは」
「ナニでござるよ、奥方殿。拙者の愛する伴侶はよくおいたをしてしまう故、こうしてお仕置きしているのでござる」
似非忍者のような口調で、目も耳も塞がれた裸のレンジの尻を叩くそいつは、もう一人の側近……鬼族のオーブだ。
レンジとは対称的に、ふざけた口調で魔王と俺のことを祝福してきた奴で、言動を除けば普通の魔族だと思っていた。ついさっきまでは。
「んーっ!ん゛んんッ!!」
「はいはい、まだお仕置きは終わらないでござるよ。ところで奥方殿、何か用事があったのでは?」
「……何でもねぇよ」
ぶっ飛んだ性癖に付き合う趣味はねぇ。踵を返してさっさと立ち去ろうとしたのに、オーブの野郎が袖を掴んで引き留めてきやがった。
「おい、離せ」
「まあまあ。短気は損気でござるよ。折角の機会故、拙者の可愛いレンジを見て行ってほしいでござる」
「んな趣味はねぇって言ってんだろ」
あからさまに嫌な顔をしてるってのに、コイツは関係なく俺の腕をぐいぐい引っ張ってきやがる。最悪ぶん殴ってしまえば……、いや、変に刺激しない方がよさそうだ。俺の勘がそう言ってる。
「おら、見てやったよ。満足か?」
目隠し猿轡耳栓ときて、赤い縄で背中が反るように縛られて吊られたレンジは、ずっとふごふご呻いている。こんな状況だってのに勃起してやがるちんぽからは、先走りがダダ漏れだ。ケツにはぶっといディルドとパールが刺さっている上に紐で固定されている。
逃げ場のない快感に襲われる感覚は俺にも覚えが……、くそ、魔王のこと思い出してんじゃねぇよ。
「ちょっと待つで候。口だけ解放するでござるから」
「あ?」
きつく結ばれていた猿轡が解かれると、牙が目立つ口から情けなく唾液が垂れていく。いつものレンジからは考えられない様相だ。
しかも、それだけじゃなかった。
「けほっ、かはっ……、う、うう、ひどいです、オーブ……♡はやく、はやくあなたのおちんぽ様を埋めてくださいっ♡こんなオモチャじゃ我慢できないんです♡ハメて♡わたしのおまんこでコキ捨ててっ♡お願いしますぅ♡♡」
部屋に響く、砂糖を吐きそうなくらいの媚びっ媚びの声。
あのレンジが。何かと突っかかってきやがる嫌味な奴が、腰ヘコしながらちんぽを強請ってやがる……!
「うーん、でもレンジ殿は魔王様の奥方殿に意地悪するでござろう?拙者、悪い子のおまんこにはハメたくないでござるよ」
「やだっ、いやですっ♡わるいのやめるからっ、おちんぽ様ハメてくださいっ♡」
「じゃあ、今度奥方殿にお会いした時はちゃーんと謝るでござるよ。……俺にも見せない顔を奥方には向けやがって……、今後はそんな顔見せんじゃねーぞ?」
「んっ……♡はい……♡♡」
飄々としたキャラが崩れてんじゃねぇか。突き通せよエセ忍者。
俺を無視して始まったキスに背を向けて、今度こそ退散に成功する。
あいつらがあんな関係だったなんて知らなかったし、知りたくもなかった。つーか、肝心の撤去の話が出来なかったじゃねぇか。
「あー……、くっそ、飛び道具か何か見つけて燃やすか?」
イライラしながら歩いていると、気が付けば例の廊下に足を踏み入れていた。ずらりと並んだそれにうんざりする。
長い廊下の両側に飾られてんのは、無駄にリアルな俺と奴の絵だ。クソ魔王と寄り添っていたり、クソ魔王に抱き上げられていたり、とにかく素面の俺じゃぜってぇやらないツーショットが嫌というほど並んでいる。
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「気は済んだか?」
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これをされたらおかしくなるって分かってんのに、何で避けようともしなかったんだ馬鹿かよ俺!
「どうだ、ハイジ。貴様はこの絵をどう思う?」
「あ、う……っ、こ、こんなのっ……、こんなの、……すごく、嬉しい……♡俺と魔王がラブラブしてるとこ、皆に見てもらえんの、嬉しいっ♡」
「くくっ、本当に貴様は愛いな……」
ぎゅう、と抱きしめられて、魔王の……プライマの香りがぶわりと広がる。軽々と俺を抱えたまま、耳にキスをしてくれる大好きな魔王様。
「愛しているぞ、ハイジ」
「あ……っ♡」
至近距離から注ぎ込まれた響きに、全身が歓喜してブルリと震える。
ジョワッ♡ジョロ……ジョロロロロ……ッ♡
「ふ、あ、あぁ♡プライマ、だめ、漏れるから……ぁ♡」
「気にするな。好きなだけ漏らせ」
「んあ……♡」
服を着たままうれションしてしまうのは、これが初めてじゃない。言葉だけで漏らしてしまうようになったのはつい最近だ。
これも全部、プライマがかっこよくて、俺がプライマのことを大好きすぎるせいだから仕方ないんだ。おしっこ漏らしても、絨毯に大きなシミを作っても、優しく許してくれるプライマがだーいすき♡
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ちゅ、ちゅう、と自分からもキスをすると、周りの景色が一瞬で変わった。
モノトーンで統一された、魔王の広い部屋。そこにある大きなベッドで、子作りセックスするのが日課だ。だけど今はまだお預け。
「ハイジ。下を脱いで股の間から顔を見せてみろ」
「うん……♡」
そっと降ろされた俺は、プライマの言う通り下着ごとスラックスをずり下ろした。おもらししたからもわっと広がるニオイが恥ずかしい……♡グレーのパンツはびしょ濡れで、ちんぽからはポタポタ水滴が垂れている。ぐっと腰を曲げて股の間からプライマを見れば、ぷるんと揺れるちんぽ越しに微笑む彼の姿があった。
ひくっ♡ひくんっ♡
「あ……♡あ、まんこ、ひくついちゃ……♡ちんぽ欲しくてくぱくぱしてる……っ♡」
すっかり魔王ちんぽの虜になったまんこが、早く欲しいとばかりに収縮を始めてしまう。毎日毎日たっぷり子作りセックスしてるから、ちんぽがないと落ち着かないんだ……♡
「くくっ……、後で満足するまで愛してやろう。今はそのまま動くなよ」
「ん……♡」
プライマが手を翳すと、机の上にあった大きめの筆がふわりと浮いて、俺の後ろでピタリと止まった。
そのまま何もない空間で上下に一振り。たったそれだけで、今の俺の姿が写し取られた『絵』が、額縁がついた状態でポンッと現れた。
「……ああ。少し漏らしたか」
「だって……♡愛してもらえると、思ったら……♡」
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俺の恥ずかしいところが全部丸見えの、いやらしい絵……♡俺がうっとりしている内に、プライマは早速黒い壁に飾ってくれた。
「もっと……♡もっと作って♡次はプライマと一緒にハメハメしてるのがいい……♡プライマのおちんぽ様、俺のまんこにハメて……♡」
うっかりレンジの媚び方が移ってしまった。……でも、プライマのちんぽがぐっと硬くなったから結果オーライだ。
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「──っっっざけんな!!今すぐ消せ!!!」
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あーあ、ガキの癇癪みてぇだ。思い通りにならねぇからって、馬鹿みたいなこと言っちまった。この程度でクソ魔王が話を聞くわけ……。
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……嘘だろ?
いや、なんでそこで泣きそうな顔してんだよ!?魔王が簡単に泣くな!つーか額の目からはもうボロボロ零れてっし!
「え……、絵を撤去したら嫌わねぇよ」
「……ほんとうか?」
「ああ。ついでに廊下の分も消してくれたら、……も、もっと好きになるかもなぁ?」
「ほんとうか……!」
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「っ、そーかよ。ああ、あの筆も捨てとけ……、いや、てめぇの弟にくれてやれよ」
俺が恥ずい思いをしたんだから、黒河にも味わってもらわねぇとな。
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戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
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