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全裸トリップ★五里霧中
1:瑠璃川と成海の秘密
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「瑠璃川ちゃん、どこ行くの?」
「成海か。今から図書館に行こうと思ってな。借りたい本があるんだ」
「ふーん……。ついてってもいい?」
「嫌だと言ってもついてくるじゃないか、お前は」
「ふふ、よく分かってるじゃん」
背後から抱きつくようにべったりくっついてくる成海を呆れた目で見返す瑠璃川だったが、内心では心臓が爆音で鳴り響いていた。
「(近い、近いぞ成海……! お前は何回僕を惑わせれば気が済むんだ……!!)」
すぐ横にある、成海の顔。さらさらの茶髪が頬を擽り、下手すれば簡単にキス出来てしまいそうな距離である。
パーソナルスペースを無視して距離を詰め、べたべたと激しいスキンシップをしてくる成海に、瑠璃川は始終ドキドキしっ放しだ。ただでさえ寮で同室という時点でいっぱいいっぱいだというのに、追加で試練を与えないでほしい。
この心臓の音がバレませんように、と願いながら成海と共に大学図書館へ続く道を歩いていく。
──いつから、何がきっかけで。そんな質問をされても分からないくらい、いつの間にか成海に恋慕の情を抱くようになった瑠璃川。
想いを伝える気はまるでないのだが、成海からくっつかれる度に身体が火照り、愛を伝えたくて堪らなくなってしまう。その想いをぐっと飲み込んで、あくまで『友達』の顔で接するのはなかなかに辛く大変だ。
それでも、告白して玉砕して友達という関係すら壊れてしまうくらいなら、この恋情を秘めていた方が何倍もマシなのだ。
浮かべた笑みにほんの少し憂いの色を含ませる瑠璃川に、成海は無垢を装って悪戯に頬を寄せた。
「(あー……、ほんっと瑠璃川ちゃん可愛すぎ。頭からぱくっと食べちゃいたいなぁ)」
瑠璃川の秘めたる想いを知らない成海だが、そんな彼もまた瑠璃川へと劣情を抱いていた。
下心満載で瑠璃川にべたべたくっついては、その香りと感触をたっぷり堪能する。
瑠璃川に対する認識が『ナルシスト気味な変な奴』から『ナルシスト気味だけど初で可愛くて襲ってしまいたい』へと変わったのは一体いつからだっただろうか。
気を抜けばすぐに唇を奪ってその場に押し倒したい衝動を覚えるのも、一度二度の話ではない。
「(ホントは今すぐちゅーして、とろっとろになるまで可愛がってあげたいけど……)」
すり、とマシュマロのように柔らかな瑠璃川の頬に自分の頬を擦り寄せながら、内心でそっと溜息を吐く。
内に潜む獣のような恋情をうっかり形にしてしまったが最後、嫌われる未来は目に見えている。成功率が低い賭けをする気など更々ないため、自らの想いをぎゅっと押し込めて、ギリギリ我慢出来るスキンシップで瑠璃川を堪能しているというのが現状だ。越えてはいけない、壊してはいけない壁の前で、成海は踏みとどまっているのだ。
お互いに好意を寄せ、お互いに隠し合い、お互いの気持ちに気付いていない彼等は、今日もこうして最低ラインを越えない『友人』としての睦み愛を育むのである。
「成海か。今から図書館に行こうと思ってな。借りたい本があるんだ」
「ふーん……。ついてってもいい?」
「嫌だと言ってもついてくるじゃないか、お前は」
「ふふ、よく分かってるじゃん」
背後から抱きつくようにべったりくっついてくる成海を呆れた目で見返す瑠璃川だったが、内心では心臓が爆音で鳴り響いていた。
「(近い、近いぞ成海……! お前は何回僕を惑わせれば気が済むんだ……!!)」
すぐ横にある、成海の顔。さらさらの茶髪が頬を擽り、下手すれば簡単にキス出来てしまいそうな距離である。
パーソナルスペースを無視して距離を詰め、べたべたと激しいスキンシップをしてくる成海に、瑠璃川は始終ドキドキしっ放しだ。ただでさえ寮で同室という時点でいっぱいいっぱいだというのに、追加で試練を与えないでほしい。
この心臓の音がバレませんように、と願いながら成海と共に大学図書館へ続く道を歩いていく。
──いつから、何がきっかけで。そんな質問をされても分からないくらい、いつの間にか成海に恋慕の情を抱くようになった瑠璃川。
想いを伝える気はまるでないのだが、成海からくっつかれる度に身体が火照り、愛を伝えたくて堪らなくなってしまう。その想いをぐっと飲み込んで、あくまで『友達』の顔で接するのはなかなかに辛く大変だ。
それでも、告白して玉砕して友達という関係すら壊れてしまうくらいなら、この恋情を秘めていた方が何倍もマシなのだ。
浮かべた笑みにほんの少し憂いの色を含ませる瑠璃川に、成海は無垢を装って悪戯に頬を寄せた。
「(あー……、ほんっと瑠璃川ちゃん可愛すぎ。頭からぱくっと食べちゃいたいなぁ)」
瑠璃川の秘めたる想いを知らない成海だが、そんな彼もまた瑠璃川へと劣情を抱いていた。
下心満載で瑠璃川にべたべたくっついては、その香りと感触をたっぷり堪能する。
瑠璃川に対する認識が『ナルシスト気味な変な奴』から『ナルシスト気味だけど初で可愛くて襲ってしまいたい』へと変わったのは一体いつからだっただろうか。
気を抜けばすぐに唇を奪ってその場に押し倒したい衝動を覚えるのも、一度二度の話ではない。
「(ホントは今すぐちゅーして、とろっとろになるまで可愛がってあげたいけど……)」
すり、とマシュマロのように柔らかな瑠璃川の頬に自分の頬を擦り寄せながら、内心でそっと溜息を吐く。
内に潜む獣のような恋情をうっかり形にしてしまったが最後、嫌われる未来は目に見えている。成功率が低い賭けをする気など更々ないため、自らの想いをぎゅっと押し込めて、ギリギリ我慢出来るスキンシップで瑠璃川を堪能しているというのが現状だ。越えてはいけない、壊してはいけない壁の前で、成海は踏みとどまっているのだ。
お互いに好意を寄せ、お互いに隠し合い、お互いの気持ちに気付いていない彼等は、今日もこうして最低ラインを越えない『友人』としての睦み愛を育むのである。
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