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エロスキル特化の転移者は変態賢者から逃げられない
後編
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あれから二ヶ月。
……そう、二ヶ月だ。
終わらせるどころか、俺のスキル研究はまだ続いていた。
それもこれも、スキルを使うごとに、不定期に別のスキルが増えやがったせいだ。そのせいで、試しても試しても終わりが見えないまま、ずるずると長引いてしまった。
「おはよう、レント君。今日は『媚び媚びおちんぽ』から始めようか」
その上、スキルがどんどんいやらしく下品になっていく。本番はないものの、尻穴もとことん弄られてしまった。嫌で嫌で堪らない……はずなのに、最近の俺は、……俺は、この変態賢者のことが……嫌いじゃなくなっている。
研究としてえっちなことはしてきても、痛いことはしてこないし、美味しい食事もくれたり、研究施設の中だったら自由に歩かせてくれたり、俺が頼めばこの世界のことを丁寧に教えてくれたり……、一緒に過ごす内に、じわじわと懐柔されてしまっていた。
……ああもう、くそ、認めよう。俺は、こいつに惚れてしまった。馬鹿みたいな恋だ。ラークは今も俺のことを実験動物としか見てないってのに。
それに、媚び媚びおちんぽなんて馬鹿げたスキルが終われば、何か増えない限り残りのスキルはあと一つ。それも終わって、増えなければ……、俺は実験動物としての価値もなくなる。
「(そうなったら……、ここに居る必要もない。いいじゃないか、最初の願い通り終わるんだから)」
「レント君?ぼーっとしているようだけど、まだ寝ぼけているのかい?」
「……別に。……このスキル研究ももうすぐ終わると思ってただけだ」
「ああ、そうだね。終わったら君はもう自由だ。僕の転移魔法で好きなところに行かせてあげるよ。残念ながら、君が元いたという世界には返せないけどね」
「(……ほらな、引き止められもしない。最初から最後まで、俺はただの研究対象だったんだ。諦めろ、全部……、忘れてしまえ)」
「……やっぱり調子が悪そうだけど。レント君、少し時間を置いて……」
「問題ねぇよ。……『媚び媚びおちんぽ』発動」
キュイン。
ぐるぐるしていた頭の中が、おちんぽ一色に染まる。ラークのおちんぽ……♡たべたい♡なめたい、しゃぶりたい……♡♡
「ラークの逞しいカリ高おちんぽ様♡どうか俺に濃厚おちんぽミルクをお恵みください♡♡♡」
──記憶がなくなるタイプだったスキルが終わる。口の感じからして、きっとかなりの時間フェラしていたんだろう。
スキルは増えなかったようだから、順当にいけば次で最後だ。
「……は、とっとと終わらせるか」
「そんなにすぐしなくても構わないよ。まだ口が辛いだろう?」
「最初の頃は連続でやらせた癖に、よく言うよ。……俺がそうしたいんだよ、『ここほれわんわん』発動」
名前からしてきっとそうだろうなと思ったけど、案の定、俺はラークにケツを向けてアナルをくぱりと開いていた。四つん這いになって腰だけ高く上げている状態だ。
どうせなら……、さっきみたいに記憶もなくしてほしかった。
「わんっ♡俺のおしりまんこにおちんぽハメて掘り掘りして♡」
「……それは、出来ないな」
「どうして?いつもおまんこ弄ってるから気持ちいいよ?早くビン勃ちおちんぽちょうだい♡わんっ♡♡」
「今の君にそれをすると、僕の体力がなくなりそうだからね。代わりにこれをあげるよ」
「きゃんっ♡♡あ、つめた、あぁっ♡♡やだ♡めすしりんだぁ、挿入ってるぅ♡♡」
ひくついていたアナルに挿れられたのは、メスシリンダーに似た器具だった。透明だから、きっとぽっかり開かれたアナルの中が見えてしまっているだろう。
……研究の名目でも、挿入されたかったな。最後にそうしてくれたら、満足して、全部忘れられそうなのに。
「ひっ♡あ、きもちぃ♡……わん、っ♡や、ら……っ、ぉちん、ぽ……♡らーくの、ちんぽ、いれてよぉ……♡♡」
「アナルの収縮が凄いな……。それにこれは……愛液か?普通なら出ないものが分泌されるなんて珍しい」
「らぁ、く……♡きいて……♡おねがいだわん……♡♡メス犬にっ、おちんぽハメてほしいわん……っ♡♡」
「ふむ……、誘惑効果もすごいな。魔力が充分でないと耐えるのが難しそうだ」
あまりにも淡々と観察していくラークは、至っていつも通りだ。ちんこが欲しいと強請り続ける俺が、あまりにも滑稽すぎる。
早く終われ……、こんな惨めではしたない時間は、終わってくれ。俺が無様に泣いてしまう前に、早く──。
「──っは、ぁ……、……イったのか、俺……」
「後ろの刺激だけでね。お疲れ様、レント君。スキルもこれ以上増えないようだし、君の研究は終了だ」
「ぁ……」
増えなかった、のか。
……それならもう、仕方ないな。ラークも、一気に俺から興味がなくなったみたいだし。こんな所、さっさと立ち去ったほうがいいに決まってる。
のろのろと服を着た俺は、ノートに研究結果を書き連ねているラークを見つめる。変態で、研究馬鹿で、人を動物扱いしてくる最低な奴で……、俺の、好きな人。
視線は合わない。……やっぱり、すぐに興味がなくなるのか。ラークらしいや。
イかされたばかりなのに、身体が妙に軽い。ベッドから降りて部屋から出ても、ラークが追ってくる気配はなかった。当たり前だ。諦めて忘れるはずなのに、何を期待してるんだ俺は。
すっかり慣れてしまった研究施設の内部を歩いていって、初めて外に足を踏み出した。木漏れ日が降り注ぐそこは、どうやら森の中らしい。分かりづらいけど獣道のようなものがあるから、きっとどこかに出られるはずだ。……そういえば、何も持ってこなかったな。一文無しの根無し草か。エロスキルだけは大量にあるけど、……いっそのこと男娼にでもなれば稼げるのかもしれない。
「レント君」
「っ……!?ラ、ラーク?」
そんなことを考えていると、目の前にラークが現れた。転移魔法だ。ついさっき振り切ったばかりだってのに、何でまた……。
「ここから徒歩で街に出るのは難しいよ。転移魔法で好きなところに行かせてあげるって言ったよね?僕が集中している間にいなくなるんだから、びっくりしたよ」
「は……、……そんなこと、言ってたな」
「この世界の路銀も渡しておこう。僕としては、多様な種族が暮らすネフィ国をおすすめするけど、レント君はどこに行きたい?」
「…………」
「レント君?」
「……金はいらねぇ。魔法を使う必要もねぇよ。俺は、俺の意思で出ていくだけだ」
「ちょっと……、ここではよかったけど、一文無しだと不便──」
「だって俺にはエロスキルがあるだろ?あれを使えば、端金くらい稼げるさ」
「──は?」
途端、ぶわりと強い風が吹いた。一斉に鳥がバタバタと飛び去って、ぞわぞわした不安を煽る感覚が肌をチリチリ刺激する。
感情が乏しかったラークが……、これは、怒ってる……のか?……ああ、俺が当てつけのように男娼を匂わせたから、呆れたんだな。
「別にいいだろ?もう、お前には関係ないんだ、し、……っ!?」
──ガッ
……唇に感じる、熱と痛み。じわっと広がる鉄の味が、これが現実だと伝えてくる。
なんで、俺、ラークに……、キス、されて……?
「……っん、……認めない。認めないよ、レント君。僕が、どんな思いで君を見送ろうとしたか、君は知らないだろうね」
「んぁっ♡は、ぁ……、らぁ、く……っ♡」
「折角、我慢していたのに……、君がそんなに易々と身体を売ろうというのなら……、僕が買ってあげるよ」
「う、ぁ♡んぷっ♡ま、まっへ……♡」
「待てない」
「んっ、んん~~っ♡♡♡」
血の味のキスが、終わらない。抱きしめられて、何度も何度も角度を変えて。深く吸われた舌は痺れてしまって。気がつけば涙が零れていた。自分からも腕を回して抱きつけば、もっと深くなる口付け。現実のはずなのに、どこかふわふわしていて、思考がどんどん蕩けていく。
そんな中でも、冷静に考えられるところは残っていた。きっと彼は、実験動物だろうと少しの愛着を持ってくれていたんだ。だから、他の誰かに一番最初に身体を許すのは嫌で……、それで、買ってくれたってだけだ。
「(期待するな……、でも、この一回だけは……、好きでいても、いいんだよな……?)」
──転移魔法でふわりと移動したベッドの上。声が枯れきって、玉の中が空っぽになるまで、俺はたっぷり貫かれた。
「ぁ……♡も、無理……♡おなか、こわ゛れひゃう……♡」
「……レント君。僕はね、君のことが好きなんだ」
「す、き……?」
「だけど君は、僕のことが嫌いだろう?研究とはいえ酷いことをたくさんしてきたからね。だから、君がどこかへ行くことを止めるべきではないと……、思っていたんだ」
「っん゛、……ぇ、……ま、まって……?」
「……でも、駄目だったよ。君が、僕以外の……誰かに肌を晒すのかと思うと。耐えられなかった。…………こんな、無理矢理なことをされて、痛かっただろう?賢者である僕は、記憶を弄ることも出来るんだ。いっそのこと、僕に関する記憶の全てを──」
「~っ!待でって、言っでるだろ゛っ」
「いたっ。……レ、レント君……?」
何度もイかされて、息も絶え絶えで、それでもこれだけは言わなきゃいけない。伝えないといけない。
ポーカーフェイスで分かりづらすぎる好意を向けてくれていた彼に、ありったけの想いを。
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