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国を出ましょう
過去の出来事
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5年前、ガーレット国では国の存続を脅かす大事件が起こりました。
事の始まりは国王が急逝し、新しく若い後継者が国王の座に就いたことです。
元より次期国王として教育を受けていた新しい国王でしたが、実績が乏しい者では国の上に立つには不十分だと、一部の上位貴族たちが難色を示したのです。
そのため、国の上に立つに十分な実績を作るため、国内の僻地にある魔物が巣食うエリアへ討伐の遠征に向かいました。
当時はスタンピードの予兆が確認され、普段からスタンピードが起きてもそれほど苦戦するような場所ではない、という事でちょうど良い実績作り、また、比較的に安全と判断され、新国王の参加が許可されたのです。
そして、国で有数と言われるほどに回復魔法を使えるという事で、お母さまもその進軍に同行することになったのです。元より、軍の遠征に回復士として随伴することが多かったのも選ばれた理由でした。
まあ、このように国境門にも影響が出ているのでわかるでしょうけれど、結果は失敗。しかも新国王を失うという、失敗どころではない大問題が起きたのです。
何時もなら小型の魔物や中型の魔物しか出て来ないはずの魔物が巣食う森から次々と大型の魔物が現れ、最後にはドラゴンが姿を見せたのです。
国王が参加していたことにより、どうにか大型の魔物を相手取るのが可能な戦力はあったのですが、ドラゴンの襲撃は予想していなかったため、軍は半壊。最後尾で指揮を執る形となっていた国王の元までドラゴンが到達してしまいました。
そしてドラゴンは国王を殺し、その近くに居た者たちも全て亡き者にしたのです。その近くに居た者の中にはお母さまも含まれていました。
だからでしょうね。アレスが言い淀んだのは。
そして、短期間に、しかも立て続けに国王を失ったガーレット国は大混乱に陥りました。
しかも、すぐに王位に立っても問題ないと言える人材が居なかったのです。
一応、新国王の弟が王の補佐役として就任していましたので、その方を新たな国王として立てることは出来ました。ですが、元より補佐をするための教育しかされておらず、王としての知識が殆どなかったのです。
そのため、今国王として立っている前国王の弟様は中継ぎの国王として執務を引き継ぎました。
そして、元より次期国王として目され、教育されていた前国王の長男である王太子が、近く国王の座に就くことになる予定なのです。
その王太子様は現在20歳。まだ国王を継ぐには早いと言われていますけれど、既に王としての執務の一部を請け負っているらしいので、次期国王として貴族間ではとても期待されているようです。
まあ、そういう感じでここ数年、国王に関する問題と遠征の時に失った軍力の補充、遠征に行くように仕向けた貴族たちへの責任の追及で手一杯だったため、他の近隣国よりも関係が良好であるアレンシア王国との国境門の人員については、後回しにされていたという事なのでしょう。
アレスたちがガーレット国内に居た盗賊を捕獲していたのもこれの影響でしょうね。人数を見た限り、盗賊を捕まえに行けるほど人員の余裕はなさそうですから。
事の始まりは国王が急逝し、新しく若い後継者が国王の座に就いたことです。
元より次期国王として教育を受けていた新しい国王でしたが、実績が乏しい者では国の上に立つには不十分だと、一部の上位貴族たちが難色を示したのです。
そのため、国の上に立つに十分な実績を作るため、国内の僻地にある魔物が巣食うエリアへ討伐の遠征に向かいました。
当時はスタンピードの予兆が確認され、普段からスタンピードが起きてもそれほど苦戦するような場所ではない、という事でちょうど良い実績作り、また、比較的に安全と判断され、新国王の参加が許可されたのです。
そして、国で有数と言われるほどに回復魔法を使えるという事で、お母さまもその進軍に同行することになったのです。元より、軍の遠征に回復士として随伴することが多かったのも選ばれた理由でした。
まあ、このように国境門にも影響が出ているのでわかるでしょうけれど、結果は失敗。しかも新国王を失うという、失敗どころではない大問題が起きたのです。
何時もなら小型の魔物や中型の魔物しか出て来ないはずの魔物が巣食う森から次々と大型の魔物が現れ、最後にはドラゴンが姿を見せたのです。
国王が参加していたことにより、どうにか大型の魔物を相手取るのが可能な戦力はあったのですが、ドラゴンの襲撃は予想していなかったため、軍は半壊。最後尾で指揮を執る形となっていた国王の元までドラゴンが到達してしまいました。
そしてドラゴンは国王を殺し、その近くに居た者たちも全て亡き者にしたのです。その近くに居た者の中にはお母さまも含まれていました。
だからでしょうね。アレスが言い淀んだのは。
そして、短期間に、しかも立て続けに国王を失ったガーレット国は大混乱に陥りました。
しかも、すぐに王位に立っても問題ないと言える人材が居なかったのです。
一応、新国王の弟が王の補佐役として就任していましたので、その方を新たな国王として立てることは出来ました。ですが、元より補佐をするための教育しかされておらず、王としての知識が殆どなかったのです。
そのため、今国王として立っている前国王の弟様は中継ぎの国王として執務を引き継ぎました。
そして、元より次期国王として目され、教育されていた前国王の長男である王太子が、近く国王の座に就くことになる予定なのです。
その王太子様は現在20歳。まだ国王を継ぐには早いと言われていますけれど、既に王としての執務の一部を請け負っているらしいので、次期国王として貴族間ではとても期待されているようです。
まあ、そういう感じでここ数年、国王に関する問題と遠征の時に失った軍力の補充、遠征に行くように仕向けた貴族たちへの責任の追及で手一杯だったため、他の近隣国よりも関係が良好であるアレンシア王国との国境門の人員については、後回しにされていたという事なのでしょう。
アレスたちがガーレット国内に居た盗賊を捕獲していたのもこれの影響でしょうね。人数を見た限り、盗賊を捕まえに行けるほど人員の余裕はなさそうですから。
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