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☆閑話☆親友の恋 side一樹
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俺には岩清水日向という、中学時代からの親友がいる。日向と初めて話したのは部活の仮入部期間だった。確か身長が近いからとペアを組まされたんだよな。
俺達が仲良くなるのに時間はかからなかった。
家も近く、登下校はもちろん休みの日だってよく遊んだし、中3ではクラスも同じで、バカなことばっかりしてた。中学時代を振り返ると、必ず隣に日向がいるくらいに。
そんな日向が変わり始めたのは中3の春。たまに理由なくソワソワしたり、いちご好きから急にバニラ好きになったり。その理由はこの前聞いて理解したんだけどな。
高校に入学して、見るからにアルファな香坂に速攻で好かれちゃってさ。そこから日向と2人で話すことはなくなった。実はそれがちょっと寂しかったりもした。
そんな日向がオメガだって気が付いて、話してくれるのをずっと待って…。でも日向がずっと悩んでいたことを知って、俺から世間話をするように、聞いてやればよかったって後悔したんだ。
あー、香坂と運命の番ってやつだと聞いた時は流石に驚いたな。
お試し期間を経て正式に付き合い出した2人。日向から報告された時は嬉しかった。
どっちが先に彼女ができるか、なんて話してたこともあったから、彼女じゃなくて彼氏だったなって盛り上がって。幸せそうな日向に、幸せのおすそ分けしろ~とかふざけあったり。
うん。俺、幸せを分けてくれって確かに言った。
言ったけどな?
彼女いない歴=年齢の俺からすると、中々辛いものがある。
おすそ分けしすぎ。もう俺、お腹いっぱい。
昨日だって、電話の内容の大半が香坂の話。なーにが『光琉を見上げるとさ、いつも目が合うってことに気が付いたんだ』だよ。
知ってるわ!
あいつ、1年の時からずーっと日向しか見てないわ。むしろ日向に熱い視線を送ってるのに、日向はそれに気付かないし、去年、クラスの男子はみんな香坂に同情してたくらいだからな。
今だってそうだよ。体育館に向かうだけなのに、手なんか繋いで。大体、更衣室って体育館の建物内にあるんだぞ? 目的地、目と鼻の先だから。
ただ繋ぎたいだけなんだろうけどさ、俺、甘いの苦手って日向知ってるじゃん。砂糖吐くって。
……他の3人は全く気にしてない。これってアルファとオメガの恋愛では普通なのか?
ん~、でも日向がオメガ用の更衣室を使うようになったのは良かった。誰も日向の着替えなんかに興味ないのに、威圧っていうかさ…ベータってフェロモンとか分からないはずなのに、アルファが本気だしたフェロモンだと感知できるんだなって、勉強になったわ。
日向がオメガであることは、すぐに噂になった。そりゃ女子に一番人気のモテ男、香坂の恋人だからな。
これで堂々と守れるって香坂はもちろん、宇都宮も稜ちゃんも言ってて、既に堂々と守ってるじゃんと思ったのは、俺の心の内に止めておいた。
あー。あと、学校一のモテ男、蓮は日向を狙っている。この噂がなくなって良かったと日向は言うけど、それ、日向の名前が俺の名前に変わったんですけど。もちろんここにいる誰も助けてはくれない。
まぁでも…日向がオメガだと分かっても、みんな好意的に受け入れたことには安心した。同じ中学出身のやつも変わらず日向に接しているし。……変わらずではないな。あんまり馴れ馴れしくすると香坂に睨まれるから。
「そんなにずっとくっついときたいもんかねぇ」
「あの2人?」
「悪い。独り言」
呟いただけのつもりが、隣にいた宇都宮の耳には届いていたようだ。
「光琉、アレでも結構我慢してるんだし、許してやってよ」
「アレで!?」
「アルファの執着と独占欲、甘く見ないほうがいいぞ」
まじかよ…
「GPSも付けたの最近だって言ってたし」
「GPS!?」
アルファってこえぇ……。
心の中で、親友へ応援の言葉を送っておこう。
俺達が仲良くなるのに時間はかからなかった。
家も近く、登下校はもちろん休みの日だってよく遊んだし、中3ではクラスも同じで、バカなことばっかりしてた。中学時代を振り返ると、必ず隣に日向がいるくらいに。
そんな日向が変わり始めたのは中3の春。たまに理由なくソワソワしたり、いちご好きから急にバニラ好きになったり。その理由はこの前聞いて理解したんだけどな。
高校に入学して、見るからにアルファな香坂に速攻で好かれちゃってさ。そこから日向と2人で話すことはなくなった。実はそれがちょっと寂しかったりもした。
そんな日向がオメガだって気が付いて、話してくれるのをずっと待って…。でも日向がずっと悩んでいたことを知って、俺から世間話をするように、聞いてやればよかったって後悔したんだ。
あー、香坂と運命の番ってやつだと聞いた時は流石に驚いたな。
お試し期間を経て正式に付き合い出した2人。日向から報告された時は嬉しかった。
どっちが先に彼女ができるか、なんて話してたこともあったから、彼女じゃなくて彼氏だったなって盛り上がって。幸せそうな日向に、幸せのおすそ分けしろ~とかふざけあったり。
うん。俺、幸せを分けてくれって確かに言った。
言ったけどな?
彼女いない歴=年齢の俺からすると、中々辛いものがある。
おすそ分けしすぎ。もう俺、お腹いっぱい。
昨日だって、電話の内容の大半が香坂の話。なーにが『光琉を見上げるとさ、いつも目が合うってことに気が付いたんだ』だよ。
知ってるわ!
あいつ、1年の時からずーっと日向しか見てないわ。むしろ日向に熱い視線を送ってるのに、日向はそれに気付かないし、去年、クラスの男子はみんな香坂に同情してたくらいだからな。
今だってそうだよ。体育館に向かうだけなのに、手なんか繋いで。大体、更衣室って体育館の建物内にあるんだぞ? 目的地、目と鼻の先だから。
ただ繋ぎたいだけなんだろうけどさ、俺、甘いの苦手って日向知ってるじゃん。砂糖吐くって。
……他の3人は全く気にしてない。これってアルファとオメガの恋愛では普通なのか?
ん~、でも日向がオメガ用の更衣室を使うようになったのは良かった。誰も日向の着替えなんかに興味ないのに、威圧っていうかさ…ベータってフェロモンとか分からないはずなのに、アルファが本気だしたフェロモンだと感知できるんだなって、勉強になったわ。
日向がオメガであることは、すぐに噂になった。そりゃ女子に一番人気のモテ男、香坂の恋人だからな。
これで堂々と守れるって香坂はもちろん、宇都宮も稜ちゃんも言ってて、既に堂々と守ってるじゃんと思ったのは、俺の心の内に止めておいた。
あー。あと、学校一のモテ男、蓮は日向を狙っている。この噂がなくなって良かったと日向は言うけど、それ、日向の名前が俺の名前に変わったんですけど。もちろんここにいる誰も助けてはくれない。
まぁでも…日向がオメガだと分かっても、みんな好意的に受け入れたことには安心した。同じ中学出身のやつも変わらず日向に接しているし。……変わらずではないな。あんまり馴れ馴れしくすると香坂に睨まれるから。
「そんなにずっとくっついときたいもんかねぇ」
「あの2人?」
「悪い。独り言」
呟いただけのつもりが、隣にいた宇都宮の耳には届いていたようだ。
「光琉、アレでも結構我慢してるんだし、許してやってよ」
「アレで!?」
「アルファの執着と独占欲、甘く見ないほうがいいぞ」
まじかよ…
「GPSも付けたの最近だって言ってたし」
「GPS!?」
アルファってこえぇ……。
心の中で、親友へ応援の言葉を送っておこう。
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