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第2章 かくよむ国のクマ
第8話 読みにいこうよ(おいしい小説)
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「これからよろしくね。未来ノひなさん」
「よろしく。モコりん」
「じゃあ、朝ごはん食べに行こうか」
ひなは、朝ごはんを食べていないのを思い出しました。
「そうよ。朝ごはん。まだ食べてなかったんだ。でもお金もないよ」
「だいじょうぶ。はいこれ」
モコりんは、赤いクレヨンと黄色いクレヨンをひなに渡しました。
「これは?」
「だいじなものだから、無くさないようしまっておいてね」
ひなは、ペンケースにクレヨンを入れました。
「じゃあ、行こうか。しゅっぱーつ!」
モコりんはそう言うと、両腕を差しだして、持ってとアピールしました。
ひなは、トートバックにペンケースをいれ、アピールしているモコりんも、バックの中に入れようとしました。
「ダメダメ! ボクは荷物じゃないよ。ちゃんと抱えて!」
仕方がないので、持ち抱えて歩くことにしました。
◇
「うわー、お店がいっぱい」
ひなの家がらしばらく歩くと、ぽつん、ぽつん、と屋台が見えてきました。
何か買いたかったのですが、モコりんが止めます。モコりんは、もっと歩いて屋台でなくお店に入るようにいいました。
「ランクが上がると、どんどん中央の人の多い所にお店を出せるようになるからね。信用が上がると、人も多く寄り付くのさ。ひなは童話を書きたいんだっけ。じゃあ、このお店にしよう」
ランキング? お店? よく分からないけど、ご飯がたべられるのならいいか、とモコりんの言うお店に入ります。
◇
「こちらがメニューになります。新作のモーニングセットGがおすすめですよ」
きれいな内装のお店でゆったりとしたイスに座ったひなとモコりん。
「モコりんも食事するの?」
「当たり前だよ! ぼくの分もたのんでよ」
「じゃあ、わたしはおすすめの新作、モーニングセットGにするけど、モコりんは?」
「ボクはパンケーキセット」
二人はそれぞれ好きなものを注文しました。
「うわ~、おいしそう!」
ひなの前には、こんがり焼けたフランスパンが二切れ、バターとブルーベリージャムが添えられています。わきにはアロエヨーグルトとサラダ、それにオレンジジュースが並んでいます。
モコりんの前には、三段重ねのパンケーキ。バターとホイップクリームが程よく溶けて、その上からトロっとしたメープルシロップがこれでもか!というほどかけられています。プレーンヨーグルトとオレンジジュースがセットとして付いています。
「「いただきます」」
ひなとモコりんは、夢中で食べました。こんなにおいしい朝食は初めてかもしれません。
「あっ!」
ひなはあることに気づきました。
「これ、お話になってる」
ひなは、食べながら、頭の中ですてきな童話が流れ込んでくるのを感じました。
「気がついた? ここ『小説家の世界』では、小説が食べ物になるんだ。よい小説であればあるほど、見た目も味もよくなるんだ」
モコりんはそう言うと、最後に残ったオレンジジュースを飲み干しました。
「「ごちそうさまでした」」
ひなは、とてもおいしい料理と、とてもすてきな物語に大満足です。
◇
「じゃあ、支払するよ」
「お金がないわ」
「さっきのクレヨン出して」
ひなはペンケースを取り出し、クレヨンを出しました。
「ここに伝票がある。ひな、きみはこの料理おいしく食べたかい?」
「もちろん! こんなにおいしいの初めて!」
「よかった。じゃあ、この♡マークに赤で色を塗って」
ひなは♡にクレヨンを付けました。あっという間にハートは赤く染まり、ポコンと3次元化して💖ふわふわと厨房へ吸い込まれて行きました。
「うわ~! 何あれ!」
「作者に『読んでよかったよ』っていうごほうびが届くんだ。💖を集めてお店を大きくする資金にするんだよ。ひなも早く作品を書いて💖をあつめてね。それがひなのお仕事だよ」
「うん。💖を集めるのね」
「そう。だから、良いと思ったら積極的にハートを塗ってね」
そこでモコりんは、真面目な顔で言いました。
「でもね、なんでもかんでもあげてはいけないよ。いい、口に合わなかったら塗らない。少しでもおいしかったら積極的に塗る。これがルールだよ。覚えておいて」
「わかった。おいしかったら赤く塗るのね」
「よし、じゃあ次ね。ひな、君の頭の中に流れた童話、よかったと思う?」
「すごくよかった。きれいな描写なのにせつなさが残って。こういう童話書いてみたい」
「そう。それじゃあこれ」
モコりんは、テーブルの脇に差してある紙の束から、新しい紙を一枚抜きました。大きな星が三つ並んでいます。
「これは、本当にいい小説だなって思った時に塗るレヴューだよ。気軽に押してはダメ。心の中で確かめてから塗るんだ。本当にいいなと思ったら1つ。本当にステキだと思ったら2つ。最高に素晴らしいと思ったら3つ。そこまで思わなかったら塗らなくてもいいから。さあ、ひな、君はこのモーニングセットどう思った?」
「最高にすばらしい物語だったよ!」
「よし、じゃあ黄色いクレヨンで星を塗るんだ」
ひなは心を込めて星を3つ塗りました。すると、⭐⭐⭐は紙から離れ、キラキラ輝きながら厨房の奥へ消えていきました。
「あとは、レビューコメントとかもあるけど、もう少し慣れてから説明するね。そうだな、そんなに気に入ったのなら、感想を残すといいよ。この紙に自由に書いたらいいから」
ひなは、どうしていいか分からなかったけれど、少しだけ紙に感想を書きました。
はじめまして。未来ノひなです。
すてきな童話ありがとうございました。
わたしも、こんなすてきなお話が書けるようになりたいです。
「じゃあ帰ろうか。こうやって、いろいろな小説を読むのも勉強だよ。たくさん読んで立派な小説家になってね」
「どうしよう。太りそう」
「ははは、いくら食べても太らないよ。ここの食事は大丈夫。疲れるのと時間がなくなるのはあるけどね」
ひなは、そのあと食べ過ぎでたおれるのですが、それはまた別のお話。
ひなに感想のお礼のお手紙が夕方とどきました。
未来ノひなさん。
読んでくれてありがとう!
星もうれしかったです。
はじめたばかりですか?
これから、たくさん良いお話がつくれるといいですね。
がんばってください。
「よろしく。モコりん」
「じゃあ、朝ごはん食べに行こうか」
ひなは、朝ごはんを食べていないのを思い出しました。
「そうよ。朝ごはん。まだ食べてなかったんだ。でもお金もないよ」
「だいじょうぶ。はいこれ」
モコりんは、赤いクレヨンと黄色いクレヨンをひなに渡しました。
「これは?」
「だいじなものだから、無くさないようしまっておいてね」
ひなは、ペンケースにクレヨンを入れました。
「じゃあ、行こうか。しゅっぱーつ!」
モコりんはそう言うと、両腕を差しだして、持ってとアピールしました。
ひなは、トートバックにペンケースをいれ、アピールしているモコりんも、バックの中に入れようとしました。
「ダメダメ! ボクは荷物じゃないよ。ちゃんと抱えて!」
仕方がないので、持ち抱えて歩くことにしました。
◇
「うわー、お店がいっぱい」
ひなの家がらしばらく歩くと、ぽつん、ぽつん、と屋台が見えてきました。
何か買いたかったのですが、モコりんが止めます。モコりんは、もっと歩いて屋台でなくお店に入るようにいいました。
「ランクが上がると、どんどん中央の人の多い所にお店を出せるようになるからね。信用が上がると、人も多く寄り付くのさ。ひなは童話を書きたいんだっけ。じゃあ、このお店にしよう」
ランキング? お店? よく分からないけど、ご飯がたべられるのならいいか、とモコりんの言うお店に入ります。
◇
「こちらがメニューになります。新作のモーニングセットGがおすすめですよ」
きれいな内装のお店でゆったりとしたイスに座ったひなとモコりん。
「モコりんも食事するの?」
「当たり前だよ! ぼくの分もたのんでよ」
「じゃあ、わたしはおすすめの新作、モーニングセットGにするけど、モコりんは?」
「ボクはパンケーキセット」
二人はそれぞれ好きなものを注文しました。
「うわ~、おいしそう!」
ひなの前には、こんがり焼けたフランスパンが二切れ、バターとブルーベリージャムが添えられています。わきにはアロエヨーグルトとサラダ、それにオレンジジュースが並んでいます。
モコりんの前には、三段重ねのパンケーキ。バターとホイップクリームが程よく溶けて、その上からトロっとしたメープルシロップがこれでもか!というほどかけられています。プレーンヨーグルトとオレンジジュースがセットとして付いています。
「「いただきます」」
ひなとモコりんは、夢中で食べました。こんなにおいしい朝食は初めてかもしれません。
「あっ!」
ひなはあることに気づきました。
「これ、お話になってる」
ひなは、食べながら、頭の中ですてきな童話が流れ込んでくるのを感じました。
「気がついた? ここ『小説家の世界』では、小説が食べ物になるんだ。よい小説であればあるほど、見た目も味もよくなるんだ」
モコりんはそう言うと、最後に残ったオレンジジュースを飲み干しました。
「「ごちそうさまでした」」
ひなは、とてもおいしい料理と、とてもすてきな物語に大満足です。
◇
「じゃあ、支払するよ」
「お金がないわ」
「さっきのクレヨン出して」
ひなはペンケースを取り出し、クレヨンを出しました。
「ここに伝票がある。ひな、きみはこの料理おいしく食べたかい?」
「もちろん! こんなにおいしいの初めて!」
「よかった。じゃあ、この♡マークに赤で色を塗って」
ひなは♡にクレヨンを付けました。あっという間にハートは赤く染まり、ポコンと3次元化して💖ふわふわと厨房へ吸い込まれて行きました。
「うわ~! 何あれ!」
「作者に『読んでよかったよ』っていうごほうびが届くんだ。💖を集めてお店を大きくする資金にするんだよ。ひなも早く作品を書いて💖をあつめてね。それがひなのお仕事だよ」
「うん。💖を集めるのね」
「そう。だから、良いと思ったら積極的にハートを塗ってね」
そこでモコりんは、真面目な顔で言いました。
「でもね、なんでもかんでもあげてはいけないよ。いい、口に合わなかったら塗らない。少しでもおいしかったら積極的に塗る。これがルールだよ。覚えておいて」
「わかった。おいしかったら赤く塗るのね」
「よし、じゃあ次ね。ひな、君の頭の中に流れた童話、よかったと思う?」
「すごくよかった。きれいな描写なのにせつなさが残って。こういう童話書いてみたい」
「そう。それじゃあこれ」
モコりんは、テーブルの脇に差してある紙の束から、新しい紙を一枚抜きました。大きな星が三つ並んでいます。
「これは、本当にいい小説だなって思った時に塗るレヴューだよ。気軽に押してはダメ。心の中で確かめてから塗るんだ。本当にいいなと思ったら1つ。本当にステキだと思ったら2つ。最高に素晴らしいと思ったら3つ。そこまで思わなかったら塗らなくてもいいから。さあ、ひな、君はこのモーニングセットどう思った?」
「最高にすばらしい物語だったよ!」
「よし、じゃあ黄色いクレヨンで星を塗るんだ」
ひなは心を込めて星を3つ塗りました。すると、⭐⭐⭐は紙から離れ、キラキラ輝きながら厨房の奥へ消えていきました。
「あとは、レビューコメントとかもあるけど、もう少し慣れてから説明するね。そうだな、そんなに気に入ったのなら、感想を残すといいよ。この紙に自由に書いたらいいから」
ひなは、どうしていいか分からなかったけれど、少しだけ紙に感想を書きました。
はじめまして。未来ノひなです。
すてきな童話ありがとうございました。
わたしも、こんなすてきなお話が書けるようになりたいです。
「じゃあ帰ろうか。こうやって、いろいろな小説を読むのも勉強だよ。たくさん読んで立派な小説家になってね」
「どうしよう。太りそう」
「ははは、いくら食べても太らないよ。ここの食事は大丈夫。疲れるのと時間がなくなるのはあるけどね」
ひなは、そのあと食べ過ぎでたおれるのですが、それはまた別のお話。
ひなに感想のお礼のお手紙が夕方とどきました。
未来ノひなさん。
読んでくれてありがとう!
星もうれしかったです。
はじめたばかりですか?
これから、たくさん良いお話がつくれるといいですね。
がんばってください。
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