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6.ミシェル視点
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その晩、お父様とお母様に改めて帰えってきた報告をします。
予定よりだいぶ早い帰宅に、二人とも呆れ返っていました。あと、1週間はかかると思っていたみたいです。
ですが、わたしの話を聞いて、楽しそうに、いえ、人の悪そうな顔をなさっていました。
「ミシェル。奴らを再起不能まで、やれ」
あら、お父様、よろしいのね?
そんなに簡単に許可がでるとは思わなかった。
「ミシェル、なんでも言ってちょうだい。協力は惜しまないわ」
あらら、お母様まで。
相当怒っているのがわかりました。
二人からそう言ってくれるなら心強い。
ふふふっ。
見てなさい。
絶対に許さない。
では、早速、敵の素性を詳しく調べないと。
「では、あの女・・・シャンス国の留学生、レイチェルの素性を詳しく調べていただけますか?」
「シャンス国?」
「はい。シャンス国のレイチェル・ブライアー伯爵令嬢です。まさか、『元』を探っていた段階ですので詳しいことはまだ分かりませんが、聞きかじった話だと成績もいまいちと聞きます。この留学の目的がわからないのです。まさかその彼女がここにいるだなんて思いませんでしたもの」
「『成績もいまいち』って、どこからの情報だ?」
お兄様、そんな渋い顔をしないでくださいませ。折角の美男子がもったいないですわ。
「シャルル様です」
そう言うと、まあ、お兄様が顔面崩壊。ぽかーんという表現が当てはまるかもしれない。
「シャルルを巻き込んだのか?!」
大きい声ですわ。
耳を塞ぐのが遅れた為、耳が痛い。
そんな大きな声を出さなくても聞こえるというのに。もう・・・。
お兄様を見て言います。
「シャルル様は、今、彼女の祖国シャンス国に留学中ですもの。お手紙を出して探ってもらうようにお願いしていましたの。お兄様だって、婚約者であるシャルル様に手紙くらい出しているのでしょう?」
シャルル様はお兄様の婚約者です。
見聞を広げるためにシャンス国に留学中です。あと半年すれば帰ってきて、二人は結婚します。
「彼女を巻き込むな」
「シャルル様は好意で教えてくださいましたわ」
「ミシェル!」
「ですから、お兄様に頼んでますの」
もう、わからないなんて、情けない。
鈍感なんだから。
「堂々逢いに行ける口実を作ったのですから、逆に感謝していただきたいわ」
「あっ・・・」
気の抜けたような間抜けな顔を絶句です。
ほんと、嫌になっちゃう。
察しが悪いわ。
堂々とお仕事を休んで逢いにいける口実を作ってあげたというのに。妹の親切心がわからないなんて信じられませんわ。
大丈夫かしら?
シャルル様がしっかりなさっているから、大丈夫でしょうけど。
「出来るだけ早くお願いしますわよ」
すました顔で言ってやる。
お父様たちにも協力を仰ぐ。
「あと、セイラを王宮でかくまう事はできませんか?」
「王宮でか?」
お父様は首を傾げた。
「はい。わたしが彼らと接触する間、セイラが関わっていないという確固たる証明が欲しいのですわ。
王宮で誰に会おうとも、それは関与しませんけど。お祖父様もセイラに会いたいでしょうし、従兄妹様も逢いたがっていませんでしたかしら。気を使い過ぎの奥手すぎで、好きな相手にお茶会にも誘えていませんようですものね・・・」
お母様が空咳をなさいます。
「ミシェル、言い過ぎですわよ」
「あら、失礼しましたわ。ともかく、よろしくお願いします」
さて、どんな計画を練りましょうか。
ふふふっ。楽しくなるわ。
「すごい顔してるぞ」
お兄様、失礼ね。
予定よりだいぶ早い帰宅に、二人とも呆れ返っていました。あと、1週間はかかると思っていたみたいです。
ですが、わたしの話を聞いて、楽しそうに、いえ、人の悪そうな顔をなさっていました。
「ミシェル。奴らを再起不能まで、やれ」
あら、お父様、よろしいのね?
そんなに簡単に許可がでるとは思わなかった。
「ミシェル、なんでも言ってちょうだい。協力は惜しまないわ」
あらら、お母様まで。
相当怒っているのがわかりました。
二人からそう言ってくれるなら心強い。
ふふふっ。
見てなさい。
絶対に許さない。
では、早速、敵の素性を詳しく調べないと。
「では、あの女・・・シャンス国の留学生、レイチェルの素性を詳しく調べていただけますか?」
「シャンス国?」
「はい。シャンス国のレイチェル・ブライアー伯爵令嬢です。まさか、『元』を探っていた段階ですので詳しいことはまだ分かりませんが、聞きかじった話だと成績もいまいちと聞きます。この留学の目的がわからないのです。まさかその彼女がここにいるだなんて思いませんでしたもの」
「『成績もいまいち』って、どこからの情報だ?」
お兄様、そんな渋い顔をしないでくださいませ。折角の美男子がもったいないですわ。
「シャルル様です」
そう言うと、まあ、お兄様が顔面崩壊。ぽかーんという表現が当てはまるかもしれない。
「シャルルを巻き込んだのか?!」
大きい声ですわ。
耳を塞ぐのが遅れた為、耳が痛い。
そんな大きな声を出さなくても聞こえるというのに。もう・・・。
お兄様を見て言います。
「シャルル様は、今、彼女の祖国シャンス国に留学中ですもの。お手紙を出して探ってもらうようにお願いしていましたの。お兄様だって、婚約者であるシャルル様に手紙くらい出しているのでしょう?」
シャルル様はお兄様の婚約者です。
見聞を広げるためにシャンス国に留学中です。あと半年すれば帰ってきて、二人は結婚します。
「彼女を巻き込むな」
「シャルル様は好意で教えてくださいましたわ」
「ミシェル!」
「ですから、お兄様に頼んでますの」
もう、わからないなんて、情けない。
鈍感なんだから。
「堂々逢いに行ける口実を作ったのですから、逆に感謝していただきたいわ」
「あっ・・・」
気の抜けたような間抜けな顔を絶句です。
ほんと、嫌になっちゃう。
察しが悪いわ。
堂々とお仕事を休んで逢いにいける口実を作ってあげたというのに。妹の親切心がわからないなんて信じられませんわ。
大丈夫かしら?
シャルル様がしっかりなさっているから、大丈夫でしょうけど。
「出来るだけ早くお願いしますわよ」
すました顔で言ってやる。
お父様たちにも協力を仰ぐ。
「あと、セイラを王宮でかくまう事はできませんか?」
「王宮でか?」
お父様は首を傾げた。
「はい。わたしが彼らと接触する間、セイラが関わっていないという確固たる証明が欲しいのですわ。
王宮で誰に会おうとも、それは関与しませんけど。お祖父様もセイラに会いたいでしょうし、従兄妹様も逢いたがっていませんでしたかしら。気を使い過ぎの奥手すぎで、好きな相手にお茶会にも誘えていませんようですものね・・・」
お母様が空咳をなさいます。
「ミシェル、言い過ぎですわよ」
「あら、失礼しましたわ。ともかく、よろしくお願いします」
さて、どんな計画を練りましょうか。
ふふふっ。楽しくなるわ。
「すごい顔してるぞ」
お兄様、失礼ね。
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