β彼氏と交際中のΩな僕ですが硬派α‬風紀委員長にバレて別れろと迫られています

なつさ

文字の大きさ
4 / 6

予算会議

しおりを挟む







そして迎えた予算会議当日。
目の前には生徒会役員、横には風紀委員の生徒達が座っていた。
鈴は真正面に置かれた椅子に着席する。
まるで尋問だ。


「それでは図書委員の予算について話をしていきます。まず、新規で購入したいという書籍ですが、これは本当に必要なのでしょうか。もし、この本を購入するとなると新たに本棚が必要ともありますが、そもそも本の購入自体必要ないのでは」
「はい。昨年度、図書室を利用した生徒にアンケートを取りました。その結果、多くの生徒が読みたいと希望した本がそちらの新規購入したいという本になっています」
「アンケート結果だけで書籍購入検討とは安易な考えではないでしょうか?かかる予算に対して図書室利用者の満足度が上がる、だけでは効果が薄い気がします」

反論意見にぐっと詰まってしまう。
その時だった。

「だが、新たに図書室利用者が増えるというのは学園としても良い事だと考えられるが」
「雁染委員長」
「この学園は酷く閉鎖的だ。知識を得ようにも外部との繋がりが絶たれてる以上、本から知見を得ることは重要だと考えられる。生徒の学力や知識向上も含め新たな書籍を取り入れることは必要だと考えられるが?」

雁染が意見してくれたことにより生徒会役員たちはしどろもどろになる。

「し、しかし昨年に比べ予算要求が上がりすぎています。流石にこの額は・・・」
「必要に応じて臨機応変に対応する必要があるだろう。それよりも、無駄な予算を割いている委員会は他にもあると思うが?」
「っ・・・分かりました。図書委員の予算要求を受け入れましょう」
「っ・・・!あっありがとうございます!」

こうして雁染の手助けもあり、無事予算会議は終了した。
会議後、廊下を歩く雁染に駆け寄る。

「雁染先輩っあの、ありがとうございました!雁染先輩のお陰です・・・!」
「伊野瀬の役に立てたのなら良かった。伊野瀬も、よく頑張ったな」

雁染は微笑みながら僕の頭を撫でる。

「そうだ。伊野瀬に頼みたいことがあったんだ」
「何でしょうか?」
「実は、風紀の会議で使用する本をいくつか見繕って欲しいんだ」
「本を・・・ですか?」
「ああ。図書委員の伊野瀬なら詳しいだろ?それに、接点があるから頼みやすいと思ってな」

正直、どうしようかと迷う。
匠には必要以上に雁染と会わないと話してしまっているのに。
だが、今回の会議は雁染のお陰で何とかなったと言っても過言では無い。世話になった手前、断りづらいし。おお礼として1度程度なら良いか。


「分かりました。僕でよければ」
「助かる」 

雁染は笑顔を浮かべていた。





しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

美形な幼馴染のヤンデレ過ぎる執着愛

月夜の晩に
BL
愛が過ぎてヤンデレになった攻めくんの話。 ※ホラーです

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!

ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。 「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」 なんだか義兄の様子がおかしいのですが…? このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ! ファンタジーラブコメBLです。 平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります。   ※(2025/4/20)第一章終わりました。少しお休みして、プロットが出来上がりましたらまた再開しますね。お付き合い頂き、本当にありがとうございました! えちち話(セルフ二次創作)も反応ありがとうございます。少しお休みするのもあるので、このまま読めるようにしておきますね。   ※♡、ブクマ、エールありがとうございます!すごく嬉しいです! ※表紙作りました!絵は描いた。ロゴをスコシプラス様に作って頂きました。可愛すぎてにこにこです♡ 【登場人物】 攻→ヴィルヘルム 完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが… 受→レイナード 和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。

普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。

山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。 お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。 サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。

幼馴染みのハイスペックαから離れようとしたら、Ωに転化するほどの愛を示されたβの話。

叶崎みお
BL
平凡なβに生まれた千秋には、顔も頭も運動神経もいいハイスペックなαの幼馴染みがいる。 幼馴染みというだけでその隣にいるのがいたたまれなくなり、距離をとろうとするのだが、完璧なαとして周りから期待を集める幼馴染みαは「失敗できないから練習に付き合って」と千秋を頼ってきた。 大事な幼馴染みの願いならと了承すれば、「まずキスの練習がしたい」と言い出して──。 幼馴染みαの執着により、βから転化し後天性Ωになる話です。両片想いのハピエンです。 他サイト様にも投稿しております。

人気俳優に拾われてペットにされた件

米山のら
BL
地味で平凡な社畜、オレ――三池豆太郎。 そんなオレを拾ったのは、超絶人気俳優・白瀬洸だった。 「ミケ」って呼ばれて、なぜか猫扱いされて、執着されて。 「ミケにはそろそろ“躾”が必要かな」――洸の優しい笑顔の裏には、底なしの狂気が潜んでいた。 これは、オレが洸の変態的な愛情と執着に、容赦なく絡め取られて、逃げ道を失っていく話。

こわがりオメガは溺愛アルファ様と毎日おいかけっこ♡

なお
BL
政略結婚(?)したアルファの旦那様をこわがってるオメガ。 あまり近付かないようにしようと逃げ回っている。発情期も結婚してから来ないし、番になってない。このままじゃ離婚になるかもしれない…。 ♡♡♡ 恐いけど、きっと旦那様のことは好いてるのかな?なオメガ受けちゃん。ちゃんとアルファ旦那攻め様に甘々どろどろに溺愛されて、たまに垣間見えるアルファの執着も楽しめるように書きたいところだけ書くみたいになるかもしれないのでストーリーは面白くないかもです!!!ごめんなさい!!!

俺にだけ厳しい幼馴染とストーカー事件を調査した結果、結果、とんでもない事実が判明した

あと
BL
「また物が置かれてる!」 最近ポストやバイト先に物が贈られるなどストーカー行為に悩まされている主人公。物理的被害はないため、警察は動かないだろうから、自分にだけ厳しいチャラ男幼馴染を味方につけ、自分たちだけで調査することに。なんとかストーカーを捕まえるが、違和感は残り、物語は意外な方向に…? ⚠️ヤンデレ、ストーカー要素が含まれています。 攻めが重度のヤンデレです。自衛してください。 ちょっと怖い場面が含まれています。 ミステリー要素があります。 一応ハピエンです。 主人公:七瀬明 幼馴染:月城颯 ストーカー:不明 ひよったら消します。 誤字脱字はサイレント修正します。 内容も時々サイレント修正するかもです。 定期的にタグ整理します。 批判・中傷コメントはお控えください。 見つけ次第削除いたします。

お兄ちゃんができた!!

くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。 お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。 「悠くんはえらい子だね。」 「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」 「ふふ、かわいいね。」 律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡ 「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」 ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。

処理中です...