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ラスティの春 3
しおりを挟む皆が守ろうと包んでくれた・・・涙が止まらない、ごめんね皆んな不甲斐なくて
どうすれば良いの?___間に合わない!ぶつかる!!
その時、ふわぁっとお父様の魔力に包まれたそして
ポヨヨヨヨヨーーーーン
その場に似つかわしく無い感覚がある。そして皆が包み込まれた。お父様も。
そして、激しい衝撃__では無く優しく包み込まれた。その後、人をダメにするソファよりも心地良い感触がする。最高な心地だ。
プニ、プニ、プニ、ぷにぷにぷに、プニ。ん?何んだろうこれは。更にプニプニしてみた、そしてぷにぷにと。
こんな状況で浸っている場合では無い。鑑定してみたら、スライムだった。でも、デカくない?重量級の獣人も居る。私とてか弱くも華奢でも無い普通より大きめサイズだ。お父様がいくら聖獣って言ったって重さはある、そして大きい。
この子は恐らく敵では無いだろうが、どうやらビッグ、ビッグサイズのスライムらしい。生まれたばかりのダンジョン?だろうに既にビッグ、ビッグサイズ。末恐ろしい。
『ねぇ、ねぇ、楽しい?僕のボディ楽しい?』
「「「「「「「「ん?」」」」」」」」
「なんか、可愛い声聞こえるね・・・」「うん、聞こえる。」「楽しい?って聞かれてる。」「楽しいし、気持ち良い。最高!」
『最高?えー、嬉し~い!』
「嬉しいって思ってくれてるの?ありがとうღ」私は滂沱の涙を流していたのも忘れ子供の様にスライムに擦り付いた。そして問うてみた
「あなたはここに住んでるの?他には誰かいるの?」
『僕は、ここで生まれたんだ。誰かいても何でだか痛い事ばかりしてきてね、虐めて来るからやっつけたんだ。そしたら、僕だけになったの・・・寂しい。ずっと独りで寂しくて泣いてたらお家が揺れて大きくなってね?君たちが落ちて来たんだよ。大丈夫だった?』
「そっか、寂しかったんだね。ヨシヨシ」
ポンポンと撫でると柔らかく虹色に煌めいていた “ ボディ “ がピンクが多くなり優しく揺れる。
「沢山虐められたの?どんな奴?に虐められたの?」
と聞くとどうやらゴブリンから始まり、オークやオーガ、爬虫類系に、虫型、植物型・・・あらゆる形態の魔物に襲われていたようだ・・・
「沢山の魔物に虐められたんだね。良く頑張ったね、偉かったね。」となでなでポンポンすると猫が懐くようにゴロゴロと擦り寄って来た。
「・・・私達、これからまた上に戻るんだけど、一緒に来る?」と聞いたら
「「「「「「「やっぱり」」」」」」」と声がする。そこはスルーだ
『本当?良いの?___でも、僕ね、石さんの事置いていけない・・・石さんはおうちから離れられないんだ。』虹色の煌めきが薄紫と水色に覆われる。心なしかしょんぼりとなる。
「・・・石さん?どこにいるの?」
『ここだよ。』とスライムちゃんが自分の中から取り出した。
お父様が「やはりか、コアの波動がしていた。だから会話が出来るんだろうな。」
と言うと少し時間が欲しいと言うと暫し考え込んだ。
その間皆んなは、既にスライムちゃんを受け入れてくれたのかこの後一緒に行動する事を前提に話をしてくれた。
そして、スライムちゃんに助けられて?一旦引っ込んでいた涙を思い出した。
「皆んな、自分だけだったら明らかに助かったのに、私を助ける為にその身を差し出したよね・・・本当に、本当にありがたい。でもね?私は皆んなの命を犠牲にして自分だけ助かるのは嫌だよ。生きていけないよ・・・」
とまた思い出したかの様に出てくる涙と共に訴えると
「私達だって、ブラン様を目の前で失うなんて嫌。耐えられない、それは同じです。」と声を揃える
「皆んな、でも・・・そしたらどうしたら良い?また、こんな事があった時同じ事になっちゃう・・・」
言葉を失う私達に、思考を終えたのかお父様が
「もっと、色んな危機を想定して対策しよう。私達なら、出来るよ。」と穏やかに、だがキッパリと言ってくれた
「そう、だね。私達なら出来る。マイナスじゃなくてプラスに考えよう!
皆んなで幸せになるんだもんね。本当、血の繋がりよりも濃い絆の皆んなと出会えて__幸せだよ。」
今度は、幸せの涙が止まらない・・・スライムちゃんも何だか馴染んでる。でも、ダンジョンコアと共に居るスライムちゃんを連れて行けるの?
ほんの少しの触れ合いなのに別れるなんて考えられない
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