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本当に来ちゃいました

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「やぁ、ラリエット。」アルフレッド様はラフなシャツとスラックスのスタイルでお越しになった。

約束(強引に)した通りアルフレッド様が本当にやって来られました。昼間より色気がダダ漏れどうしてダダ漏れなの?私の事嫌いですよね。

「忙しいのに本当に来られたのですか?」来なくてもいいのに。

「確かに忙しいのは事実だがラリエットの為の時間はある。」

「はぁ、さようでございますか。」はぁ、気が重いわ。ユリアさんいるのに私に気を向けるってほんっと一夫多妻制反対だわ。

数分前こうしてやって来て、今はラブチェアに腰掛けて私の横に座っているアルフレッド。

なんでこうなる!

私は、アルフレッド様に何も望んでないのに、可笑しいわ。

「髪を下ろしいるラリエットはとても美しいよ。」アルフレッドは私の髪を一房つかみそっとキスした。

わっ。なっ、なんなのそんな仕草一つで私の心を翻弄させられるなんて。

『ダメよ、ドキドキしちゃう、この男は無駄に格好いい。ラリエットさんを苦しめたくず男なのに、私が施されてどうするの。』

「ラリエットそんな顔をされると意地悪したくなるよ。真っ赤で可愛いらしい。」

「ーーかっかわいらしいって、わたくしの事ですか?」

「ああそうだよ、以前の君は私にそんな可愛い顔を見せなかった。常に厳しく魔力か強く高貴な公爵家の令嬢として君臨していた。」その上傲慢で嫌な女だったけどね。

肢体や容姿は抜群に好いのになぜ性格は極悪だったんだ。

悪女の要素が抜けて、さらりとしたプラチナブロンドの髪も不安げな薄紫色の瞳もな庇護欲をそそる仕草ーー滑らかな肌。

「君は記憶を無くし全て変わってしまった。今の君が本当の君なのか分からない。だけどーー今のラリエットはずっと傍に居てほしい。」

「今の私ですか?じゃあ元の私って何んでか?本当に前の私は始めから嫌な女だったのでしょうか?」

始めから「嫌な女だった」かだと。
嫌、そうじゃない。
初めて出会ったのは十歳だった。その時のラリエットはとても美少女でーーーーそして優しかった。
出会って直ぐに仲良くなったし、お互いを思いやった。

いつからラリエットは変わったのか?

気がついたらラリエットはツンケンしていた。

「それは、そうでは無かった。出会った時は可愛らしく優しく少女だった。」

「では、なぜ嫌な女になったとお思いですか?」

「分からない。ラリエットはいつも私が女の子と一緒にいると怒っていたように思う。」

「それですわ!ラリエットさん、いえ以前の私は大好きなアルフレッド様が他の女性と仲良くするのが許せなかったのでわ無いでしょうか?多分嫉妬です。」

「ラリエットが私嫉妬?」「はい、嫉妬です。好きな人にはずっと自分だけを見て欲しいものです。第一王子で王太子であるアルフレッド様はきっと幼少の頃よりおもてになったに違いありません。」

「確かに私の周りには、私に取り入ろうとする者が大勢いた。それは取り巻きに過ぎない。出会った時も、婚約者になった時もラリエットが大好きな人だった。」

私達はすれ違いラリエットもツンケンし出し周りに権力をかざしあたるようになった。成長するにつれ化粧も濃くなり派手な装いになり傲慢で嫌な女になっていったのだ。
そして私はそんなラリエットの相手方面倒になり学園で出会ったユリアに心を寄せたのだ。
もしかしたらそのユリアも私の心の隙間に入り込んだ心の歪んだ女だったのかもしれない。

今更気がついて遅いが、今からでもラリエットに答えたい。

「その気持ちのままでいたら、それを言葉にして以前のラリエットに伝えていましたか?」

「嫌、言葉にして伝えてはいない。」

「それではラリエットに伝わっていませんよ。言葉や愛情表現はとても必要です。愛されている実感があれば以前のラリエットはアルフレッド様にツンケンせず優しくよい婚約者でいられたとおもいます。」

「そうだな、私はそんな大切なことも忘れてラリエットを傲慢悪女として扱ってしまった。」

アルフレッド様は私の手を握り金色瞳を真っ直ぐにラリエットを見つめ

「すまなかったラリエット、私が君を蔑ろにし見放してしまった。悪いのは私だ許して欲しいとは言わない、徐々にでも私を受け入れて欲しい。」

アルフレッド様がラリエットを受け入れて誤っている。よかったわねラリエットさん。
「アルフレッド様ーーーー」

「ラリエットーーーー私の事は愛称で呼んで欲しい。アルとーーーー。」

「ア、アルフレッド様。」

「アルだ。」

「アル。」

「何だ、ラリエット。」甘い瞳で私の名を呼ぶアルフレッド様。

アルフレッド様の顔が近づいて来てーーーー。

オギャーとアデイルの鳴き声が聞こえた。

アデイルの声ではっとした私は慌ててアデイルの傍に寄った。

「アデイル、お腹がすいたの?おむつかしら?」

おしめを見たが濡れてはいなかった。

「アデイルお腹がすいたのね。」

「アルフレッド様すみませんアデイルにミルクを飲ませますのでーーーー」言葉を濁しながら帰って欲しそうな態度をとるが

「大丈夫だ私も手伝おう。」

何を?

「アデイルにおっぱいを飲ませるのだろう、私も手伝おう。」

えっ、だから何を?

「乳母のマッサージを見ていた、私にも出来る。」

いや、大丈夫だからーーーー。

「あ、あの大丈夫ですわ!わたくし一人で出来ますので。」

私はアルフレッド様から背を向け胸をはだけた。
乳房をアデイルの口に当てると小さな手で乳房を押しながら一生懸命飲む姿は可愛かった。反対側の乳房を飲ませるために姿勢を変えた時、アルフレッドががじっと胸元を見ていることに気付いた。

「アデイルが一生懸命乳を飲んでいる、可愛いものだな。」

「はい、とても可愛いです。わたくしアデイルが大好きです。」ラリエットはほんわりと微笑む。

アルフレッドの瞳が、「私は」はと問うているようでドキドキしてしまった。もう何なの?

「そう言えばラリエットは魔法の存在も忘れていたな。」

「そうですね、魔法が存在するんでしたね!私に使えるなんて不思議です。」

「あぁラリエットは氷魔法だ。」

「氷だけではなく水や風や火も少しは使える。この世界の人間はみんな数種類の魔法が使えるんだ。ただ、使えると言っても力の差は様々だ。
王族の中でも全種の魔法が使える者が代々生まれる。その者の瞳はロイヤルゴールドの瞳、純粋のゴールドダイヤモンドのように黄金に輝く。
男女関係なく、その瞳を持つ者が王位を継承するそうだ。
黄金の瞳である私や、アデイルのように生まれながらに王になることが決まっているのだ。」

「生まれた時から王になることが決まっているなんて気が重くて大変そうだわ。」

「気が重くて大変?くくく------はははははは!そんなことを言われたのは初めてだ。気が重いか----確かにそうだな」とアルフレッドは声を立てて笑った。

「もう、そんな変な事いいましたか?」思わず口を尖らすとアルフレッドはチュッと音を立ててキスをした。

「ア、アル---。キッッキス。」

「ああ---夫婦何だから良いだろ。」とアルフレッドは腕の中にいるアデイルごと私を抱きしめた。
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