上 下
16 / 18
オルテガミスの黄昏

ギデオンよ。罪は洗われた。

しおりを挟む
そうしてるうちに、ギデオンはもう48歳という歳になった。ギデオンは、古き友であるランスロットのいるアヴァロンを訪れた。アヴァロンで、マーリン様に御用があったようだった。ランスロットとそこで24年越しに再会した。だが、お互い妙な空気でマーリンの方がせっかく再会したというのになんじゃね?そのピリピリした空気に耐えられずそう言ったのだ。ランスロットはお互い老けたな。お前の目的はなんだ?と言うと、ギデオンは、ミヤギユウキと言う男だ。そいつを探してる。イレギュラーな転生者、すなわち不法転生者だ。あいつに仮を返すつもりでな。
ランスロット、お主は知らぬか?妙な噂などなかったか?と言うと、ランスロットは横に首を振り、知らぬが。ミヤギユウキと言えば、お前にあの時憑いた黒い影がその名をあげたくらいだ。マーリン様はどうです?と聞くと、マーリンはほほぅ。ミヤギユウキと言う男じゃな。そいつは、日本と言う国からの転生者だ。だが、ライセルがよこした転生者ではない。ライセル様は身を隠してらっしゃる。
私にはたまに姿を見せて欲しいものじゃが。仕方あるまい。ライセルと会えるのは四大天使くらいだ。風の天使、エアリローゼ様。炎の天使、フレア様。水の天使、ウンディーネ。大地の天使、アルス様。この四大天使のみライセルと会えるが、四大天使からも聞いている。彼らでも今は会ってくれないと言うらしい。ケイオス・グールガイストと言う怨恨たる神を恐れていると言うのだ。
ケイオス・グールガイストだとピンと来ないだろう。もちろん、そいつは実体のない神。時には子供のこともある。老人になることもあるし。若い女性になることもある。正体不明の神だ。と、同時にケイオス・グールガイストはかつて異世界にあったアトランティス大陸を一夜にして滅ぼした神だと言われてる。知っておろう。その時にケイオス・グールガイストは肉体を失ったと言うのだ。その時、世界に歪みが出来た。その歪みを生き延びたアトランティス人が渡りこの地へ来たと言うのだ。
アトランティス人たちはこの地に住むエルフ族と交わりその子供達はスローン族と名を改め、独自の文化で発展していった。しかし、異世界から来たアトランティス人には呪いがかけられたようでな。スローン族にもその呪いはふりかかってるようなんだ。特に、ケイオス・グールガイストと接触したアトランティス人は呪いを強く受けてしまう。多くの災難に苛まれると言う。ケイオス・グールガイストは、色んな呼ばれ方をしててな。
こちらでは、彼をカースとも呼んでいる。むしろ、それなら知っておろう。能力で言うと似てるかもしれぬ。ミヤギユウキとケイオス・グールガイストとの関係性を疑った方がいいかもな。ところでだが、私はアヴァロンの王としての恩恵として呪いは発動しないが、くれぐれも気をつけるのだぞ。念の為に、私が今話した事は内密にするのだ。話さなければ、ギデオンも呪いを受けることは無い。だから、安心なされよ。
マーリンは知ってることを全て話した。ギデオンはありがたい。助かった。マーリン殿。ランスロットも元気でな。と話した。ランスロットも、お前もな。そう返した。マーリンは、行く宛はあるのか?ないなら、オルテガミス共和国へ行け。何やら、不穏な空気がたちこめてる。何かあるかもしれんぞ。そう言った。そう言われたギデオンはマーリンの言う通りにオルテガミス共和国へ向かった。たどり着くと、まずエルドラード王に謁見を求めた。エルドラードとは若い頃からお互いに知っていた。
お互いに良き相談者だったのだ。盟友であった。久々に会い積もる話もした。まさか目の前にいるエルドラード王が偽物だとも気づかず、憎むべきアルジェリアの変装で化けたエルドラード王と普通に会話をしていた。そして、本題に入った。最近、お主の国の様子がおかしいようだがなんか変わったことはないか?そう問いかけたが、いや、特には何も起きてなかったはずだよ。そう、エルドラード王に化けたアルジェリアは返した。悟られない為のやむを得ない処置だった。その出来事が、ギデオンの運命を変えてしまった。それから、数日たったある時、ギデオンが死んでしまったのだ。それは事故なのか、事件なのか分からないが現場は、オルテガミス共和国から南にあるゴーストタウンと化したオルハタウン。誰も住んでない港町。
そこの一角、もう使われてない灯台から落ちて亡くなったのだ。その瞬間を見てしまった人がいたのだ。その人が何故オルハタウンにいたのか。それは、元々オルハタウンの住人で、時折としてオルハタウンに来ては灯台真横の倉庫に来て、必要なものを取りに来たりしてるからであった。その日も、倉庫にあった生活品を取りに来ていたと言う。その時に見てしまった。男のわぁーと言う悲鳴が聞こえ、びっくりして灯台を見たら落下する所だったと言う。灯台に落下した男を見て、すぐにギデオンだと分かった。もう1つ目撃者は奇妙な出来事に遭遇したという。ギデオンが亡くなってるのか確認する時、どこからか声が聞こえたと言うのだ。確かに人は居なかった。だが、すごい近くで誰かがある言葉を発したと言うのだ。それは、'ギデオンよ。罪は洗われた。'と言う言葉。その声の主は男のすごい低い声だったと目撃者は振り返る。
しおりを挟む
1 / 4

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

騎士団長の世話係に任命されました。

BL / 連載中 24h.ポイント:49pt お気に入り:100

盤上に咲くイオス

BL / 連載中 24h.ポイント:184pt お気に入り:175

治癒師くんと殿下の話

BL / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:11

悪役令息だが、愛されたいとは言っていない!【書籍化決定】

BL / 連載中 24h.ポイント:1,945pt お気に入り:1,117

氷の騎士団長様の悪妻とかイヤなので離婚しようと思います

BL / 連載中 24h.ポイント:54,500pt お気に入り:5,150

【BL】かつて大聖女様と呼ばれていた俺は現在男ですが何か。

BL / 連載中 24h.ポイント:177pt お気に入り:2,112

処理中です...