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22 僕のせいだ
しおりを挟む「レン、僕どうしたらいいか、よくわからないよ。」
それからしばらく、ディアルトはそこにうずくまっていた。
魂が抜けたように、なにもせず、動かなかった。
いつの間にか夜が明け、明るくなる。
それでもそこから動かなかった。
「ディアルト、行かない?チャクミってとこに行こうよ。」
レンがディアルトを爪でツンツンと突くが反応がない。
ディアルトは魂が抜けたようにひざを抱え、うつむいていた。
「ここにいたってどうにもならないよ?」
すると、急にディアルトが立ち上がった。
「レン、連れてってくれ!」
待っていたとばかり、レンは大きな翼で羽ばたいた。
浮き上がったレンの足をすばやく掴むと、ディアルトは浮かび上がった。
「シュランに向かってくれ、上空でいい!」
「えええっ チャクミじゃないの?もう明るいし、見つかっちゃうよ!」
「ちょっとだけ。」
「危険だよ。」
「どうしても行きたいんだ。ちょっとでいいから。」
「うん、わかったけど見つかったらすぐに逃げるよ。」
「うん。」
上空で旋回すると、レンは最大限の警戒をしながらシュランの上空の高い位置で羽ばたいた。
ちょうど、エクシアの住居の辺り、人だかりが見える。
「少し降下して」
レンはディアルトに言われたとおり、少し降下した。そこには、兵士が複数確認できる。
「なんかやってる。よく見えないな。レン、もう少し降下して。」
「それは駄目だよ。これ以上だと絶対見つかる。」
「飛び降りるよ?」
「しょうがないな。少し離れたところに着陸しようか。そっちの方が見つかりにくいと思う。」
「よし、そうしよう。」
レンは一度高く舞い上がると、少し離れた場所に素早く着陸する。
「じゃあ、行ってくるからレンはここで待ってて。」
「気を付けてよ。呼んだらすぐ行けるところに隠れてるから。」
「ありがとう。」
ディアルトがうなずくと、素早く走り出して他の人に混ざりながら、身を潜めてその人だかりに向かった。
「!!」
ディアルトの目の前には、両足から血を流し、上半身を抱えられたエクシアが見えた。
足下には大量の血が流れ、意識を失っているようだ。
そしてその横には大きな銃をもったシュラン知識部門長のエクシアが見えた。
「チャクミの第三王子エクシアはイルエスタに逆らった!それゆえ、罰した!」
シュラン知識部門長の大きな声が響く。
「イルエスタに逆らう者はすべてこうなる!!」
周囲から拍手が巻き起こる。それと同時に苦い顔をしてその場を足早に去っていく複数の人。
ディアルトはそこに向かって駆け出しそうになったが、人だかりに押され、動けない。
急に力が抜ける。動けなくなる。膝をついてその場に倒れそうになる。
「あいつは!!!」
目の前の衝撃に呆けて動けないディアルトを見つけた兵士が取り押さえに向かった瞬間、その人だかりを縫うように、小さく折りたたんだ羽で素早くレンがディアルトをくちばしで救い上げ、上空へ飛び立った。
レンはそのまま、くちばしでディアルトを掴んだまま、高度を高く飛び去った。
そして、朝から夜、夜から朝と、かなりの時間、休むことなく飛び続けた。
その間、ディアルトは全く動けなかった。
「僕のせいだ・・・」
泣いていた。
「僕のせいだ・・・」
エクシアからもらった地図の記憶を辿り、レンはチャクミへ向かい進んでいった。
「僕のせいだ・・・」
意識を失った様にディアルトは動かずに、たまに震えて涙を流した。
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