炎光に誘われし少年と竜の蒼天の約束 ヴェアリアスストーリー番外編

きみゆぅ

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25 ミクシアだよね

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 バブはこのことを事務官に伝え、この討議について建家の前に掲示させた。そして建家の屋根には、大きな長方形の青い旗が掲げられた。

 チャクミでは、民から選出された3人の代表が物事を決定する。一人では独裁になる恐れがあり、二人では意見が割れた場合に多数決ができないためである。
 また、この3人の議論は誰でも傍聴でき、その議事録が作成される。民の半数が反対すれば決定は取り消される。

 民主的な方式ではあるが、関心がない者も多く、実際に傍聴する民はほぼ皆無だった。
 ここ数年、反対者は0人である。

「じゃあ、帰るか。行くぞ。」

 ディアルトはミクシアに連れられて家へ向かった。

 ミクシアの家も木造で、両親が出迎えてくれた。あらかじめディアルトが泊まることは伝えられており、食事の準備も整っていた。

 エクシア、ミクシアが王子であるということは、その父は他の国ならば国王ということだ。
 ただし、チャクミでは権力はほとんどなく、実質的な最高権力者はバブである。それでも父は、ラフな格好ながら威厳を感じさせ、挨拶を受けるだけで緊張が走る高貴さを持っていた。

「エクシアからの手紙を受け取ったよ。ありがとう。ゆっくり休んでいくと良い。」
 父の声に、ディアルトは自然と涙を浮かべた。

「小さいのに大変ね。」
 母も優しく声を掛ける。

「辛いことがあったのだな。今日はゆっくりしなさい。」
 ディアルトはうなずき、涙をぬぐった。

 ミクシアに案内され、ディアルトは部屋へ入る。乱雑だが書物が多く、エクシアの部屋に似た雰囲気だった。

「この部屋を使ってくれ。エクシアの部屋だ。」
 暖かい湯を飲むと気持ちが落ち着いた。

 ふとディアルトは叫んだ。

「ミクシア!」

「なんだよ。」

 少し不機嫌な返事に、ディアルトは前のめりになった。

「ミクシアだよね?」

「そうだよ。」

「だからチャクミのミクシアだよね?」

「しつこいな!いい加減怒るぞ!」


 ディアルトは上機嫌で、ジジから預かった布袋を手渡す。
 中には『ミクシア』と書かれ、さらに『イルエスタ→コラン』の記載があった。

「これは…俺の字?ジジ様…ああ、思い出した。イルエスタのジジ様か。確かに渡した…なぜおまえが持っている?」

 ディアルトはアルト村での出来事と火の原石の話をした。ミクシアは布袋をじっと見つめ、納得するように頷いた。

「火の原石と融合したか…そして父を助けたいと。原石を研究していたジジ様が絡まなければ到底信じられないな。原石ってのは何でもありなのか。」
 
 腕を組み考え込むミクシア。『イルエスタ→コラン』の文字を指差す。

 夕食の時間になると、ディアルトはミクシアと両親に囲まれて食卓につく。暖かい手料理に、アルト村を思い出す。昔のことのようだが、涙がこみ上げる。必死にこらえつつ、陽気に振る舞った。
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