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26 子供と大人の間で
しおりを挟むなんだかんだ色々あって、エクシアの部屋ではなく、ミクシアの部屋で一緒に就寝となった。
「明日のイルエスタとチャクミの関係って何をどうするの?」
「エクシアがイルエスタと揉めたから、どうやってイルエスタのご機嫌をとろうかという話だ。だいたいわかる。」
ディアルトは目をつぶった。
「なんで、エクシアがあんな目にあったのに、イルエスタと仲良くしようと思うの?」
言葉に詰まるミクシア。
「イルエスタと戦争になったらチャクミには勝ち目がないからな。自慢じゃないが一瞬で滅びる。」
まだ目をつぶっているディアルト。
「戦争になったらチャクミの民が傷つくし、農地も、動物も死んでしまうしな。ちからが無い国なんてどこも同じだ。強いものには逆らえない。みんなを守るためだ。」
まだ目をつぶっているディアルト。
「僕だったら弟があんな目にあったら、絶対仲良くなんかしない。」
「・・・」
「僕だったら弟があんな目にあったら、どうにかして助ける。」
「・・・」
「僕だったら誰に何を言われても絶対自分の思いは曲げない。」
「・・・」
子供の言葉は素直すぎて痛い。
「大人は自分の思いだけじゃ動けない。それに立場ってのもある。おまえにはわからない。国を、民を守るということを。」
「ミクシアだってガキじゃないか。自分の思いを持ってない。おかしいよ。」
「・・・俺が?」
「そうだよ。弟のことをなんか他人事だし。なんか、問題から目を逸らしてるし。」
「あのな・・・」
「なんか嫌だ。はじめから諦めてるし。」
「・・・」
反論できない。
沈黙が続いた。
「んで、どうしたいって?」
「だから、父さんを助けたいんだよ。」
「そんなこと言われたってな。」
ミクシアが息を吐くと、その紙の『イルエスタ→コラン』を見つめ、指で指した。
「コランって国なの?」
「このイルエスタ大陸の隣のラン大陸の一国の名前だな。隣の大陸に4つある国の1国で、特徴のある国ではないがどういう事だろう。そういえば、最近隣の大陸で原石が発見されたという噂が流れたな。それでイルエスタが戦争を仕掛けようとしているとか。それとなにか関係あるのか・・・?」
ディアルトは起きあがり、ミクシアを見た。
「じゃあ、戦争になるの?」
ミクシアは首を振った。
「隣の大陸の国はどれも小国で戦わずに降伏して領土を明け渡すという見方がされている。争いにはならないだろう。力が違いすぎる。でも、一応その情報も明日仕入れよう。ジジ様の事だから、意味が無いわけはないだろうかな。」
夜が更けていった。
そして次の日、太陽が既に高い位置に昇り、ついに討議が始まる時間になった。
チャクミの民が、3階建ての『チャクミ』の古い看板が飾られたバブの家に集まる。
円卓の3方向の壁が外され、外から見やすくなっていた。
また、3人の議事録を取る文書化する担当者がいるため、本日不在の者もそれを読むことにより、討議の内容を知ることが出来る仕組みだ。
資料が山積みに準備されており、ルビト、スパルが既に椅子に座り、ミクシアを待っていた。もうすぐ正午。まだ、ミクシアが現れない。
心配するルビトとスパル。
その時。
「どいて!どいて!」
ディアルトが人混みをかき分けてミクシアを通す。ミクシアも資料を抱えて急いで席に着いた。
「すまん。ぎりぎりになった。」
ルビトとスパルに頭を下げるミクシア。早速討議の準備を進める。
そして、全員が集まって準備が整うと、バブがゆっくりと姿を現す。
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