炎光に誘われし少年と竜の蒼天の約束 ヴェアリアスストーリー番外編

きみゆぅ

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35 ラン大陸の危機

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 次の日の朝。

「ぎゃああああああぁ!!!」

 外からキーンの嫁の大きな叫び声が響くと、眠気を纏ったまま一斉に地下室からその声の方向へ飛び出していく。
 良く晴れた空の下、庭で震えながら、キーンの嫁がフライパンを構える。

 その前に困った表情の一匹の深紅の大きな竜。ぜいぜいと息を切らせて、少し前倒しの態勢でからだを休めている。

「それは仲間だ。」

 キーンが嫁に近づくと、ポンと肩に手をかける。

「はぁ。ひどいよーそんなにびっくりするなんて。」

 レンがしゃべると、さらに驚いた表情で急いでキーンの後ろに隠れる嫁。
 ミクシアが笑った。

「そんなことよりも、手紙預かってきたよ。」

「おう、悪いな。思ったより早かった。」

「風が追い風だったからね。あと、ミクシアのお父さんが急いでって言ったから、本気で頑張ったよ。」

「ありがとう。大役だ。」

 レンの首に強く巻かれたツルツルの布から手紙を取り出すと、丁寧にそれを広げていく。
 その顔は険しく、目をつぶった。

 ミクシアが考え込む様にうなずくと、キーンがとりあえず家に入るように促した。

 キーンの家の地下に戻ると、ミクシアはキーンとディアルトに声をかけて、3人で地下室から、キーンの自室へと移動した。

「まあ、悪い予感はよく当たるってやつだ。」

 イルエスタにいるミクシアの兄、アクシアからの手紙だった。

「兄のアクシアはイルエスタの情報機関で活動をしている。」

 手紙をキーンに渡すとキーンも顔を曇らせた。

「なんて書いてあるの?」

 ディアルトが聞くと、ミクシアが真剣な顔をして、うなずいた。

「簡単に言うと、原石同士の接触による破壊をこのラン大陸の中央のどこかで計画している。爆破用の原石はイルエスタ国から現在移動中。4日後にこの大陸に運び込み、爆破を実行。巻き込まれないように早急に退避せよ、だそうだ。」

「4日後って、避難させないと!」

 慌てるディアルトにミクシアは首を振った。

「ラン大陸とイルエスタを結ぶ船はすでに運航を中止、この大陸にいるイルエスタ国の兵士も巻き添えにして爆破を行う気だろう。」

「まさか、四国を破壊して、自分たちの仲間まで犠牲にして原石を入手するつもりか!?」

 キーンが声を荒げる。

「イルエスタにとっては、俺らなんてその程度の存在なんだろうな。」

 手紙を握りつぶすと、ミクシアがこぶしに力を込めた。

 そして、もう一通、手紙を取り出す。

「これは、ディアルトにだ。」

 受け取ったディアルトは、それをじっと見つめると首を傾げた。

「難しい字は読めない。読んでよ。」

 ミクシアに手紙を返す。

「アイスレリア付近でイルエスタへ連行された者の情報はないそうだ。」

「え?どういうこと?父さんとかは?」

「うん、全く情報がないみたいだな。少なくともイルエスタの情報機関には。」

「よくわかんないけど、どういうこと?」

「俺もわからん。まあ、イルエスタまで、まだ到着していないのか、他のところに連れていかれたのか、道中何かあったのか。まあ、逃げたっていう可能性もある。うん。わからん。」

 不安な顔のディアルトにミクシアが首を傾げると、手紙をディアルトに渡した。

「文字の勉強をして、自分で読めるようになれ。」

「そんなぁ。わかった。」

 手紙を大切に片付けた。
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