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43 赤き翼、最後の飛翔
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「・・・ん?」
「あれ?」
よくわからないまま、全員が無言の状態で少し待つと、レンとディアルトが風で流されるように滑空しながら戻ってくる。
「おい、どうなった!?」
ミクシアが駆け寄る。
「船に直撃した!」
ディアルトが叫ぶように異常に興奮して告げると、急にぎゅっと目を瞑ってからだを震わせ、両膝を地面についてから、ゆっくりと倒れ込む。
「おい、どうした?」
ミクシアが心配そうに、地面にうずくまるディアルトをじっと見つめる。
「火の原石が・・・熱い・・・ぐぁぁ・・。」
ディアルトが倒れ込み、胸をかきむしるように暴れる。
「おい、どうした!?」
ミクシアがディアルトを抑えつける。
「船に直撃したけど、その後ろに小さな頑丈な金属の船みたいのがあって、そっちだったんだ。」
レンが代わりに落ち着いて話す。
「何が?」
「原石。火の原石と水の原石が繋ぎ合わされていた。大きな船は沈んだけど、そっちの小さい船はこっちに向かってる!」
「・・・やられた。船はフェイクか。その後ろに原石が。距離をずらされた。」
ミクシアが地面に両膝をついて、倒れているディアルトを両手で支える。焦る手が震えていた。
「もう一発いけるか!?」
ララが首を振る。
「どこを狙ったらいいかわからないし。」
キーンも首を振る。
「さっきの爆撃砲で砲筒が破損した。替えの部品も無い。」
「そうか。おおよそでいい、位置はわかるか?」
ミクシアが地図を広げる。
「船の推進力が変わったから正確にはわかりませんが、大体でよければこの辺りだと。」
マスモが予想から位置を割り出す。
「そこらへんだな。わかった。レンを借りるぞ。」
ミクシアがポンポンと、まだ原因不明の苦しみに耐えるディアルトを撫でる。
「ん?何?」
心配そうにディアルトを見つめていたレンが小さく翼を羽ばたかせる。
「最後の悪あがきをさせてくれ。」
手には、小さい弾丸に色々と機能を加えた兵器。
「小型の爆弾だ。こいつを上空から投下して破壊する。」
「僕も一緒に行く。」
ディアルトが少し意識が飛んだ表情で立ち上がる。
「駄目だ。」
「じゃあ、レンは貸さない。」
「あのな、頼む。」
「原石が呼んでいるんだ。」
「後からにしてくれ。先に俺だ。」
「嫌だ。」
「時間がないんだ!!!」
ミクシアがディアルトの頭をぎゅっと掴む。
「だったら、これ使えば?」
ララが結んで輪にしたロープをレンの首にかけた。
「レン、あなたなら二人とも運べるでしょ?」
「あのな、邪魔なんだよ。」
「さっきからずっと見ていた。その小さな弾丸の中身。私の目は節穴じゃない。そして私はあなたよりも設計に関しては優れている。」
ララが真顔で、恐ろしい顔をする。
「わかった。二人で行く。これでいいだろ。」
ミクシアがその小さな弾丸を腹に縛り付けると、レンの垂らしたロープを握る。
「レン、行こう。」
少し落ち着きを取り戻したディアルトがレンの前で頭を撫でる。
レンがうなずく。
レンが羽を広げると、深紅のからだが闇の中で赤く輝く。
さらに一回り大きくなったように感じる。
「じゃあ行くよ。風が強いから振り落とされないでね。」
「わかった。」
その場で3回大きく羽ばたくと、地面を強く蹴ってすぐに上空へと舞い上がった。
大きく強い翼は飛行を安定させる。
「場所はわかるか?」
ディアルトが揺れるロープを必死に握る。
「火の原石の独特な気配があるんだ。呼び寄せられるようだよ。」
ディアルトが息を吐くと、その位置をレンに伝える。
「大丈夫、僕にもわかる。翼がビリビリする。」
レンが高く昇ると、羽を固定して滑空させ、風を切りながら火の原石のある位置へと急いだ。
レンの両足に掴まるディアルトとレンの首にかけたロープを握るミクシアが波で揺れる海面を必死に探す。
「あれだ。」
レンが急降下すると、無人の小さな船を発見する。
黒色の金属製で、船というより箱である。
上部が開いていて、赤く輝く石と青く輝く石がわずかに接触しない絶妙な距離で固定されており、それらを結びつける配線が色々設置されている。
牽引する船が破壊されたにもかかわらず、なぜか一直線にラン大陸へと向かっていく不思議な現象。
波に揺られながら、確実にラン大陸へと移動していた。
赤い石と青い石が互いに呼び合う様に共鳴して、不思議な、身が裂かれそうな光を発していた。
「あれ?」
よくわからないまま、全員が無言の状態で少し待つと、レンとディアルトが風で流されるように滑空しながら戻ってくる。
「おい、どうなった!?」
ミクシアが駆け寄る。
「船に直撃した!」
ディアルトが叫ぶように異常に興奮して告げると、急にぎゅっと目を瞑ってからだを震わせ、両膝を地面についてから、ゆっくりと倒れ込む。
「おい、どうした?」
ミクシアが心配そうに、地面にうずくまるディアルトをじっと見つめる。
「火の原石が・・・熱い・・・ぐぁぁ・・。」
ディアルトが倒れ込み、胸をかきむしるように暴れる。
「おい、どうした!?」
ミクシアがディアルトを抑えつける。
「船に直撃したけど、その後ろに小さな頑丈な金属の船みたいのがあって、そっちだったんだ。」
レンが代わりに落ち着いて話す。
「何が?」
「原石。火の原石と水の原石が繋ぎ合わされていた。大きな船は沈んだけど、そっちの小さい船はこっちに向かってる!」
「・・・やられた。船はフェイクか。その後ろに原石が。距離をずらされた。」
ミクシアが地面に両膝をついて、倒れているディアルトを両手で支える。焦る手が震えていた。
「もう一発いけるか!?」
ララが首を振る。
「どこを狙ったらいいかわからないし。」
キーンも首を振る。
「さっきの爆撃砲で砲筒が破損した。替えの部品も無い。」
「そうか。おおよそでいい、位置はわかるか?」
ミクシアが地図を広げる。
「船の推進力が変わったから正確にはわかりませんが、大体でよければこの辺りだと。」
マスモが予想から位置を割り出す。
「そこらへんだな。わかった。レンを借りるぞ。」
ミクシアがポンポンと、まだ原因不明の苦しみに耐えるディアルトを撫でる。
「ん?何?」
心配そうにディアルトを見つめていたレンが小さく翼を羽ばたかせる。
「最後の悪あがきをさせてくれ。」
手には、小さい弾丸に色々と機能を加えた兵器。
「小型の爆弾だ。こいつを上空から投下して破壊する。」
「僕も一緒に行く。」
ディアルトが少し意識が飛んだ表情で立ち上がる。
「駄目だ。」
「じゃあ、レンは貸さない。」
「あのな、頼む。」
「原石が呼んでいるんだ。」
「後からにしてくれ。先に俺だ。」
「嫌だ。」
「時間がないんだ!!!」
ミクシアがディアルトの頭をぎゅっと掴む。
「だったら、これ使えば?」
ララが結んで輪にしたロープをレンの首にかけた。
「レン、あなたなら二人とも運べるでしょ?」
「あのな、邪魔なんだよ。」
「さっきからずっと見ていた。その小さな弾丸の中身。私の目は節穴じゃない。そして私はあなたよりも設計に関しては優れている。」
ララが真顔で、恐ろしい顔をする。
「わかった。二人で行く。これでいいだろ。」
ミクシアがその小さな弾丸を腹に縛り付けると、レンの垂らしたロープを握る。
「レン、行こう。」
少し落ち着きを取り戻したディアルトがレンの前で頭を撫でる。
レンがうなずく。
レンが羽を広げると、深紅のからだが闇の中で赤く輝く。
さらに一回り大きくなったように感じる。
「じゃあ行くよ。風が強いから振り落とされないでね。」
「わかった。」
その場で3回大きく羽ばたくと、地面を強く蹴ってすぐに上空へと舞い上がった。
大きく強い翼は飛行を安定させる。
「場所はわかるか?」
ディアルトが揺れるロープを必死に握る。
「火の原石の独特な気配があるんだ。呼び寄せられるようだよ。」
ディアルトが息を吐くと、その位置をレンに伝える。
「大丈夫、僕にもわかる。翼がビリビリする。」
レンが高く昇ると、羽を固定して滑空させ、風を切りながら火の原石のある位置へと急いだ。
レンの両足に掴まるディアルトとレンの首にかけたロープを握るミクシアが波で揺れる海面を必死に探す。
「あれだ。」
レンが急降下すると、無人の小さな船を発見する。
黒色の金属製で、船というより箱である。
上部が開いていて、赤く輝く石と青く輝く石がわずかに接触しない絶妙な距離で固定されており、それらを結びつける配線が色々設置されている。
牽引する船が破壊されたにもかかわらず、なぜか一直線にラン大陸へと向かっていく不思議な現象。
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