炎光に誘われし少年と竜の蒼天の約束 ヴェアリアスストーリー番外編

きみゆぅ

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44 ごめん

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 レンの両足に掴まるディアルトとレンの首にかけたロープにつかまるミクシア。
「潮流から推測すると、このまま放っておけばラン大陸に到着する。ここでなんとかしないと被害が甚大だ。」
「どうするの?」
 焦りからか、早口になるミクシアに、反対におちついたディアルトがうなずいた。

「俺が解体する。降ろしてくれ。」

「できるの?」

「やるしかないだろう。お前たちは戻ってあいつらに避難するように言ってくれ。」

「本当に?」

「頼む。俺ならどうにかできる。」

「どうやって戻るのさ?」

「明日になったら探してくれ。」

「・・・本当に?」

「俺はチャクミの王子だ。あいつらは俺の国の民だ。王子が民を困らすことを絶対にやってはいけない。ただ、それだけだ。」

「それ、エクシアが言ってた。」

「そうか。じゃあ、わかってくれるよな?」

「絶対わからない。わかりたくも無い。」

「別にわかってもらわなくても構わない。時間がない。じゃあ、頼んだぞ。レン、高度を下げてあの箱に近づいてくれ。」
 ミクシアに言われた通り、レンが海面近くまで高度を下げる。

 赤と青の異常な程輝く石が眩しい。身が震える。怖い。

「さて、後は頼む。あいつらによろしく言っておいてくれ。」
 ミクシアがその金属の箱に飛び移る。
 その衝撃で軽く金属の箱が揺れるが、それをバランスを保って動かさないようにする。
「よし、ここから離れてくれ。あいつらに急いで港から離れるように伝えるんだ。」

「ちょっと待って!」
 レンに片手でぶら下がり、片手を伸ばすディアルト。

「レン!行け!!」
 その勢いに押されるようにレンが強く羽ばたくと再び高度を上げた。

「どうしよう。」
 ディアルトが震えながら、その上空で波に揺られる金属の箱を眺める。

「・・・」
 レンが黙ったまま、同じように金属の箱を眺めていた。

「さてと、やるか。」
 ミクシアが金属の箱に座り、体勢を安定させる。
 目の前には、自分の拳よりも少し大きいぐらいの2つの原石、赤色に輝く石と青色に輝く原石が、僅かに触れる距離で設置されていた。

「なかなか綺麗なものだな。」

 青色の原石に手を近づけると、わずかに霜が手に付着する。

 赤色の原石に手を近づけると、焼けるように手が厚くなった。

 まず、その原石同士が触れないように、原石と原石の間に木製の板をはめ込む。
 手がプルプルと震えるのと波の揺れが本当に怖かった。
「ふぅ、なんとかなるか。」

 焦げ臭い。

 火の原石に触れる側がすぐに黒く変色して煙が立ち昇る。
 ミクシアが慌てて木の板を外すと、その焦げた個所を見つめて、海に放り投げた。

「そう簡単にはいかないか。」

 次にミクシアは原石が設置された台を、手に持ったドライバーを使って丁寧に外していく。

「はぁ。こんなことをしているのか。」
 原石から配線が複雑に伸びていて、その一本が金属の箱の底にあるプロペラの動力源になっていた。
 その配線を一本一本丁寧に解析していくと、その複雑な体系がなんとなく理解できてくる。

「そうか。このプロペラが止まると原石を挟む左右の金属板が火の原石と水の原石を一気に重なり合わせて潰すという仕組みか。粗悪なタイマーじゃない、よくできている。各々の原石のちからで左右の金属板を固定しているのか。」

 配線の回路を思い浮かべ、対策を考え込む。

「わずかに原石を触れただけでも、バランスが崩れて左右の金属板に挟まれて、火と水の原石が重なって破壊されるか。大爆発だな。」

 額の汗が垂れて火の原石に触れると、ジュっと音を立ててすぐに気化する。

 ビクッとミクシアが反応すると、三度深く息を吐いた。
「そして、この金属の箱も頑丈に溶接されて分解はできないと。うかつに箱を傾けるとプロペラが止まりそうだ。海に沈めることもできないか。」

 ミクシアが腕を組んで考え込む。
 そして笑う。

「あまり時間をかけるとラン大陸に近づきすぎてしまう。」
 小型の弾丸をじっと見つめる。

「エクシアごめん。イルエスタを討つことはできなかった。」
 原石をじっと見つめる。

「仇は打てなかった。残念だ。」
 ミクシアがその小型の弾丸を水の原石と火の原石に触れる距離まで近づけた。
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