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救出作戦開始
7.石油コンビナート
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「コンビナートって海沿いよね。水が大量に必要になるんじゃない?」
「そうだな…」
リョウの街は、農業が主力なので、いくつかの川と用水路網が整備されていたが、コンビナートを支えるほどの工業用水はなさそうだった。
「どうやって輸出、あ、まだ国じゃないから移出するの? それができなきゃ利益が上がらない。投資は回収できないんじゃないかな」
ジャニスの疑問はもっともだった。しかし、リョウには解決策が漠然と見えていた。
「パイプラインがあるよ。中東もシベリアもほとんどはパイプラインだ。『メガロポリス』に昇格して、『プレミアム』と接することになったら、多分、このパイプラインを敷設した場所でくっつくはずだよ。そう考えておけば、攻守の戦略も立てやすくなる」
「埋蔵場所はどの辺りなの」
リョウは自分の町の全体図を表示した。石油は町の北東の外れ、石炭と天然ガスもほとんど同じ場所だ。金属などの鉱物資源は、町内のいろいろな場所に偏在している。
「とりあえず、石油と天然ガスを移出するパイプラインを市街地とは反対側の方向に敷設する。そうすれば、『プレミアム』は遠い場所から攻めざるをえない。コンビナートは大量に取水できる場所に作るよ。だいたいこの辺りかな」
そう言ってリョウは、町の南側にある地点を指した。そこは2つの川が合流している地点で、リョウの町では最も水に恵まれていそうな場所だった。
「さあ、まずは予算を組まなくちゃ」
ジャニスが嬉しそうに言った。
「なんだか、このゲームにハマってきたみたいだね」
リョウはジャニスの生き生きとした表情を見て言った。ジャニスは少しばつの悪そうな顔をした。
「悔しいけど、リョウやヨッシーが熱中したのが、分かる気がしてきたわ。自分の思うままに街を作って、うまくいくのって、なかなか気分がいいものね」
リョウは笑った。このゲームを不気味がっていたジャニスが、事情はともあれ、ゲームを楽しんでいる。
「でも、楽しんでばかりもいられないわね。どういう風に予算を組むつもりなの。もう貯金は残っていないでしょう」
リョウは即答した。
「自前で造るには費用がかかりすぎる。これこそ企業誘致しかない。普通の企業誘致には苦戦すると思うけど、この業種なら競争相手がいないから大丈夫じゃないかな」
そういいながら、リョウはファンクションボタンを押して、「企業進出を打診する」という項目を選んだ。ものの数分で、石油化学工業の数社が名乗りを上げ、採掘施設とコンビナートを建設することが決まった。パイプラインもその会社が敷設するだろう。
「あ、すごい」
ジャニスが声を上げるのと同時に、リョウも気が付いた。「リョウⅣ」の人口が一気5万人台から7万人に増えた。
「そろそろスピードアップしても大丈夫だな」
リョウはゲームのスピードを10倍に上げた。これで「リョウⅣ」は1時間に10年が進むことになる。それからの「リョウⅣ」は、見る見るうちに人口カウンターが上がり、画面上の街並みは劇的に変貌していった。
採掘施設とコンビナートのアウトラインは、ものの10分ほどで完成した。パイプラインは30分ほどかかったから、完成には5年を要したことになる。町中には、大手石油会社やゼネコンの支社が立ち並んだ。リョウは税収を上げるために、町内の建設業者をてこ入れして、大手ゼネコンと共同企業体を組ませて、それらの施設の工事を受注させた。
「そうだな…」
リョウの街は、農業が主力なので、いくつかの川と用水路網が整備されていたが、コンビナートを支えるほどの工業用水はなさそうだった。
「どうやって輸出、あ、まだ国じゃないから移出するの? それができなきゃ利益が上がらない。投資は回収できないんじゃないかな」
ジャニスの疑問はもっともだった。しかし、リョウには解決策が漠然と見えていた。
「パイプラインがあるよ。中東もシベリアもほとんどはパイプラインだ。『メガロポリス』に昇格して、『プレミアム』と接することになったら、多分、このパイプラインを敷設した場所でくっつくはずだよ。そう考えておけば、攻守の戦略も立てやすくなる」
「埋蔵場所はどの辺りなの」
リョウは自分の町の全体図を表示した。石油は町の北東の外れ、石炭と天然ガスもほとんど同じ場所だ。金属などの鉱物資源は、町内のいろいろな場所に偏在している。
「とりあえず、石油と天然ガスを移出するパイプラインを市街地とは反対側の方向に敷設する。そうすれば、『プレミアム』は遠い場所から攻めざるをえない。コンビナートは大量に取水できる場所に作るよ。だいたいこの辺りかな」
そう言ってリョウは、町の南側にある地点を指した。そこは2つの川が合流している地点で、リョウの町では最も水に恵まれていそうな場所だった。
「さあ、まずは予算を組まなくちゃ」
ジャニスが嬉しそうに言った。
「なんだか、このゲームにハマってきたみたいだね」
リョウはジャニスの生き生きとした表情を見て言った。ジャニスは少しばつの悪そうな顔をした。
「悔しいけど、リョウやヨッシーが熱中したのが、分かる気がしてきたわ。自分の思うままに街を作って、うまくいくのって、なかなか気分がいいものね」
リョウは笑った。このゲームを不気味がっていたジャニスが、事情はともあれ、ゲームを楽しんでいる。
「でも、楽しんでばかりもいられないわね。どういう風に予算を組むつもりなの。もう貯金は残っていないでしょう」
リョウは即答した。
「自前で造るには費用がかかりすぎる。これこそ企業誘致しかない。普通の企業誘致には苦戦すると思うけど、この業種なら競争相手がいないから大丈夫じゃないかな」
そういいながら、リョウはファンクションボタンを押して、「企業進出を打診する」という項目を選んだ。ものの数分で、石油化学工業の数社が名乗りを上げ、採掘施設とコンビナートを建設することが決まった。パイプラインもその会社が敷設するだろう。
「あ、すごい」
ジャニスが声を上げるのと同時に、リョウも気が付いた。「リョウⅣ」の人口が一気5万人台から7万人に増えた。
「そろそろスピードアップしても大丈夫だな」
リョウはゲームのスピードを10倍に上げた。これで「リョウⅣ」は1時間に10年が進むことになる。それからの「リョウⅣ」は、見る見るうちに人口カウンターが上がり、画面上の街並みは劇的に変貌していった。
採掘施設とコンビナートのアウトラインは、ものの10分ほどで完成した。パイプラインは30分ほどかかったから、完成には5年を要したことになる。町中には、大手石油会社やゼネコンの支社が立ち並んだ。リョウは税収を上げるために、町内の建設業者をてこ入れして、大手ゼネコンと共同企業体を組ませて、それらの施設の工事を受注させた。
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