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本編
07.感情と衝動で物を語るな!! 私はそう言いたい
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ザワリと人の気配が揺らめいた。
人の視線が集まった。
ワイズ様とその連れの方の行動……そして、なぜか暴走するユリウス様の言動、それらはフェルト侯爵家の祝いの場と考えれば失礼で済まされるような問題ではありません。
とめるべき状況……ですよね?
幼い頃から、アイズお爺様は感情と衝動に支配されがちな、ワイズ様の制御をし、礼儀を守らせ、間違いを正させるよう……私に求めた。
また、殴られるのでしょうか……。
出来れば関係ないものにしたいのですが……そんなことを考え、私はいったん遠くへと視線を向け、私は溜息と共にワイズ様を見据えた。
ワイズ様の表情が明らかにひきつっている事から、自分のまき起こしたこの状況が、よろしくないことぐらいは理解しているようです。 いえ、事前にフェルト侯爵家の許可を得ようとしたぐらいですから、何かをやらかすだろうことは理解して、予防線を張った? その程度の知恵は回るようになりましたか……。
アイズお爺様がお亡くなりになって半年。
クルール公爵夫婦が『屋敷から出ていけ』と私を追いだした事は、余程、貴族社会に疎い者でない限りは知っているはずです。 貴族社会とはそういうものでございます。
ですので少女の発言が『嘘』であることは、ここにいる大半の者が理解しているのですよ。 少女の発言を、嘘を嘘と見抜けない貴族は、所詮はその程度なのだと笑われるだけ……それが貴族社会と言うものですわ。 だから、私は相手にする気等ございませんでしたの。
なのに……。
「シアさんが、そんな事をするわけなどない!! オマエは嘘をついている!」
ユリウスが言いきった。
真実を知らないユリウスが、惚れたと言う理由だけで、シアの味方になる。 ソレを心強いと思える訳などない。 ユリウスがシアを信用すると言うことは、言い換えればソレはワイズが少女を信頼すると言うことに変わりないのだ。
人の感情、思い込み、なんて恐ろしい!!
「とにかく、フェルト侯爵家にとって喜ばしいこの日を祝う場。 余りにも勝手に騒ぎ立てては、申し訳ないと言うものですわ。 私、お先に失礼させて頂きます」
私は、両殿下に頭を下げ、口だけを動かした『お任せします』と、別に全てを任せ解決しろと言っているのではなく、ただ、フェルト侯爵の迷惑にならないよう収めて欲しいと言う意味合いであり、幼馴染と言う程度には付き合いも長いため、分かったとばかりに両殿下は頷いて見せた。
「あら、自分の都合の悪い話をされるのは、聞いていられないって訳? 当然よね……アナタのしたことは人としての配慮にかけ、思いやりにかけ、嫌われるには十分ですもの。 自分が軽蔑の視線を向けられると言うのが耐えられないのでしょう? 私、分かりますわ。 だって、私、アナタと違って人に配慮できる人間ですもの」
ずっとワイズ様に縋りつき隠れていた姿が、私の背を追うように私をおいかけ、去ろうとする私の肩を掴もうとすれば、ワイズ様がその手をピシャリと叩いた。
「っ! 痛い!! 痛い痛い痛い痛いですわぁあああ!! 何をなさるんですか!!」
ワイズに突然叫びだす女性。
オロオロと狼狽えながら、ワイズはオズオズと言う。
「ぇ、あ、すまない……ただ、その……無暗やたらと人に触れると言うのは、社交界的なルールに反し、人を不快にする行為だから辞めた方がいい……」
ワイズ様は感情のコントロールが下手なら、上手く話すことが出来ず直ぐに手が出る方、今でこそ力の加減も出来るようになったこともあり、ワイズ様の連れである女性の手は叩かれはしましたが、赤くなることもなく済んだようです。
厄介ごとが増えずに済んで良かったですわ。
私はそう思いましたが、少女は泣き、髪を振り乱し、床に座りこみ泣き出した。
「そんな事、言葉で言ってくださればよいじゃないですの!! カヨワイ女性に暴力を振る男なんて最低の最低で最低な行為ですわ!!」
暴力に対しては私もそう思うが……それ以上に彼女の行動が、本気でフェルト侯爵に申し訳ないと思ってしまう訳で……。 私は溜息を一つついて、ワイズ様を見た。
「ワイズ様、アナタがフェルト侯爵と取引をして、彼女の社交界デビューの場につかわせて頂こうと取引したと言うのは理解しておりますが。 本日の主役は小さな小さな生まれたばかりの子が主役。 これは少々やりすぎではございませんこと? お爺様は他人に迷惑をかけることを何より嫌っておりましたわよね?」
そう告げれば、大きな身体をシュンとさせる。
「連れの方と共に屋敷にお戻りなさいませ」
「分かった……。 皆様、この場を荒らした事大変申し訳ございませんでした。 謹んで謝罪の言葉と返させて頂きます」
そうワイズ様が頭を下げれば、一応世間体的には妻であるのだからと、私も謝罪を行い、その場を後にする事にしたのでした。
まぁ……、ワイズ様の連れは延々と暴れ続けていましたけど、肩に担がれ去っていく様子はなんといっていいのか……。
何も見なかった、聞かなかった、知らなかった。 私はそんな風に自分に暗示をかけ、被害者ぶることを徹底した。
数日後には、面白い噂話がゴシップとして取り上げられ、そして色々な真実が表ざたとなることでしょう。
人の視線が集まった。
ワイズ様とその連れの方の行動……そして、なぜか暴走するユリウス様の言動、それらはフェルト侯爵家の祝いの場と考えれば失礼で済まされるような問題ではありません。
とめるべき状況……ですよね?
幼い頃から、アイズお爺様は感情と衝動に支配されがちな、ワイズ様の制御をし、礼儀を守らせ、間違いを正させるよう……私に求めた。
また、殴られるのでしょうか……。
出来れば関係ないものにしたいのですが……そんなことを考え、私はいったん遠くへと視線を向け、私は溜息と共にワイズ様を見据えた。
ワイズ様の表情が明らかにひきつっている事から、自分のまき起こしたこの状況が、よろしくないことぐらいは理解しているようです。 いえ、事前にフェルト侯爵家の許可を得ようとしたぐらいですから、何かをやらかすだろうことは理解して、予防線を張った? その程度の知恵は回るようになりましたか……。
アイズお爺様がお亡くなりになって半年。
クルール公爵夫婦が『屋敷から出ていけ』と私を追いだした事は、余程、貴族社会に疎い者でない限りは知っているはずです。 貴族社会とはそういうものでございます。
ですので少女の発言が『嘘』であることは、ここにいる大半の者が理解しているのですよ。 少女の発言を、嘘を嘘と見抜けない貴族は、所詮はその程度なのだと笑われるだけ……それが貴族社会と言うものですわ。 だから、私は相手にする気等ございませんでしたの。
なのに……。
「シアさんが、そんな事をするわけなどない!! オマエは嘘をついている!」
ユリウスが言いきった。
真実を知らないユリウスが、惚れたと言う理由だけで、シアの味方になる。 ソレを心強いと思える訳などない。 ユリウスがシアを信用すると言うことは、言い換えればソレはワイズが少女を信頼すると言うことに変わりないのだ。
人の感情、思い込み、なんて恐ろしい!!
「とにかく、フェルト侯爵家にとって喜ばしいこの日を祝う場。 余りにも勝手に騒ぎ立てては、申し訳ないと言うものですわ。 私、お先に失礼させて頂きます」
私は、両殿下に頭を下げ、口だけを動かした『お任せします』と、別に全てを任せ解決しろと言っているのではなく、ただ、フェルト侯爵の迷惑にならないよう収めて欲しいと言う意味合いであり、幼馴染と言う程度には付き合いも長いため、分かったとばかりに両殿下は頷いて見せた。
「あら、自分の都合の悪い話をされるのは、聞いていられないって訳? 当然よね……アナタのしたことは人としての配慮にかけ、思いやりにかけ、嫌われるには十分ですもの。 自分が軽蔑の視線を向けられると言うのが耐えられないのでしょう? 私、分かりますわ。 だって、私、アナタと違って人に配慮できる人間ですもの」
ずっとワイズ様に縋りつき隠れていた姿が、私の背を追うように私をおいかけ、去ろうとする私の肩を掴もうとすれば、ワイズ様がその手をピシャリと叩いた。
「っ! 痛い!! 痛い痛い痛い痛いですわぁあああ!! 何をなさるんですか!!」
ワイズに突然叫びだす女性。
オロオロと狼狽えながら、ワイズはオズオズと言う。
「ぇ、あ、すまない……ただ、その……無暗やたらと人に触れると言うのは、社交界的なルールに反し、人を不快にする行為だから辞めた方がいい……」
ワイズ様は感情のコントロールが下手なら、上手く話すことが出来ず直ぐに手が出る方、今でこそ力の加減も出来るようになったこともあり、ワイズ様の連れである女性の手は叩かれはしましたが、赤くなることもなく済んだようです。
厄介ごとが増えずに済んで良かったですわ。
私はそう思いましたが、少女は泣き、髪を振り乱し、床に座りこみ泣き出した。
「そんな事、言葉で言ってくださればよいじゃないですの!! カヨワイ女性に暴力を振る男なんて最低の最低で最低な行為ですわ!!」
暴力に対しては私もそう思うが……それ以上に彼女の行動が、本気でフェルト侯爵に申し訳ないと思ってしまう訳で……。 私は溜息を一つついて、ワイズ様を見た。
「ワイズ様、アナタがフェルト侯爵と取引をして、彼女の社交界デビューの場につかわせて頂こうと取引したと言うのは理解しておりますが。 本日の主役は小さな小さな生まれたばかりの子が主役。 これは少々やりすぎではございませんこと? お爺様は他人に迷惑をかけることを何より嫌っておりましたわよね?」
そう告げれば、大きな身体をシュンとさせる。
「連れの方と共に屋敷にお戻りなさいませ」
「分かった……。 皆様、この場を荒らした事大変申し訳ございませんでした。 謹んで謝罪の言葉と返させて頂きます」
そうワイズ様が頭を下げれば、一応世間体的には妻であるのだからと、私も謝罪を行い、その場を後にする事にしたのでした。
まぁ……、ワイズ様の連れは延々と暴れ続けていましたけど、肩に担がれ去っていく様子はなんといっていいのか……。
何も見なかった、聞かなかった、知らなかった。 私はそんな風に自分に暗示をかけ、被害者ぶることを徹底した。
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