離縁は計画的に、恋は衝動的に、本当は愛していたんだと言われましても困ります

私『シア・グリフィス』には、物心つく前から婚約者が定められていました。
未来の公爵となられる『ワイズ・クルール』様。

ワイズ様の父君を祖父が救い、ソレによって私の父の命を救う事が出来なかったと言う負い目から、当時のクルール公爵家当主『アイズ』様が、私とお孫様のワイズ様との間に婚約をお決めになられたのです。

ですが、そこには祖父に対する恩だけではなく、アイズ様にはアイズ様の思惑があられたのです。

とは言え、世間は『自由恋愛』『真実の愛』が流行りの真っ最中。

婚約者のワイズ様は、私との政略結婚が気に入らなかったようで……。

結婚式当日、我慢しきれなかった彼は私にこう言いました。

『この婚姻、オマエの方から皆の前で破綻させろ』

私、その申し出お断りしましたの。

愛情? 違いますわ。 だって、色々と都合が悪かったのですもの。
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