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番外 元さや【R-18】
12.接触
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ソファの上に横になりグッタリしていると、ワイズ様が水を持ってくる。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
身体を起こそうとすれば、ワイズ様が私の身体を支え起こし横に座った。 会話をするなら正面の席の方が適切だろうけれど、何をするのでしょう?
「横、失礼しますね」
ワイズ様は私の背に腕を回して身体とグラスを支え、水をこぼさないように飲ませてくれた。 手取り足取りと言うべきか、余りのかいがいしい様子に呆れるほどだ。
背に回され肩に触れている大きな手に僅かに力が入れられたような気がした。
「ぇ?」
視線をあげれば、真剣な顔でワイズ様は見つめてくる。
「あの? どうされたのですか?」
「新しい生活を築いていらしたと言うのに、余計な事をして申し訳ありませんでした」
「そんなこと……」
「怒っていないのですか?」
「怒る訳ありません……一緒にいてくれて助かりました。 今まで、周囲の方々は私に頭を下げ、私に配慮してくれていたのですね……あらためて知る事ができました。 自分が決して強くはないのだと」
別に大声を出された訳でも、脅された訳でもなく、ただ私の都合を配慮してくれないと言うだけで、私は人を恐れてしまっていた。
怖かった。
私は、今、酔っているから……。
そう自分に言い訳しながら、心細いママにワイズ様に身体をもたれかける。
「大丈夫ですか?」
「怖かったんです」
「えぇ、そうでしょうね」
そっと大きな手が私の手に触れ、重ねられ、指を絡められれば、初めて気づいたのです。 私は震えていたのだと、酒を飲んでいて体温が上がっているはずなのに、指先は冷たくなっているのが、ワイズ様との体温さでわかりました。
「平気ですよ。 私が話しをつけてきますよ」
そう言われれば、不思議な気持ちになった。 不器用で、お馬鹿で、いつもお爺様に叱られていたばかりの人とは到底思えなくて、同じ人間なのでしょうか? そんな疑問から、髪や頬に触れてみる。
「えっと、何をなさっているんですか?」
ワイズ様が明らかに戸惑っていた。
「私のしっているワイズ様なのかと疑わしくて」
「確認しますか?」
「確認?」
「えぇ」
優しい微笑みに私は微笑みを返す。 そこに意味はなく、私の笑みはただ釣られただけ。 だけど、服のボタンをはずしだすワイズ様を見てソファから落ちそうになってしまった。
「な、なななにを」
ワイズ様から触れることはないのだけど、2人キリにもかかわらず彼は耳元で囁いた。
「自分でつけた傷なら、覚えているでしょう?」
首筋、鎖骨、肩、胸元を見せつけてくる。
大小数多くの傷跡。
嫌だと思いながら、嘆きながら、打っていた鞭。 私は彼に付けた傷を後悔と涙と共に覚えている。
小さな傷。
嫌で嫌で、誤魔化すように打った鞭、
『シアは、力が足りないようですね』
そう言って、お爺様は刃付きの無知を私に与えた。 出来ないと言えば、ではと言ってお爺様が代わりに打とうとした。 細い枯れ枝のような手をしたお爺様だが、私が全力で鞭打つよりもお爺様が気まぐれに打つ方が危険なことは知っていた。 だから……。
『私が……』
覚えている。
コレも、コレも、もう痛みがないほどに時がたっているのだと思う。 けれど、その肌が柔らかく細い少年だったころを思い出せば、当時の痛々しさを思い出してしまう。
衝動的に私はその傷口に口づけ、傷を癒す獣のように傷を舐めた。 そんなことをして消える傷ではないことは十分に知っている。
はぁ……
何故か身体が熱い……。
チュッと口づけてピチャリと唾液を絡めた舌先で胸に大きくついた傷跡を舐めれば、はぁ……と、溜息のようなワイズ様の熱い吐息が、私の耳を刺激した。 さわさわと傷に触れ口づけ、意味のない行為なのに、私はソレを繰り返し、ワイズ様はソレを止めようとはしない。
服のボタンをはずし、腹部へと視線、指先、唇が降りていく。 視線の先には、明らかに興奮し大きくなったモノが見え、見ていない振りをすれば、それに気づかれたのか吐息にクスッと笑い声が混ざっていた。
「ねぇ、この傷には覚えがありませんわ」
一際大きな傷は、腹部を横一線されていた。
「それは、戦闘の小競り合いで……」
「でも、知らないわ」
「ジジイが弱ってからですからね」
「消さないの?」
「消してもいいのですが、アナタから頂いたアイテムを使うのはもったいない」
「では、後で……消させてください」
すねたように言えば、笑われ、だけど同意された。
「いいですよ。 あと、私も触れていいですか?」
耳元の甘い囁き。
言われれば、私はワイズ様の身体を好きにしているだけで、ワイズ様は私には一切ふれないようにしていることを知った。
「エッチな事は嫌ですわよ?」
ワイズ様は返事なく笑い、私の頬に触れ、反対側の頬に自分の頬を近寄らせ、私の匂いを嗅ぐ。
「シア……」
甘い声に胸の奥がぞくっと震えるようだった。 頭の中がしびれるようで……。 それは欲望とも欲情とも言え、ただ……目の前の存在が欲しいと思ってしまう。
ソファの上に膝で立とうとすれば柔らかなクッションでグラリと倒れそうになり、抱きしめられる。
「どうしたんですか?」
甘い声。
その声を、他の誰かにも聞かせたのかと思えば嫉妬を覚えて、首元に口づけし舌先で舐め、歯をたてる。
くっ……。
ワイズ様の口から洩れる声は、痛みを伴う声なのに甘く感じ、それが、また、私の嫉妬心を煽る。 それでも、傷を残さない程度の理性はあり、チュッとキツク吸い付く程度に抑えておいた。
ぁ、はぁ……。
甘い息に、私も熱を帯びていくような気がした。
「ワイズ様」
「なんですか?」
恍惚とした表情で、ワイズ様は私を見下ろし頬を撫でる。
「口づけをしてみてもいいですか?」
ワイズ様が驚いた様子で目を見開き、そして笑った。
「えぇ」
ワイズ様は私の身体を支え、私はワイズ様の唇に自分の唇を合わせ、そして唇をはなす。 それは王宮のアチコチで行われていた情事とは何か違う気がした。
「こんな感じなのね」
つい退屈そうに言ってしまえば、
「そんな風に言われれば、切ないというものです」
「だって……」
甘えるように、はだけたままの胸に身体を預ければ、ユックリとした手つきで唇を撫でられた。
「何?」
「初めての口づけ?」
「そうね、記憶がある限りは」
「あのジジイとは?」
「ご挨拶で頬にはしていたけれど、唇にはしたことはありませんわ」
いったい何を言っているのかと思えば、唇を撫でる指がユックリと口内に差し入れられる。
「ぇ?」
「触れてもいいと、許可を頂いたので」
クスッと意地悪く目元が笑っていた。 歯列を撫でられ、奇妙なくすぐったさを覚え身じろぎする。
「なんか、やだ」
そう声に出したすきに、太く筋張った指が口の中にいれられ、舌先が撫でられた。 口の上部、舌の裏側、上を向かされれば、慈悲深い司祭様の顔で微笑みを浮かべ、細めた瞳には陶酔した色が見え、煽られるように呼吸が荒くなる。
はぁ……んっ、っくふ、ボンヤリしている頭の中で、気付けば私は必死にワイズ様の指を舐めていた。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
身体を起こそうとすれば、ワイズ様が私の身体を支え起こし横に座った。 会話をするなら正面の席の方が適切だろうけれど、何をするのでしょう?
「横、失礼しますね」
ワイズ様は私の背に腕を回して身体とグラスを支え、水をこぼさないように飲ませてくれた。 手取り足取りと言うべきか、余りのかいがいしい様子に呆れるほどだ。
背に回され肩に触れている大きな手に僅かに力が入れられたような気がした。
「ぇ?」
視線をあげれば、真剣な顔でワイズ様は見つめてくる。
「あの? どうされたのですか?」
「新しい生活を築いていらしたと言うのに、余計な事をして申し訳ありませんでした」
「そんなこと……」
「怒っていないのですか?」
「怒る訳ありません……一緒にいてくれて助かりました。 今まで、周囲の方々は私に頭を下げ、私に配慮してくれていたのですね……あらためて知る事ができました。 自分が決して強くはないのだと」
別に大声を出された訳でも、脅された訳でもなく、ただ私の都合を配慮してくれないと言うだけで、私は人を恐れてしまっていた。
怖かった。
私は、今、酔っているから……。
そう自分に言い訳しながら、心細いママにワイズ様に身体をもたれかける。
「大丈夫ですか?」
「怖かったんです」
「えぇ、そうでしょうね」
そっと大きな手が私の手に触れ、重ねられ、指を絡められれば、初めて気づいたのです。 私は震えていたのだと、酒を飲んでいて体温が上がっているはずなのに、指先は冷たくなっているのが、ワイズ様との体温さでわかりました。
「平気ですよ。 私が話しをつけてきますよ」
そう言われれば、不思議な気持ちになった。 不器用で、お馬鹿で、いつもお爺様に叱られていたばかりの人とは到底思えなくて、同じ人間なのでしょうか? そんな疑問から、髪や頬に触れてみる。
「えっと、何をなさっているんですか?」
ワイズ様が明らかに戸惑っていた。
「私のしっているワイズ様なのかと疑わしくて」
「確認しますか?」
「確認?」
「えぇ」
優しい微笑みに私は微笑みを返す。 そこに意味はなく、私の笑みはただ釣られただけ。 だけど、服のボタンをはずしだすワイズ様を見てソファから落ちそうになってしまった。
「な、なななにを」
ワイズ様から触れることはないのだけど、2人キリにもかかわらず彼は耳元で囁いた。
「自分でつけた傷なら、覚えているでしょう?」
首筋、鎖骨、肩、胸元を見せつけてくる。
大小数多くの傷跡。
嫌だと思いながら、嘆きながら、打っていた鞭。 私は彼に付けた傷を後悔と涙と共に覚えている。
小さな傷。
嫌で嫌で、誤魔化すように打った鞭、
『シアは、力が足りないようですね』
そう言って、お爺様は刃付きの無知を私に与えた。 出来ないと言えば、ではと言ってお爺様が代わりに打とうとした。 細い枯れ枝のような手をしたお爺様だが、私が全力で鞭打つよりもお爺様が気まぐれに打つ方が危険なことは知っていた。 だから……。
『私が……』
覚えている。
コレも、コレも、もう痛みがないほどに時がたっているのだと思う。 けれど、その肌が柔らかく細い少年だったころを思い出せば、当時の痛々しさを思い出してしまう。
衝動的に私はその傷口に口づけ、傷を癒す獣のように傷を舐めた。 そんなことをして消える傷ではないことは十分に知っている。
はぁ……
何故か身体が熱い……。
チュッと口づけてピチャリと唾液を絡めた舌先で胸に大きくついた傷跡を舐めれば、はぁ……と、溜息のようなワイズ様の熱い吐息が、私の耳を刺激した。 さわさわと傷に触れ口づけ、意味のない行為なのに、私はソレを繰り返し、ワイズ様はソレを止めようとはしない。
服のボタンをはずし、腹部へと視線、指先、唇が降りていく。 視線の先には、明らかに興奮し大きくなったモノが見え、見ていない振りをすれば、それに気づかれたのか吐息にクスッと笑い声が混ざっていた。
「ねぇ、この傷には覚えがありませんわ」
一際大きな傷は、腹部を横一線されていた。
「それは、戦闘の小競り合いで……」
「でも、知らないわ」
「ジジイが弱ってからですからね」
「消さないの?」
「消してもいいのですが、アナタから頂いたアイテムを使うのはもったいない」
「では、後で……消させてください」
すねたように言えば、笑われ、だけど同意された。
「いいですよ。 あと、私も触れていいですか?」
耳元の甘い囁き。
言われれば、私はワイズ様の身体を好きにしているだけで、ワイズ様は私には一切ふれないようにしていることを知った。
「エッチな事は嫌ですわよ?」
ワイズ様は返事なく笑い、私の頬に触れ、反対側の頬に自分の頬を近寄らせ、私の匂いを嗅ぐ。
「シア……」
甘い声に胸の奥がぞくっと震えるようだった。 頭の中がしびれるようで……。 それは欲望とも欲情とも言え、ただ……目の前の存在が欲しいと思ってしまう。
ソファの上に膝で立とうとすれば柔らかなクッションでグラリと倒れそうになり、抱きしめられる。
「どうしたんですか?」
甘い声。
その声を、他の誰かにも聞かせたのかと思えば嫉妬を覚えて、首元に口づけし舌先で舐め、歯をたてる。
くっ……。
ワイズ様の口から洩れる声は、痛みを伴う声なのに甘く感じ、それが、また、私の嫉妬心を煽る。 それでも、傷を残さない程度の理性はあり、チュッとキツク吸い付く程度に抑えておいた。
ぁ、はぁ……。
甘い息に、私も熱を帯びていくような気がした。
「ワイズ様」
「なんですか?」
恍惚とした表情で、ワイズ様は私を見下ろし頬を撫でる。
「口づけをしてみてもいいですか?」
ワイズ様が驚いた様子で目を見開き、そして笑った。
「えぇ」
ワイズ様は私の身体を支え、私はワイズ様の唇に自分の唇を合わせ、そして唇をはなす。 それは王宮のアチコチで行われていた情事とは何か違う気がした。
「こんな感じなのね」
つい退屈そうに言ってしまえば、
「そんな風に言われれば、切ないというものです」
「だって……」
甘えるように、はだけたままの胸に身体を預ければ、ユックリとした手つきで唇を撫でられた。
「何?」
「初めての口づけ?」
「そうね、記憶がある限りは」
「あのジジイとは?」
「ご挨拶で頬にはしていたけれど、唇にはしたことはありませんわ」
いったい何を言っているのかと思えば、唇を撫でる指がユックリと口内に差し入れられる。
「ぇ?」
「触れてもいいと、許可を頂いたので」
クスッと意地悪く目元が笑っていた。 歯列を撫でられ、奇妙なくすぐったさを覚え身じろぎする。
「なんか、やだ」
そう声に出したすきに、太く筋張った指が口の中にいれられ、舌先が撫でられた。 口の上部、舌の裏側、上を向かされれば、慈悲深い司祭様の顔で微笑みを浮かべ、細めた瞳には陶酔した色が見え、煽られるように呼吸が荒くなる。
はぁ……んっ、っくふ、ボンヤリしている頭の中で、気付けば私は必死にワイズ様の指を舐めていた。
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