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3章 ルシッカ伯爵領 中央都市
23.不法投棄者 03
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監視の結果、不法投棄は夕刻前に行われているのが分かった。 それも、大量に……。 多すぎるほどの量が投棄される。 もし、食事を依頼したとしても食べきれる量ではない。
「こういうのって、誰かが容易するって決まってないの? やりすぎなんだけど」
「決まっていますよ。 ヴァルツは食べ物に煩い人ですからね。 色々と食べさせてもらったうえで、依頼をしていましたよ」
「そうしたら、この無駄に破棄されている分の食材費用は、誰が負担しているの?」
「そういえば……」
そんな一言から始まったのは……、
金を寄越せと住民達に言われるのは、大抵領地を留守にした後だったと言う話だ。
「ということは、彼等は彼等なりの理屈を通した上、違うな……金を出せとただ言うには罪悪感がある?」
考えても、彼等の心理状況は理解できない。
「良く分からないなぁ。 でも、考える必要はないよね。 あの食品管理の仕方だと、私は商品を買いたいとは思わないし……ぁ……」
「どうかしましたか?」
「いえ、少し考えるので……」
もふっと伯爵の背に身を任せ、首筋をモフモフむにむにしていれば、伯爵は小さく溜息をつくけれど、私に身を任せされるままになっていた。
ここからは連想ゲームだ。
ようするに、スーパーの商品が売れない。 お金に困る。 商品の価格上げよう。 古くて高い商品を買うはずがない。 仕入れのお金がない。 助けてくれ!! この過程に……商品を置きに来ると言うのが入る。
でも、やっぱり不法投棄の理由がわからないや。
そんな訳で翌日、看板を掲げる事にした。
【不法投棄を禁止します
・危険な野生動物を招く
・病気蔓延の原因となる
このような危険性があります】
結果、住民は怒りだした。 声は聞こえないのだけど、とりあえず怒っているのは分かった。 でも、温かな地域で、生の食材を放置するって言うのは良くない事ですよね。
数日後、嫌がらせが悪化しましたよ!!
伯爵は妙にソワソワしていますが、
「とにかく落ち着いてください。 どうせ、仕入れが出来ないからと言って、お金を恵んでくださいと頭を下げる……下げていました?」
私は思わず尋ねた。
「いえ、領主として住民が困っているのだから当たり前だと、全てが……」
私は伯爵の薄い唇に軽く口づけた。
「ぇ?」
「まぁ、伯爵は悪くありませんよ。 賢くて可愛い私がいうのですから、絶対です!」
ニッコリ笑って適当を言い切った。
領主は、住民を助けるのが当たり前。
その当たり前をしないから、子供が売られ、そして死ぬ。
それは、あんまりにも乱暴な言いようではありませんか……。
そして数日後には、予想通り直談判が始まりました。 それも、子供達のみで、自分達を救ってくれ、見捨てるのかというやり方で……。
初日は見逃しましたが、翌日は警備隊の方々に警備をお願いしました。 何しろ彼等は領主に対して野生動物をけしかけ、疫病を広めようと言う悪人ですからね。
子供達は逃げ出し、その後、大人達が再登場です。
警備隊の方々は、危険性を大人達に語ってくれました。 聞けば、彼等は王都から遣わされている本格的な訓練を受け、疫病学等も学んだ方々でコチラの言い分を実に良く伝えてくださり、その行為は迷惑行為として裁かれるべきだと、説明してくれたのです。
「まさか、領主様が、自らの領民をそのように貶めるなど……考えられません」
「野生動物をけしかけ、疫病を広げようとする行為をするものを善良な領民と言えますかな? 一帯どちらが貶めていると言うのか」
「し、知らなかったんです。 私達はただ良かれと思って、領主様と話をさせてください!!」
なんてやり取りの後、私登場!!
「お初にお目にかかります。 ヴァイス・ルシッカ伯爵の秘書を務めております。 マイ・サトウと申します。 このたび、我が主は領民の方々の気持ちを良く理解するに至りましたと申しております」
「では!!」
「はい、自分は領民に呪われていたのだと、心を病まれております」
「そんなつもりはなかったんだ!! 今まで、こんなことを伯爵は言ったことがないのに、オマエが伯爵を唆したのか?!」
「唆したとはオカシナ事をおっしゃられる。 先ほどから警備隊士の方々が説明してくださったのを聞いていなかったのですか? ご理解いただけないと言うのなら、アナタ方によって捨てられたゴミを、各ご家庭に御返しさせて頂くだけです」
私はニッコリと笑って見せた。
前世の世界では目には目を歯には歯をと言う言葉がある。 受けた害と同じだけの仕返しを返すと言う意味らしいが、腐敗が進んでいる分、利子がついているが許される事でしょう。
「こういうのって、誰かが容易するって決まってないの? やりすぎなんだけど」
「決まっていますよ。 ヴァルツは食べ物に煩い人ですからね。 色々と食べさせてもらったうえで、依頼をしていましたよ」
「そうしたら、この無駄に破棄されている分の食材費用は、誰が負担しているの?」
「そういえば……」
そんな一言から始まったのは……、
金を寄越せと住民達に言われるのは、大抵領地を留守にした後だったと言う話だ。
「ということは、彼等は彼等なりの理屈を通した上、違うな……金を出せとただ言うには罪悪感がある?」
考えても、彼等の心理状況は理解できない。
「良く分からないなぁ。 でも、考える必要はないよね。 あの食品管理の仕方だと、私は商品を買いたいとは思わないし……ぁ……」
「どうかしましたか?」
「いえ、少し考えるので……」
もふっと伯爵の背に身を任せ、首筋をモフモフむにむにしていれば、伯爵は小さく溜息をつくけれど、私に身を任せされるままになっていた。
ここからは連想ゲームだ。
ようするに、スーパーの商品が売れない。 お金に困る。 商品の価格上げよう。 古くて高い商品を買うはずがない。 仕入れのお金がない。 助けてくれ!! この過程に……商品を置きに来ると言うのが入る。
でも、やっぱり不法投棄の理由がわからないや。
そんな訳で翌日、看板を掲げる事にした。
【不法投棄を禁止します
・危険な野生動物を招く
・病気蔓延の原因となる
このような危険性があります】
結果、住民は怒りだした。 声は聞こえないのだけど、とりあえず怒っているのは分かった。 でも、温かな地域で、生の食材を放置するって言うのは良くない事ですよね。
数日後、嫌がらせが悪化しましたよ!!
伯爵は妙にソワソワしていますが、
「とにかく落ち着いてください。 どうせ、仕入れが出来ないからと言って、お金を恵んでくださいと頭を下げる……下げていました?」
私は思わず尋ねた。
「いえ、領主として住民が困っているのだから当たり前だと、全てが……」
私は伯爵の薄い唇に軽く口づけた。
「ぇ?」
「まぁ、伯爵は悪くありませんよ。 賢くて可愛い私がいうのですから、絶対です!」
ニッコリ笑って適当を言い切った。
領主は、住民を助けるのが当たり前。
その当たり前をしないから、子供が売られ、そして死ぬ。
それは、あんまりにも乱暴な言いようではありませんか……。
そして数日後には、予想通り直談判が始まりました。 それも、子供達のみで、自分達を救ってくれ、見捨てるのかというやり方で……。
初日は見逃しましたが、翌日は警備隊の方々に警備をお願いしました。 何しろ彼等は領主に対して野生動物をけしかけ、疫病を広めようと言う悪人ですからね。
子供達は逃げ出し、その後、大人達が再登場です。
警備隊の方々は、危険性を大人達に語ってくれました。 聞けば、彼等は王都から遣わされている本格的な訓練を受け、疫病学等も学んだ方々でコチラの言い分を実に良く伝えてくださり、その行為は迷惑行為として裁かれるべきだと、説明してくれたのです。
「まさか、領主様が、自らの領民をそのように貶めるなど……考えられません」
「野生動物をけしかけ、疫病を広げようとする行為をするものを善良な領民と言えますかな? 一帯どちらが貶めていると言うのか」
「し、知らなかったんです。 私達はただ良かれと思って、領主様と話をさせてください!!」
なんてやり取りの後、私登場!!
「お初にお目にかかります。 ヴァイス・ルシッカ伯爵の秘書を務めております。 マイ・サトウと申します。 このたび、我が主は領民の方々の気持ちを良く理解するに至りましたと申しております」
「では!!」
「はい、自分は領民に呪われていたのだと、心を病まれております」
「そんなつもりはなかったんだ!! 今まで、こんなことを伯爵は言ったことがないのに、オマエが伯爵を唆したのか?!」
「唆したとはオカシナ事をおっしゃられる。 先ほどから警備隊士の方々が説明してくださったのを聞いていなかったのですか? ご理解いただけないと言うのなら、アナタ方によって捨てられたゴミを、各ご家庭に御返しさせて頂くだけです」
私はニッコリと笑って見せた。
前世の世界では目には目を歯には歯をと言う言葉がある。 受けた害と同じだけの仕返しを返すと言う意味らしいが、腐敗が進んでいる分、利子がついているが許される事でしょう。
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