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42.完結
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決して、愛情を育んだから共にいると決めた関係ではない。
まぁ、それを言うならフランだろうと辺境伯だろうと一緒なんですけどね。 それに、偶然出会った相手と恋が芽生えて何て言うのは若い侍女達が好きな物語の中だけのもの。 嫌悪感がない分クルト様の方が万倍良い。 いえ……、嫌悪感に万倍掛けたら大変なことになってしまいますね。
今なら、クルト様が好きだとハッキリ言えるので、只の勘違いから全てが始まった関係ではありますが、コレで良かったと言いきることができます。
もし、世の中に運命と言うものが存在するなら、これが運命なのかなと思う程度に、私は愛され、愛している。 日々大切にされている。 むしろ、自分のするべきことを探す事が今の私のするべきことと言うほどに、甘やかされている。
この愛情にどう返せば良いのかと悩む程に愛している。
そんな、たわいない平和な事に悩む私に、クルト様が話しかけてきた。
「先日、陛下から承った少し大き目の仕事を終えたら、新婚旅行に行こう。 どこに行きたいか、本でも読んでいなさい」
「本気ですか?」
「本気だとも、長く休みをもらわなかった分、まとめて貰おうかと思っている。 王族には各地域に仕える保養地があってね。 一番いい季節を会わせて廻る準備をしようか?」
「どれだけ休むつもりですか……」
呆れて言えば、
「何、少し大き目のトカゲでも捕まえてきて、私の執務室においておけばいいさ。 みんな怖がって近寄ってはこないが、私が消えたとは思うまい」
冗談か? 本気か? 今のクルト様には鱗はなく、だから眼鏡で目の色を隠すようにすれば、誰か分からなくなるからと、街にも一緒に出掛けたりしている。
だけど、鱗がなくなったことを秘密にしていた理由が、こんな使い方をしようとしていたとは! でも、トカゲと入れ替わると言うのはどうなのでしょうか?
でも、忙しくて、どうせ、無理でしょう。
色々と諦めてきたノエルはそう思っていたが、クルト公爵は約束通り休暇をもぎ取ったと言うか、ノエルを連れて逃げ出した。
直前クルトは、2人の人間を殺していた。
ノエルにその事実を悟らせない程度には、クルトは暗殺に長けていた。 だが、どれほど華麗に死体も残さず処理していても、絶対に2人の死がノエルに伝わる可能性がなくなる訳ではない。 殺した2人に対しノエルにはどんな感情も抱いてほしくない。 それがクルトの希望であり、そのための王都脱出だった。
殺された2人。
フレイとフランは、王都に来ていた。
フレイはまず、強いフランに心酔する王太子に、フランの婚約者がフランとフレイとの関係を誤解し、フレイを殺しかけてフレイは正気を失ったと伝え、女装させたフランを見せつけた。
正気を失い青白い儚げな様子で虚空を見つめる女装したフランに、王太子は見惚れたのをフレイは見逃すことはなく、そしてフレイは彼女自身として王太子と関係を結ぶ。
「正気を失ったフレイは王太子にのみ反応するようです。 どうか、どうかフレイをお救いください」
フレイを救えるのは王太子だけだと煽り、ソレを切っ掛けに、少しずつ毒を盛るように王太子を懐柔し、やがて……。
「平和は人をダメにする」
「人は刺激がなければ落ちぶれる」
「人の進化は戦と共に存在する」
そんな思想を王太子に植え付け、過激派貴族を伴い王位の譲渡を国王に求めさせた。
「父上の保守的な考えが、国と民をダメにしている!!」
フレイは別に王妃になりたい訳ではなかった。
彼女が愛したのは兄であるフランだけなのだから。
ただ、彼女は2人で故郷に帰りたく、自分の言うことならなんでも聞いてくれる王太子を王位につけようとした。 馬鹿馬鹿しいほどに安易な考えだった。
安易だからこそ、何時もの悪戯の延長に過ぎず。
それが、どんな運命をもたらすかなど考えてもいなかった。
だが……まぁ、大好きな兄と共にあの世に逝けたなら、それはそれで、運命の相手と出会ったノエルと同様に幸運なのかもしれない。
終わり
まぁ、それを言うならフランだろうと辺境伯だろうと一緒なんですけどね。 それに、偶然出会った相手と恋が芽生えて何て言うのは若い侍女達が好きな物語の中だけのもの。 嫌悪感がない分クルト様の方が万倍良い。 いえ……、嫌悪感に万倍掛けたら大変なことになってしまいますね。
今なら、クルト様が好きだとハッキリ言えるので、只の勘違いから全てが始まった関係ではありますが、コレで良かったと言いきることができます。
もし、世の中に運命と言うものが存在するなら、これが運命なのかなと思う程度に、私は愛され、愛している。 日々大切にされている。 むしろ、自分のするべきことを探す事が今の私のするべきことと言うほどに、甘やかされている。
この愛情にどう返せば良いのかと悩む程に愛している。
そんな、たわいない平和な事に悩む私に、クルト様が話しかけてきた。
「先日、陛下から承った少し大き目の仕事を終えたら、新婚旅行に行こう。 どこに行きたいか、本でも読んでいなさい」
「本気ですか?」
「本気だとも、長く休みをもらわなかった分、まとめて貰おうかと思っている。 王族には各地域に仕える保養地があってね。 一番いい季節を会わせて廻る準備をしようか?」
「どれだけ休むつもりですか……」
呆れて言えば、
「何、少し大き目のトカゲでも捕まえてきて、私の執務室においておけばいいさ。 みんな怖がって近寄ってはこないが、私が消えたとは思うまい」
冗談か? 本気か? 今のクルト様には鱗はなく、だから眼鏡で目の色を隠すようにすれば、誰か分からなくなるからと、街にも一緒に出掛けたりしている。
だけど、鱗がなくなったことを秘密にしていた理由が、こんな使い方をしようとしていたとは! でも、トカゲと入れ替わると言うのはどうなのでしょうか?
でも、忙しくて、どうせ、無理でしょう。
色々と諦めてきたノエルはそう思っていたが、クルト公爵は約束通り休暇をもぎ取ったと言うか、ノエルを連れて逃げ出した。
直前クルトは、2人の人間を殺していた。
ノエルにその事実を悟らせない程度には、クルトは暗殺に長けていた。 だが、どれほど華麗に死体も残さず処理していても、絶対に2人の死がノエルに伝わる可能性がなくなる訳ではない。 殺した2人に対しノエルにはどんな感情も抱いてほしくない。 それがクルトの希望であり、そのための王都脱出だった。
殺された2人。
フレイとフランは、王都に来ていた。
フレイはまず、強いフランに心酔する王太子に、フランの婚約者がフランとフレイとの関係を誤解し、フレイを殺しかけてフレイは正気を失ったと伝え、女装させたフランを見せつけた。
正気を失い青白い儚げな様子で虚空を見つめる女装したフランに、王太子は見惚れたのをフレイは見逃すことはなく、そしてフレイは彼女自身として王太子と関係を結ぶ。
「正気を失ったフレイは王太子にのみ反応するようです。 どうか、どうかフレイをお救いください」
フレイを救えるのは王太子だけだと煽り、ソレを切っ掛けに、少しずつ毒を盛るように王太子を懐柔し、やがて……。
「平和は人をダメにする」
「人は刺激がなければ落ちぶれる」
「人の進化は戦と共に存在する」
そんな思想を王太子に植え付け、過激派貴族を伴い王位の譲渡を国王に求めさせた。
「父上の保守的な考えが、国と民をダメにしている!!」
フレイは別に王妃になりたい訳ではなかった。
彼女が愛したのは兄であるフランだけなのだから。
ただ、彼女は2人で故郷に帰りたく、自分の言うことならなんでも聞いてくれる王太子を王位につけようとした。 馬鹿馬鹿しいほどに安易な考えだった。
安易だからこそ、何時もの悪戯の延長に過ぎず。
それが、どんな運命をもたらすかなど考えてもいなかった。
だが……まぁ、大好きな兄と共にあの世に逝けたなら、それはそれで、運命の相手と出会ったノエルと同様に幸運なのかもしれない。
終わり
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