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11.外堀がざっくざくと埋められる
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その後、エル兄様からこのような説明を受けたのです。
「嬢ちゃんの陛下への思いは、幼い頃から引きずる保護欲と、陛下と言う地位につかれてからの敬愛なのだろう。 だけど陛下は違う。 欲情を伴うものだと言う事を理解した上で、どうするかを真剣に考えろ。 どうしても受け入れられないと言うなら、なんとかしてやる」
そして、その数分後には、私を探し回ってきたネーヴェ様にこう言われたのです。
「もうすこし、見栄えの良い恰好をしてください!! あそこまでしておきながら他国の令嬢は……陛下ともあろう方に相応しくないと言って、逆におさまりがつかなくなってしまいました……」
大きな溜息をついたあと、興奮はやや収まりこう続けた。
「力不足で申し訳ない。 ヨミはこんなにもいい子なのに理解を得られなかった」
ようするに怒りは身内を傷つける他国の令嬢方で、私にではないと言うことだ。 ネーヴェ様は私より数か月早くこの世に生まれており、昔から自分が年上なのだと、エル兄様にだけ甘える私に納得できないと言う態度がありありと見られた方でした。
家族よりも共に過ごした時間の長い方々を、私達は陛下を含め兄妹のように思っている。 と、思っていたのですよねぇ……。 思わず眉間がよる。
「私に対する侮辱は、他の方々に対する侮辱でもあります。 善処させていただきますわ」
「はいは~~~い。 なら、僕に衣装を選ばせてよ。 正直ムカつくし? 異国の方々には、姉様の地位や、経歴、陛下の思いなど関係ないですし? 姉様は仕事一筋、陛下の御身の安全を優先的に考えるため、どうしても身なりは簡素に動きやすいものを選ばれる。 一見質素に見えますが、公爵令嬢、陛下の側近、安物を着ている訳ではない訳で、侮辱をしていいものではありません。 ふっふふふふふ、姉様を飾り立ててぎゃふんと言わせましょう」
リアが猫のような笑みを浮かべつつ、コメカミがひくついている。 何をさせられるんでしょう……。
「ぁ、で、ですが……やっぱり、私には私の役目というものがありますし? 私がオシャレをするより、美しい女性に陛下の愛人をお願いした方が早いのではないでしょうか?」
「お嬢ちゃん、俺がさっき話した事はもう忘れたのかなぁ?」
「今更別の人間を表に出せるような状況ではないのだが?」
「侮辱されて、放置する気ですか……?」
なんて言うやりとりがありまして……。 私は翌日から、住まいを王宮へと移し、国費で新しい衣類が揃えられる事になるのです。
「自分の着るものぐらい自分で!! それぐらいの給料は頂いておりますから!」
えぇ、そりゃぁかなりの額を頂いておりますのよ? 私の言葉に対して幼馴染である3人と、3公爵家当主、そして今当主代行として我が家を納めている兄上、長老方から全面拒否されてしまいました。
「中途半端なものを作られて、我が国が馬鹿にされるようであっては困りますぞ」
「国威と言うものを理解していただかねば、ご理解いただけないようでしたら、改めて授業をさせていただきますが?」
「なんか、妻らしくなってきたな」
ノンキにうっきうきしている陛下。
「いえ……」
と、反論できる訳もなく……。
「ヨミ姉様の好みぐらいは聞いてさしあげますから、安心してください」
リアの言葉に、ホッとして注文したのが陛下をお守りしやすいよう。
「脱ぎやすいドレスをお願いします」
何しろドレスは動きにくいので、万が一の有事の際には陛下をお守りできませんから。 と続けようとしたのですが、なぜか喜ぶ陛下に抱きしめられ。 まぁ、私の頭の中が大混乱のうちに、会議は終わった訳でありました。
知らぬ間に外堀が埋められ、陛下の部屋で寝起きしろという命令も今となれば……今となればアウェイ感が半端ありません。 一応……愛はあるのですよね?
「あの……それは……」
「陛下に夜這いをかけるものが出るかもしれませんからね」
ネーヴェ様が……。
「流石に、そんな大胆な方はいないと……」
「既成事実を全面に出されてしまっては負けです。 何しろ、陛下は日頃から多大な欲情を我慢なされているため、寝ぼけたところ迫られでもしたらうっかりと、なんて事だってありえますから。 男は弱い生き物ですからねぇ……」
「むしろ、そんな方の側にいて、私の身の安全は……」
オドオドする私にエル兄様は、ニヤニヤしながらこういうのです。
「どうしても嫌なら、連れて逃げてやるが? 男と女の二人旅だ。 間違いがあってもオカシクはないがな? ようするに、俺になるか陛下になるかというだけの話だ」
「ちょ、まてエル!! それは、どういうことだ?!」
慌てる陛下、真顔無表情を陛下に向けるエル兄様とネーヴェ様、そしてニコニコにゃんこ顔のリア。
「まぁまぁ」
「はいはい」
「どうどう」
なんだか、なんだか……なんだかですのぉおおおおおおお!!
私は、容赦ない攻撃に心の中で叫んだ。
「嬢ちゃんの陛下への思いは、幼い頃から引きずる保護欲と、陛下と言う地位につかれてからの敬愛なのだろう。 だけど陛下は違う。 欲情を伴うものだと言う事を理解した上で、どうするかを真剣に考えろ。 どうしても受け入れられないと言うなら、なんとかしてやる」
そして、その数分後には、私を探し回ってきたネーヴェ様にこう言われたのです。
「もうすこし、見栄えの良い恰好をしてください!! あそこまでしておきながら他国の令嬢は……陛下ともあろう方に相応しくないと言って、逆におさまりがつかなくなってしまいました……」
大きな溜息をついたあと、興奮はやや収まりこう続けた。
「力不足で申し訳ない。 ヨミはこんなにもいい子なのに理解を得られなかった」
ようするに怒りは身内を傷つける他国の令嬢方で、私にではないと言うことだ。 ネーヴェ様は私より数か月早くこの世に生まれており、昔から自分が年上なのだと、エル兄様にだけ甘える私に納得できないと言う態度がありありと見られた方でした。
家族よりも共に過ごした時間の長い方々を、私達は陛下を含め兄妹のように思っている。 と、思っていたのですよねぇ……。 思わず眉間がよる。
「私に対する侮辱は、他の方々に対する侮辱でもあります。 善処させていただきますわ」
「はいは~~~い。 なら、僕に衣装を選ばせてよ。 正直ムカつくし? 異国の方々には、姉様の地位や、経歴、陛下の思いなど関係ないですし? 姉様は仕事一筋、陛下の御身の安全を優先的に考えるため、どうしても身なりは簡素に動きやすいものを選ばれる。 一見質素に見えますが、公爵令嬢、陛下の側近、安物を着ている訳ではない訳で、侮辱をしていいものではありません。 ふっふふふふふ、姉様を飾り立ててぎゃふんと言わせましょう」
リアが猫のような笑みを浮かべつつ、コメカミがひくついている。 何をさせられるんでしょう……。
「ぁ、で、ですが……やっぱり、私には私の役目というものがありますし? 私がオシャレをするより、美しい女性に陛下の愛人をお願いした方が早いのではないでしょうか?」
「お嬢ちゃん、俺がさっき話した事はもう忘れたのかなぁ?」
「今更別の人間を表に出せるような状況ではないのだが?」
「侮辱されて、放置する気ですか……?」
なんて言うやりとりがありまして……。 私は翌日から、住まいを王宮へと移し、国費で新しい衣類が揃えられる事になるのです。
「自分の着るものぐらい自分で!! それぐらいの給料は頂いておりますから!」
えぇ、そりゃぁかなりの額を頂いておりますのよ? 私の言葉に対して幼馴染である3人と、3公爵家当主、そして今当主代行として我が家を納めている兄上、長老方から全面拒否されてしまいました。
「中途半端なものを作られて、我が国が馬鹿にされるようであっては困りますぞ」
「国威と言うものを理解していただかねば、ご理解いただけないようでしたら、改めて授業をさせていただきますが?」
「なんか、妻らしくなってきたな」
ノンキにうっきうきしている陛下。
「いえ……」
と、反論できる訳もなく……。
「ヨミ姉様の好みぐらいは聞いてさしあげますから、安心してください」
リアの言葉に、ホッとして注文したのが陛下をお守りしやすいよう。
「脱ぎやすいドレスをお願いします」
何しろドレスは動きにくいので、万が一の有事の際には陛下をお守りできませんから。 と続けようとしたのですが、なぜか喜ぶ陛下に抱きしめられ。 まぁ、私の頭の中が大混乱のうちに、会議は終わった訳でありました。
知らぬ間に外堀が埋められ、陛下の部屋で寝起きしろという命令も今となれば……今となればアウェイ感が半端ありません。 一応……愛はあるのですよね?
「あの……それは……」
「陛下に夜這いをかけるものが出るかもしれませんからね」
ネーヴェ様が……。
「流石に、そんな大胆な方はいないと……」
「既成事実を全面に出されてしまっては負けです。 何しろ、陛下は日頃から多大な欲情を我慢なされているため、寝ぼけたところ迫られでもしたらうっかりと、なんて事だってありえますから。 男は弱い生き物ですからねぇ……」
「むしろ、そんな方の側にいて、私の身の安全は……」
オドオドする私にエル兄様は、ニヤニヤしながらこういうのです。
「どうしても嫌なら、連れて逃げてやるが? 男と女の二人旅だ。 間違いがあってもオカシクはないがな? ようするに、俺になるか陛下になるかというだけの話だ」
「ちょ、まてエル!! それは、どういうことだ?!」
慌てる陛下、真顔無表情を陛下に向けるエル兄様とネーヴェ様、そしてニコニコにゃんこ顔のリア。
「まぁまぁ」
「はいはい」
「どうどう」
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私は、容赦ない攻撃に心の中で叫んだ。
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