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物語
03.第二王子からの召還 03
ティアは笑みを浮かべながらこう言うのだ。
「流石、イザベル様でございますわ。 近隣諸国まで牽引なさる御威光を放たれているとは、とても誇らしく思います」
反論して良い事がないのは既に分かっているティアは、常に視線を伏せながら適当な言葉で聖女イザベルを褒めるのだ。
「全く、それで王族の一員となろうと考えているのですから、ジェフも苦労が耐えませんことね」
そう告げたイザベルは、ティアの婚約者であるジェフロアの身体にゆったりと身を預け、その胸に手を置き、憂いた視線を向けた。
「この王家の花はイザベル義姉上一人いれば良いでしょう。 雑草を幾ら美しい花瓶に飾っても雑草である事に変わりはありません。 それなら変に敏いよりも、無知で無教養がちょうど良いのではありませんか?」
「うふふふ、婚約者をそのように言うものではありませんわ。 このような花の無い女性でもアナタの大切な方なのですから」
そう言いながらイザベルは嬉しそうに微笑み語る。 定期的に行われる儀式としてティアは無表情にソレを受け止めていた。
「このように敵意剥き出しの不敬な輩に対しても寛容な態度、流石義姉上は神に選ばれた聖女なだけあらせられる」
「そのようにおっしゃらないで、私は神ではなく人に認められる聖女でありたいのですから」
イチャイチャと距離感0に見えるこの不貞カップルを咎める者は、残念ながら王宮にはいない……。
それでも長時間ソレを見せつけられれば、恋愛関係から結んだ婚約ではないことを理解しているとは言え、不快に思うのも現実であり……ティアは細く長く呼吸をする事で感情を制御しようと必死になっていた。
「なんとお優しい方なんだ。 やはりアナタこそが国母に相応しい」
それだけベタベタしていながら、ジェフロアは兄である王太子にこそ相応しい人物だと言っているのだから、ティアにとっては不思議でならなかった。
「御用が無いのであれば失礼してもよろしいでしょうか? この後大公様との約束がございますの」
「オマエは本当にセンスも無ければ、可愛げも無い奴だな。 せめて、自ら率先して私達の役に立とうと言う気は無いのか」
深い溜息がつかれた。
「遠く見れば大公家の利益は、王家の利益……私は常に王家のために尽力しております」
「結局のところ民の血税を我が物顔で自由に使っていると言う事だろう。 もう少し、民を思いやる心と言うものを持ってはどうだ?」
「それで、どのような要件でお呼びになられたのですか?」
「何、大した用事ではない。 イザベルがお前のセンスの悪さを正してやろうと言ってくれたのでな。 わざわざ手間をかけて呼び出してやったのだよ。 聖女に触れる機会を与えられた栄誉を誇らしく思うがいい」
「センス……ですか?」
机の上に山積みになった書類を片付けろと言うのかと思ったが、そうではないようで肩透かしと言うかティアは驚きを露わにし、当然のように拒絶した。
「……そのような素晴らしい栄誉、私には過分でございます。 所詮雑草は雑草、どれほど磨かれても雑草である事には変わりません」
「そう、拗ねる者ではありませんよ。 本物に慣れずとも、偽物ぐらいにはなっていただかないと国の威信と言うものがありますわ。 さぁ、膝をついてマニュキアをぬって下さる?」
そう言いながら、素足の足をこちらに向けて来た。
嫌がらせもここまで来たかと呆れた私は、
「では、大公様とのお約束がありますので、失礼させて頂きます」
そう告げて有無を言わせる事無く部屋を出ようとすれば、ジェフロアが声を荒げてこう言ったのだ。
「オマエは、婚約者である私と大公とドチラが大事なのだ!! オマエがそうやって私を馬鹿にするから、私が周囲からどんな陰口を叩かれているのか分かっているのか!!」
「兄の婚約者を寝取った第二王子は、そのうち王太子の寝首も取るのでは? でしたかしら?」
言えば顔を真っ赤にして怒り出す。
「全部、オマエが悪いんだ!! オマエが僕とイザベルに大人しく仕えれば、全てが丸く収まるんだ!! 王家の醜聞を広めるのを止めろ!! イザベルは聖女なんだぞ!! 毒の噂がその力を弱める事をわかっていないのか!! オマエが、僕とイザベラと共に仲良く過ごしさえすれば、世間はイザベルを偉大な聖女と認めるはずなんだ!! オマエは王家に仇を成すつもりか?」
醜聞と言う言葉に合わせ、聖女イザベルは悲劇を顔に浮かべジェフロアの胸元に顔を埋め嘆くそぶりをしてみせるのだった。
【↓に行くと、ジェフロアとイザベルのAIイラストがあります】
「流石、イザベル様でございますわ。 近隣諸国まで牽引なさる御威光を放たれているとは、とても誇らしく思います」
反論して良い事がないのは既に分かっているティアは、常に視線を伏せながら適当な言葉で聖女イザベルを褒めるのだ。
「全く、それで王族の一員となろうと考えているのですから、ジェフも苦労が耐えませんことね」
そう告げたイザベルは、ティアの婚約者であるジェフロアの身体にゆったりと身を預け、その胸に手を置き、憂いた視線を向けた。
「この王家の花はイザベル義姉上一人いれば良いでしょう。 雑草を幾ら美しい花瓶に飾っても雑草である事に変わりはありません。 それなら変に敏いよりも、無知で無教養がちょうど良いのではありませんか?」
「うふふふ、婚約者をそのように言うものではありませんわ。 このような花の無い女性でもアナタの大切な方なのですから」
そう言いながらイザベルは嬉しそうに微笑み語る。 定期的に行われる儀式としてティアは無表情にソレを受け止めていた。
「このように敵意剥き出しの不敬な輩に対しても寛容な態度、流石義姉上は神に選ばれた聖女なだけあらせられる」
「そのようにおっしゃらないで、私は神ではなく人に認められる聖女でありたいのですから」
イチャイチャと距離感0に見えるこの不貞カップルを咎める者は、残念ながら王宮にはいない……。
それでも長時間ソレを見せつけられれば、恋愛関係から結んだ婚約ではないことを理解しているとは言え、不快に思うのも現実であり……ティアは細く長く呼吸をする事で感情を制御しようと必死になっていた。
「なんとお優しい方なんだ。 やはりアナタこそが国母に相応しい」
それだけベタベタしていながら、ジェフロアは兄である王太子にこそ相応しい人物だと言っているのだから、ティアにとっては不思議でならなかった。
「御用が無いのであれば失礼してもよろしいでしょうか? この後大公様との約束がございますの」
「オマエは本当にセンスも無ければ、可愛げも無い奴だな。 せめて、自ら率先して私達の役に立とうと言う気は無いのか」
深い溜息がつかれた。
「遠く見れば大公家の利益は、王家の利益……私は常に王家のために尽力しております」
「結局のところ民の血税を我が物顔で自由に使っていると言う事だろう。 もう少し、民を思いやる心と言うものを持ってはどうだ?」
「それで、どのような要件でお呼びになられたのですか?」
「何、大した用事ではない。 イザベルがお前のセンスの悪さを正してやろうと言ってくれたのでな。 わざわざ手間をかけて呼び出してやったのだよ。 聖女に触れる機会を与えられた栄誉を誇らしく思うがいい」
「センス……ですか?」
机の上に山積みになった書類を片付けろと言うのかと思ったが、そうではないようで肩透かしと言うかティアは驚きを露わにし、当然のように拒絶した。
「……そのような素晴らしい栄誉、私には過分でございます。 所詮雑草は雑草、どれほど磨かれても雑草である事には変わりません」
「そう、拗ねる者ではありませんよ。 本物に慣れずとも、偽物ぐらいにはなっていただかないと国の威信と言うものがありますわ。 さぁ、膝をついてマニュキアをぬって下さる?」
そう言いながら、素足の足をこちらに向けて来た。
嫌がらせもここまで来たかと呆れた私は、
「では、大公様とのお約束がありますので、失礼させて頂きます」
そう告げて有無を言わせる事無く部屋を出ようとすれば、ジェフロアが声を荒げてこう言ったのだ。
「オマエは、婚約者である私と大公とドチラが大事なのだ!! オマエがそうやって私を馬鹿にするから、私が周囲からどんな陰口を叩かれているのか分かっているのか!!」
「兄の婚約者を寝取った第二王子は、そのうち王太子の寝首も取るのでは? でしたかしら?」
言えば顔を真っ赤にして怒り出す。
「全部、オマエが悪いんだ!! オマエが僕とイザベルに大人しく仕えれば、全てが丸く収まるんだ!! 王家の醜聞を広めるのを止めろ!! イザベルは聖女なんだぞ!! 毒の噂がその力を弱める事をわかっていないのか!! オマエが、僕とイザベラと共に仲良く過ごしさえすれば、世間はイザベルを偉大な聖女と認めるはずなんだ!! オマエは王家に仇を成すつもりか?」
醜聞と言う言葉に合わせ、聖女イザベルは悲劇を顔に浮かべジェフロアの胸元に顔を埋め嘆くそぶりをしてみせるのだった。
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