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3章 変革
32.区切り
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そっと包み込むように抱きしめてきたフェリクス様の身体からは、やっぱり不快な甘い香りがしたけれど、傷の酷さを思えばやっぱり力ずくで離れることも出来ない。
「太ったな……」
カサついた手で頬を撫でられ、文句を言おうとすれば続けられた言葉に、黙り込む事になる。
「俺が肉をつけるつもりだったのに」
大きな溜息をつかれれば、私だって溜息がこぼれるというものだ。 コレで離してくれるなら問題ないけれど、肩口に顔を埋められ首筋に熱い息がかかるのが、くすぐったい。
「辞めて頂けませんか?」
「冷たいな。 久しぶりだと言うのに」
「もともと、触れあうような関係ではなかったと思いますが?」
「ぇ?」
ショックな顔をされれば、私も「ぇ?」ってなり、無言で見つめあい、見つめれば見つめるほど違和感ばかりが強くなる。
「フェリクス様?」
「なぜ、疑問形だ」
「あの可愛らしい姿とお声から、どう変化すればこうなるのかと」
この間も、腕の中から逃がして貰ってはいない。
「……アソコで成長が止まる方がオカシイだろう」
「……もう、私の知っている皇子はいらっしゃらないのですね」
そう言って、腕の中から逃れようとしたが、逃す気はないらしい。
「食事でしたら、手を離して頂かない事にはお出しできませんよ」
「食事はいいから、もう少しこうしていたい」
甘えん坊か! なんて突っ込みは飲み込んだ。
「ご飯を先に食べてください。 昨日から食べていないのですから」
「……わかった……」
見た目こそ全然変わったが、息子を相手にしているのと変わらなくて、苦笑してしまう。 食事を温めなおして戻れば、他の3人は席を外していた。
相変わらず綺麗な食べ方をする人だと眺めながら、食事を終え、お茶を終えるのを待ち、私は声をかける。
「言いたい事があるなら、お伺いしましょう」
私の都合は既に知っているのだろうし、責務に追い詰められている彼をこれ以上責める気がないのだから、私から話すことは……ない訳ではないが……今はいい。
フェリクス様は、自分の膝の上をトントンと叩き来いと言う。 いう事を聞かなければ話は進まないのだろうと思いつつ……。
「その、痛み止めの匂いが嫌いなのですが……」
「……」
何かを言おうとして、悲しい顔をして黙りこまれてしまったから、溜息をつきながら荒れた頬を撫で、リックにするように頬に口づける。
「分かっていますよね? 身体に悪いってことを」
微かに視線が泳ぎ、そしてジッと見つめてくる。 なぜ、一緒に生活していないのに、同じなのかと笑ってしまう。 そっと抱きしめて私は言う。 もう幼くはない皇子に、
「せめて、私の側に居る時は、その身に傷をつけないでください。 傷ついている様子を見たくありません」
リックにだったら、傷つくために外に出るなら、外に出るなと部屋に閉じ込めるだろうか?
「……わかった……。 傷を治してくれるか?」
治癒術は知っている。 一緒にいた頃からケガの多い人だったから、ソレを弱さだと人に隠し、治療も受けないような人で仕方がないから覚えた。
「わかりました」
その様子を悪鬼のような表情でロンが見ており、他の3人が必死に抑え込んでいる。 私がチラリとフェリクス様を見れば、幼い頃のような笑い方を口元に浮かべた。 人に見られる事は慣れた人だ、気にしろという方が無理なのかもしれない。
フェリクス様が寝起きしている部屋に行くには、ロンの前を通過する必要があって、それはとても面倒だったから、自分の部屋へと連れて行った。
風呂にお湯をため準備し、魔力を使えないフェリクス様だから、少しばかりシャワーの術式を弄っておく。
「薬、洗い落としてきてください」
そう言えば大人しく風呂場に向かっていくのを見れば、親子だなぁ……と思ってしまう。 でも、お母さんは、小さいほうに会いたいよ。
風呂から全裸であがってくるフェリクス様に大きめのタオルで腰回りを覆う。 ここには彼のサイズのガウンがないから仕方がないのだけど……。
「何を焦っている。 初めて見る訳でもあるまい。 ココに受け入れたこともあるのだから」
下腹部が撫でられ、蹴りそうになれば足が取られベッドに倒される。
「ケガ、治すんでしょう? 風呂場で何してきたのよ」
膿を孕んでいた傷が裂かれていた。
「いったん、出すもの出した方が治療しやすいだろう」
「それは、そうですが……」
胸も腹も、背も、腕も、足も傷だらけだった。
「馬鹿な事を……」
私の言葉に、フェリクス様は溜息で応えた。
その日、結局傷を治すための魔力きれで寝落ちてしまえば、全裸の男に抱きしめられ朝を迎えた。 ガッツリと逃がすかと言わんばかりに。
「離してもらえませんか? 食事を作りにいきたいのですが」
声をかければ目を覚ましていた。
「また、逃げられたくないんでな」
「別に、フェリクス様から逃げた訳ではありませんよ。 今は逃げる理由もないので……いえ、ルシェと呼んでくれる限りは、逃げる理由がないので離してください」
首筋に甘く噛みつかれたが、離す様子はない。
「放っておけば勝手に食べるだろう」
「自分のテリトリーに触れられたくないんですよ」
「久々に、ユックリと眠れたのに」
「勝手に寝ててください。 私はお腹が空いているんです」
「飯の支度……手伝ったら、また、一緒に寝てくれるか?」
縋るように言われて、我が子を思い出せば仕方がないと思ってしまう。
「分かりましたよ……」
無理に抱くことはしない。 そう言われれば、夜、悪い夢にうなされ眠るフェリクス様を放置できずに、抱いて眠る日々は続く。 彼等は吹雪が去っても山を下りようとはしなかった。
王都に残った団員達は、戻らぬ幹部を待つのをやめ1人消え2消え、そうして春を迎えるころには断罪騎士と呼ばれた者達は、王都の宿舎からいなくなったと言う。 まぁ、代わりに山奥の隠れ家には、人が増えたのですがね。
集まった人達には、様々な使命が与えられた。
ランメルト先輩に続き、商人に扮しての情報収集と、イモや豆、いわゆる国の監視を逃れる事ができる植物の推奨。 それに関しては、一度他国に出向き買い付けが必要となるため、集まった騎士達は一度それぞれの領地に戻り、目利きを得意とする配下を連れ、他国へと出向いてもらった。
全員が領地を持つ貴族の出で、自領の復興と、民の幸福に手を抜こうと言うものはいない。
当初の隠れ家メンバーで言えば、ヨハンがロンを連れ他国に武器調達へと向かっている。 善良である事を良しとした国では、武器と言う無粋なものの開発がなされなかったのだ。 実際に人を殺めた事のある彼等であってもセーデルバリ王国の新兵にも劣るような武器しか持っていないのだから、よく戦っていたものだと感心するやら、呆れるやら。
そうやって、断罪の騎士はいなくなり、誰からともなく王が殺したのだろうと言う噂が広がったそうだ。
誰も、雪の中のささやかな幸福に終わりを告げようとはしなかった。 誰も物騒な未来を語ろうとはしなかった。
どうせ、終わりが来るのだから。
終わりは、ランメルト先輩が持ってくる。 それを彼等は一つの区切りとしていたらしい。
「太ったな……」
カサついた手で頬を撫でられ、文句を言おうとすれば続けられた言葉に、黙り込む事になる。
「俺が肉をつけるつもりだったのに」
大きな溜息をつかれれば、私だって溜息がこぼれるというものだ。 コレで離してくれるなら問題ないけれど、肩口に顔を埋められ首筋に熱い息がかかるのが、くすぐったい。
「辞めて頂けませんか?」
「冷たいな。 久しぶりだと言うのに」
「もともと、触れあうような関係ではなかったと思いますが?」
「ぇ?」
ショックな顔をされれば、私も「ぇ?」ってなり、無言で見つめあい、見つめれば見つめるほど違和感ばかりが強くなる。
「フェリクス様?」
「なぜ、疑問形だ」
「あの可愛らしい姿とお声から、どう変化すればこうなるのかと」
この間も、腕の中から逃がして貰ってはいない。
「……アソコで成長が止まる方がオカシイだろう」
「……もう、私の知っている皇子はいらっしゃらないのですね」
そう言って、腕の中から逃れようとしたが、逃す気はないらしい。
「食事でしたら、手を離して頂かない事にはお出しできませんよ」
「食事はいいから、もう少しこうしていたい」
甘えん坊か! なんて突っ込みは飲み込んだ。
「ご飯を先に食べてください。 昨日から食べていないのですから」
「……わかった……」
見た目こそ全然変わったが、息子を相手にしているのと変わらなくて、苦笑してしまう。 食事を温めなおして戻れば、他の3人は席を外していた。
相変わらず綺麗な食べ方をする人だと眺めながら、食事を終え、お茶を終えるのを待ち、私は声をかける。
「言いたい事があるなら、お伺いしましょう」
私の都合は既に知っているのだろうし、責務に追い詰められている彼をこれ以上責める気がないのだから、私から話すことは……ない訳ではないが……今はいい。
フェリクス様は、自分の膝の上をトントンと叩き来いと言う。 いう事を聞かなければ話は進まないのだろうと思いつつ……。
「その、痛み止めの匂いが嫌いなのですが……」
「……」
何かを言おうとして、悲しい顔をして黙りこまれてしまったから、溜息をつきながら荒れた頬を撫で、リックにするように頬に口づける。
「分かっていますよね? 身体に悪いってことを」
微かに視線が泳ぎ、そしてジッと見つめてくる。 なぜ、一緒に生活していないのに、同じなのかと笑ってしまう。 そっと抱きしめて私は言う。 もう幼くはない皇子に、
「せめて、私の側に居る時は、その身に傷をつけないでください。 傷ついている様子を見たくありません」
リックにだったら、傷つくために外に出るなら、外に出るなと部屋に閉じ込めるだろうか?
「……わかった……。 傷を治してくれるか?」
治癒術は知っている。 一緒にいた頃からケガの多い人だったから、ソレを弱さだと人に隠し、治療も受けないような人で仕方がないから覚えた。
「わかりました」
その様子を悪鬼のような表情でロンが見ており、他の3人が必死に抑え込んでいる。 私がチラリとフェリクス様を見れば、幼い頃のような笑い方を口元に浮かべた。 人に見られる事は慣れた人だ、気にしろという方が無理なのかもしれない。
フェリクス様が寝起きしている部屋に行くには、ロンの前を通過する必要があって、それはとても面倒だったから、自分の部屋へと連れて行った。
風呂にお湯をため準備し、魔力を使えないフェリクス様だから、少しばかりシャワーの術式を弄っておく。
「薬、洗い落としてきてください」
そう言えば大人しく風呂場に向かっていくのを見れば、親子だなぁ……と思ってしまう。 でも、お母さんは、小さいほうに会いたいよ。
風呂から全裸であがってくるフェリクス様に大きめのタオルで腰回りを覆う。 ここには彼のサイズのガウンがないから仕方がないのだけど……。
「何を焦っている。 初めて見る訳でもあるまい。 ココに受け入れたこともあるのだから」
下腹部が撫でられ、蹴りそうになれば足が取られベッドに倒される。
「ケガ、治すんでしょう? 風呂場で何してきたのよ」
膿を孕んでいた傷が裂かれていた。
「いったん、出すもの出した方が治療しやすいだろう」
「それは、そうですが……」
胸も腹も、背も、腕も、足も傷だらけだった。
「馬鹿な事を……」
私の言葉に、フェリクス様は溜息で応えた。
その日、結局傷を治すための魔力きれで寝落ちてしまえば、全裸の男に抱きしめられ朝を迎えた。 ガッツリと逃がすかと言わんばかりに。
「離してもらえませんか? 食事を作りにいきたいのですが」
声をかければ目を覚ましていた。
「また、逃げられたくないんでな」
「別に、フェリクス様から逃げた訳ではありませんよ。 今は逃げる理由もないので……いえ、ルシェと呼んでくれる限りは、逃げる理由がないので離してください」
首筋に甘く噛みつかれたが、離す様子はない。
「放っておけば勝手に食べるだろう」
「自分のテリトリーに触れられたくないんですよ」
「久々に、ユックリと眠れたのに」
「勝手に寝ててください。 私はお腹が空いているんです」
「飯の支度……手伝ったら、また、一緒に寝てくれるか?」
縋るように言われて、我が子を思い出せば仕方がないと思ってしまう。
「分かりましたよ……」
無理に抱くことはしない。 そう言われれば、夜、悪い夢にうなされ眠るフェリクス様を放置できずに、抱いて眠る日々は続く。 彼等は吹雪が去っても山を下りようとはしなかった。
王都に残った団員達は、戻らぬ幹部を待つのをやめ1人消え2消え、そうして春を迎えるころには断罪騎士と呼ばれた者達は、王都の宿舎からいなくなったと言う。 まぁ、代わりに山奥の隠れ家には、人が増えたのですがね。
集まった人達には、様々な使命が与えられた。
ランメルト先輩に続き、商人に扮しての情報収集と、イモや豆、いわゆる国の監視を逃れる事ができる植物の推奨。 それに関しては、一度他国に出向き買い付けが必要となるため、集まった騎士達は一度それぞれの領地に戻り、目利きを得意とする配下を連れ、他国へと出向いてもらった。
全員が領地を持つ貴族の出で、自領の復興と、民の幸福に手を抜こうと言うものはいない。
当初の隠れ家メンバーで言えば、ヨハンがロンを連れ他国に武器調達へと向かっている。 善良である事を良しとした国では、武器と言う無粋なものの開発がなされなかったのだ。 実際に人を殺めた事のある彼等であってもセーデルバリ王国の新兵にも劣るような武器しか持っていないのだから、よく戦っていたものだと感心するやら、呆れるやら。
そうやって、断罪の騎士はいなくなり、誰からともなく王が殺したのだろうと言う噂が広がったそうだ。
誰も、雪の中のささやかな幸福に終わりを告げようとはしなかった。 誰も物騒な未来を語ろうとはしなかった。
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