【R18】皇子の告白を断ったら、伯爵家から追放された。 失われた村で静かに隠遁生活を送っている私を、皇子は未だ恨んでいるようです

迷い人

文字の大きさ
21 / 63
2章 

21.主導権は握れない 01

しおりを挟む
 妥協と言うか諦めの結果、一緒に風呂に入ることになった。

「田舎の割に立派な風呂だな」

 うちの風呂は立派だ……。

 私の想像が正しければ、修道院のようなこの建物は転生者によって作られている。 科学と魔術の折り合いをどうつけているかは私も理解していない。

 とはいえ、個人で所有しているという意味では、公爵家の風呂にも負けないのでは? と思う。 流石に王宮のものには負けるでしょうけどね。

 浴槽に湯をはりハーブを放り込めば、爽やかな香りが浴室に広がる。

 大き目のタオルを身体に巻き、コウの髪、鍛え抜かれた背を洗いながら考える。

 なぜ、次期王であるはずの彼が、半魔となり、魔物と戦っているのか? 彼はこのような場所に来て良い人物ではないことは、7歳の時に王都を離れた私でも知っている。

 第一皇子であるアレクシス様は、教皇のギフトを所有されているため、国の二大勢力である王家と神殿の神殿側の長となる事が定められていた。 第三皇子であるアシュリー様は、魔術師としての一連の修行を終えた後、魔術研究、医学、政治、治安、才能を利用しながら好きな分野へと進むだろう。

 そして第二皇子であるアンセラム様は、王者のギフトを持つ。 

 この王者のギフトは、本人が配下と認識した者達の能力を底上げする能力、自らの力を部下に貸し与える能力、自分の支配下の視界を奪う能力、他にも色々とあるらしいが、どこまでも信頼できる配下がある事を前提している。 だからこその王者のギフトなのだ。

 だが、コウは余り王太子殿下としての職務を全うする気が無い。
 なぜ、彼は前線で戦っているの?

 広い背の主をながめながら、そんなことを考えた。

 シャボンを湯で流し、私は逃げるように数歩さがって告げた。

「前は自分で洗ってください!」

「なぜ?」

 ニヤリとした表情を浮かべ、私を見上げ、私の身体に巻いてあるバスタオルを指先でひっぱるため、私は必死にバスタオルのキープにつとめる。

「な、なぜって……」

 不意に腕を取られ、コウの身体の上に倒れ込みそうになれば、抱きかかえられ正面に向かい会うように座らされた。

 なぜって……なんか大きくしているからじゃないですか!!! 声を大に言えない程度には、恥じらいは持ち合わせている。 ここは、媚びるしかない……と、可愛らしく聞いてみる事にした。

「どうしても、洗わないとダメです?」

「ダメだ」

 一拍の間もなく言われれば、大きな溜息と共に、タオルを改めて泡立たせ前方向も洗い出す。 なるべく視線をそらしながら……は、いいのだが……

「あの……なぜ胸を触るんですか!!」

「重そうだなと」

「取り外しがきかないので、重いかどうか分かりませんよ!!」

 何処かやけになる。

「だから、ムニムニとさわらないでください」

 そう言えば握ってきた。

「いたっっ、ばかぁあああ」

 ギャーギャー騒ぎ涙ぐめば、そんな私が面白いのか、豪快に笑いだすコウ。

「色気のない奴」

「うるさいわねぇ!」

 なんか、騒いでいるうちに開き直ることができたので、大きくなっているソレをこのノリと勢いで乗り切ろうとすれば、

「手で洗え」

「……」



 そうですか……、
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

次期騎士団長の秘密を知ってしまったら、迫られ捕まってしまいました

Karamimi
恋愛
侯爵令嬢で貴族学院2年のルミナスは、元騎士団長だった父親を8歳の時に魔物討伐で亡くした。一家の大黒柱だった父を亡くしたことで、次期騎士団長と期待されていた兄は騎士団を辞め、12歳という若さで侯爵を継いだ。 そんな兄を支えていたルミナスは、ある日貴族学院3年、公爵令息カルロスの意外な姿を見てしまった。学院卒院後は騎士団長になる事も決まっているうえ、容姿端麗で勉学、武術も優れているまさに完璧公爵令息の彼とはあまりにも違う姿に、笑いが止まらない。 お兄様の夢だった騎士団長の座を奪ったと、一方的にカルロスを嫌っていたルミナスだが、さすがにこの秘密は墓場まで持って行こう。そう決めていたのだが、翌日カルロスに捕まり、鼻息荒く迫って来る姿にドン引きのルミナス。 挙句の果てに“ルミタン”だなんて呼ぶ始末。もうあの男に関わるのはやめよう、そう思っていたのに… 意地っ張りで素直になれない令嬢、ルミナスと、ちょっと気持ち悪いがルミナスを誰よりも愛している次期騎士団長、カルロスが幸せになるまでのお話しです。 よろしくお願いしますm(__)m

私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。

石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。 自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。 そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。 好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。 この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。 扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました

ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。 名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。 ええ。私は今非常に困惑しております。 私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。 ...あの腹黒が現れるまでは。 『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。 個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。

【完結】番としか子供が産まれない世界で

さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。 何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。 そんなニーナが番に出会うまで 4話完結 出会えたところで話は終わってます。

公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。

木山楽斗
恋愛
実は、公爵家の隠し子だったルネリア・ラーデインは困惑していた。 なぜなら、ラーデイン公爵家の人々から溺愛されているからである。 普通に考えて、妾の子は疎まれる存在であるはずだ。それなのに、公爵家の人々は、ルネリアを受け入れて愛してくれている。 それに、彼女は疑問符を浮かべるしかなかった。一体、どうして彼らは自分を溺愛しているのか。もしかして、何か裏があるのではないだろうか。 そう思ったルネリアは、ラーデイン公爵家の人々のことを調べることにした。そこで、彼女は衝撃の真実を知ることになる。

まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?

せいめ
恋愛
 政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。  喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。  そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。  その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。  閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。  でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。  家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。  その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。    まずは亡くなったはずの旦那様との話から。      ご都合主義です。  設定は緩いです。  誤字脱字申し訳ありません。  主人公の名前を途中から間違えていました。  アメリアです。すみません。    

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】

Lynx🐈‍⬛
恋愛
 ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。  それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。  14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。 皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。 この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。 ※Hシーンは終盤しかありません。 ※この話は4部作で予定しています。 【私が欲しいのはこの皇子】 【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】 【放浪の花嫁】 本編は99話迄です。 番外編1話アリ。 ※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

処理中です...