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17.休憩のような
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身体に刻まれた術式を解除し、身体と共に逃亡した日から、5日が経過した。
今も宰相さんの別荘にいたりするのだけど、流石に今後を考えなければいけない気がする……けど、魔術? マナコントロールばかりを勉強してきた私にとって、さぁ、今日から自由ですよと言われても何をして生きて行けばいいのか……どう生きて行けばいいのか……不安でしかない。
だから私は、台所に立つ。
料理と掃除は、気分転換には最適だよね……。
宰相さんの別荘は何処までも豪華だった。
[住んでもいないのにここまでの食料備蓄が必要なの?]
「この国は作物の収穫量が少ない割に、1人当たりの食べる量が多いので溜める事は大切なのですよ」
白がそう説明してくれれば、別荘と言うより……彼方此方に食べ物を隠し持っているリス的なものを想像して私は納得した。
日のあたらない地下深く肌寒さに震えるような場所に大量の食糧が保管されていた。
根菜類や果物、チーズや加工肉。
肉や魚類は氷で作られた蔵に。
後はお酒類。
葉物や卵、牛乳等はクマ‘sが何処からともなく持って来ていた。
本日の食料調達を行った白の希望で今日のスープはカブのスープに決まった。 玉ねぎとベーコンを炒め旨味を出した所に水を入れ、前日作っていた骨と野菜くずで作ったスープの素を使いゴロゴロのカブとカブの葉を煮込む。 カブを煮込み過ぎないのがポイント。
当然、熊相手に野菜スープだけを食事にする訳がなく、得意満面の黒が持ってきた鶏肉(解体済み)を豪快に焼いた。 かってきた が、買ってきたなのか、勝ってきたなのか、飼っていたなのか、狩ってきたなのか……深く考えないのがポイントだ。
責任はクマにある!!
それはさておき……夕食にはまだ早いので、みずみずしく酸味の強い林檎があったので、じっくりとカラメルで煮込んでケーキにしてみた。 これに掃除をすれば、後は本を読んでマッタリすればよい感じで1日を終える事ができ、嫌な事は思い出さない。 そんな日々を送っている。
まぁ、現実逃避だし、将来は考えないとダメなんですけどね。
普通、当たり前の生活。
身体に戻るべきなんですけどね。
身体の術式を全て解いた今、多分、戻ろうとすれば戻れる。 それでも戻らないのは……何かが怖いから。 何が怖いのか私の中でもかなり謎だけど……。
なんだか……怖くて仕方がなくて、つい見て見ないふりをしてしまう。
溜息交じりに……術式による拘束を失い、今は世界樹との繋がりのみとなった身体を眺めていれば……不安感が胸を覆いはじめ、私はキッチンの掃除を始めるのだ。 かなり徹底的に……。 ほら、一応他所の人の家だし。
掃除をして気がまぎれたと言うより、色々と忘れて、私は焼けたばかりのタルトタタンをもって寝室だろう部屋へと向かう。
そこは、日ごとに子供用のオモチャ箱のようになり、竜の民……それも身体の大きな宰相さんに合わせたテーブルとソファは2クマによって排除され、私達は毛の長いフワフワな絨毯の上に直接座り日々を送るようになっていた。
2クマはお世辞にも手足が長いとは言えない子熊で、2匹の生活のしやすさ重視だった。
この二熊は知的欲求に盛んならしく、何処から持ち出してきたのか分からない本を読み、書類を読み、色々と突っ込みを入れていたりと人間ごっこを楽しんでいるようだ。
[オヤツの時間ですよ~~]
なかなかの大食漢な二クマのためと言うか、基本的に竜の民は食べる量が多いから、この別荘にある鍋窯食器類全てが大きいので、自然と大きくなったケーキを、ドンっと二クマの前に出す。
うつ伏せに寝転がりながら、それぞれ何かを読み、何かを書いているクマが、 器用が過ぎるが……まぁ、そういうのは多分きっと気にしては負けのような気がする。
そもそもそれを言ったら、竜の民自体が、なぜお前達のような奴等が存在しているんだ? となる訳なのだから。 うん、考える必要もないだろう。
雨は止み5日目を迎えた。
気づけば、季節はもう冬を迎えていた。
竜の民は余り寒さを感じないけど、私には寒い訳だ。
くちゅん!
一応このクシャミは慌てながら、ケーキの反対方向を向いてしている。
「なぜ、マナなのに寒い」
[それは、寒いマナが漂っているからじゃないかな? 世界樹が竜の民のマナ放出を吸収する事で、本来の循環を取り戻そうとしているんじゃないかな?]
むくっと立ち上がった黒が私の側に腰を下ろした。
[なに?]
「風邪を引かれても困るからな」
[風邪は身体の不都合だと思うから、平気よ。 多分?]
そう言いながら、私は珈琲を入れる。
クマに珈琲? と、疑問に思わずにいられないけれど……まぁ、普通のクマは喋らないしありなのだと思う。 因みに白は紅茶派で自分で淹れている。
「シーラはどうします?」
[私も紅茶で、珈琲は匂いだけでご馳走様だよ]
珈琲は贅沢貴族の嗜好品なため、宰相さんの別荘に来るまで飲んだ事が無かったのだけど、苦かった……なんで、あんなのが良いのだろう? アロマ用としてなら良いんだけどなぁ……。
飲み物の準備も終えて、オヤツの時間。
なぜか私は黒を背もたれ代わりに抱っこされていて、白がケーキを切り分けていた。
[どうして抱っこ?]
「寒いんだろう?」
[まぁ、寒いけど]
もふもふっと温かな黒は、体温がかなり高めだから助かると言えば助かる。
「風邪を引かれたら困る。 と言うか……シーラはすぐに死にそうだから」
[そこまで弱くないよ。 黒は竜の民しか見たことないから、私が弱く見えるのかもだけど、別に私はそこまで弱くないから]
竜の民は風邪をひかない。
マナ異常で弱った時が死ぬときって言われている。 母が、それで死んだ……。 ……あの頃の私には遠くから見ているしかできなかったのだけど、父であれば母のマナを整え治せたと思う。
「美味いな」
「えぇ、美味しいですね」
「竜が作る料理は、例え王宮の料理人であってもかなり大雑把だからな」
「ですね。 同じようなケーキを見たことがありますが、リンゴの表面に砂糖をまぶして、火を噴いてあぶってましたからね」
[それは、かなり豪快ね]
「割と何でもそうかな……上品な私むきではないな」
「オマエは上品じゃなくって冷血って言うんだ」
「体温が低いだけですよ。 私の方が黒より余程好かれてます」
クマの集落でもあるのだろうか? と言うか、王宮にも出入りしているのか、このクマたちは……。
[そんなところに入って捕まったら大変だよ。 強い人達が沢山いるだろうから、止めた方がいいよ。 ご飯なら私が作るから]
とは言っても、宰相さんのお食料保管庫に住み続けるのはどうなのかとは思うけど……。 これは、一度……公爵家に戻って執事のニウス……いえ当主のローマンに相談したほうが良いかもしれない……。
宰相さん家の食料を食べちゃった件も含めて……。
なんて考えている頃……。
私の生まれ育った家をべちゃんこにされ、トロワ公爵家では大騒ぎになっていたらしい。 なんて言っても王子2人から制裁を受けた感じで、なおかつ、それによって世界樹が正しく動き出したとあっては……トロワ公爵家の失態と言う事になるだろう。
知らないうちにトロワ公爵家の未熟な当主は、王族と上級貴族が集まる会議の中、大きな竜の人達に囲まれ……危機的状況に追い詰められていたのだった。
今も宰相さんの別荘にいたりするのだけど、流石に今後を考えなければいけない気がする……けど、魔術? マナコントロールばかりを勉強してきた私にとって、さぁ、今日から自由ですよと言われても何をして生きて行けばいいのか……どう生きて行けばいいのか……不安でしかない。
だから私は、台所に立つ。
料理と掃除は、気分転換には最適だよね……。
宰相さんの別荘は何処までも豪華だった。
[住んでもいないのにここまでの食料備蓄が必要なの?]
「この国は作物の収穫量が少ない割に、1人当たりの食べる量が多いので溜める事は大切なのですよ」
白がそう説明してくれれば、別荘と言うより……彼方此方に食べ物を隠し持っているリス的なものを想像して私は納得した。
日のあたらない地下深く肌寒さに震えるような場所に大量の食糧が保管されていた。
根菜類や果物、チーズや加工肉。
肉や魚類は氷で作られた蔵に。
後はお酒類。
葉物や卵、牛乳等はクマ‘sが何処からともなく持って来ていた。
本日の食料調達を行った白の希望で今日のスープはカブのスープに決まった。 玉ねぎとベーコンを炒め旨味を出した所に水を入れ、前日作っていた骨と野菜くずで作ったスープの素を使いゴロゴロのカブとカブの葉を煮込む。 カブを煮込み過ぎないのがポイント。
当然、熊相手に野菜スープだけを食事にする訳がなく、得意満面の黒が持ってきた鶏肉(解体済み)を豪快に焼いた。 かってきた が、買ってきたなのか、勝ってきたなのか、飼っていたなのか、狩ってきたなのか……深く考えないのがポイントだ。
責任はクマにある!!
それはさておき……夕食にはまだ早いので、みずみずしく酸味の強い林檎があったので、じっくりとカラメルで煮込んでケーキにしてみた。 これに掃除をすれば、後は本を読んでマッタリすればよい感じで1日を終える事ができ、嫌な事は思い出さない。 そんな日々を送っている。
まぁ、現実逃避だし、将来は考えないとダメなんですけどね。
普通、当たり前の生活。
身体に戻るべきなんですけどね。
身体の術式を全て解いた今、多分、戻ろうとすれば戻れる。 それでも戻らないのは……何かが怖いから。 何が怖いのか私の中でもかなり謎だけど……。
なんだか……怖くて仕方がなくて、つい見て見ないふりをしてしまう。
溜息交じりに……術式による拘束を失い、今は世界樹との繋がりのみとなった身体を眺めていれば……不安感が胸を覆いはじめ、私はキッチンの掃除を始めるのだ。 かなり徹底的に……。 ほら、一応他所の人の家だし。
掃除をして気がまぎれたと言うより、色々と忘れて、私は焼けたばかりのタルトタタンをもって寝室だろう部屋へと向かう。
そこは、日ごとに子供用のオモチャ箱のようになり、竜の民……それも身体の大きな宰相さんに合わせたテーブルとソファは2クマによって排除され、私達は毛の長いフワフワな絨毯の上に直接座り日々を送るようになっていた。
2クマはお世辞にも手足が長いとは言えない子熊で、2匹の生活のしやすさ重視だった。
この二熊は知的欲求に盛んならしく、何処から持ち出してきたのか分からない本を読み、書類を読み、色々と突っ込みを入れていたりと人間ごっこを楽しんでいるようだ。
[オヤツの時間ですよ~~]
なかなかの大食漢な二クマのためと言うか、基本的に竜の民は食べる量が多いから、この別荘にある鍋窯食器類全てが大きいので、自然と大きくなったケーキを、ドンっと二クマの前に出す。
うつ伏せに寝転がりながら、それぞれ何かを読み、何かを書いているクマが、 器用が過ぎるが……まぁ、そういうのは多分きっと気にしては負けのような気がする。
そもそもそれを言ったら、竜の民自体が、なぜお前達のような奴等が存在しているんだ? となる訳なのだから。 うん、考える必要もないだろう。
雨は止み5日目を迎えた。
気づけば、季節はもう冬を迎えていた。
竜の民は余り寒さを感じないけど、私には寒い訳だ。
くちゅん!
一応このクシャミは慌てながら、ケーキの反対方向を向いてしている。
「なぜ、マナなのに寒い」
[それは、寒いマナが漂っているからじゃないかな? 世界樹が竜の民のマナ放出を吸収する事で、本来の循環を取り戻そうとしているんじゃないかな?]
むくっと立ち上がった黒が私の側に腰を下ろした。
[なに?]
「風邪を引かれても困るからな」
[風邪は身体の不都合だと思うから、平気よ。 多分?]
そう言いながら、私は珈琲を入れる。
クマに珈琲? と、疑問に思わずにいられないけれど……まぁ、普通のクマは喋らないしありなのだと思う。 因みに白は紅茶派で自分で淹れている。
「シーラはどうします?」
[私も紅茶で、珈琲は匂いだけでご馳走様だよ]
珈琲は贅沢貴族の嗜好品なため、宰相さんの別荘に来るまで飲んだ事が無かったのだけど、苦かった……なんで、あんなのが良いのだろう? アロマ用としてなら良いんだけどなぁ……。
飲み物の準備も終えて、オヤツの時間。
なぜか私は黒を背もたれ代わりに抱っこされていて、白がケーキを切り分けていた。
[どうして抱っこ?]
「寒いんだろう?」
[まぁ、寒いけど]
もふもふっと温かな黒は、体温がかなり高めだから助かると言えば助かる。
「風邪を引かれたら困る。 と言うか……シーラはすぐに死にそうだから」
[そこまで弱くないよ。 黒は竜の民しか見たことないから、私が弱く見えるのかもだけど、別に私はそこまで弱くないから]
竜の民は風邪をひかない。
マナ異常で弱った時が死ぬときって言われている。 母が、それで死んだ……。 ……あの頃の私には遠くから見ているしかできなかったのだけど、父であれば母のマナを整え治せたと思う。
「美味いな」
「えぇ、美味しいですね」
「竜が作る料理は、例え王宮の料理人であってもかなり大雑把だからな」
「ですね。 同じようなケーキを見たことがありますが、リンゴの表面に砂糖をまぶして、火を噴いてあぶってましたからね」
[それは、かなり豪快ね]
「割と何でもそうかな……上品な私むきではないな」
「オマエは上品じゃなくって冷血って言うんだ」
「体温が低いだけですよ。 私の方が黒より余程好かれてます」
クマの集落でもあるのだろうか? と言うか、王宮にも出入りしているのか、このクマたちは……。
[そんなところに入って捕まったら大変だよ。 強い人達が沢山いるだろうから、止めた方がいいよ。 ご飯なら私が作るから]
とは言っても、宰相さんのお食料保管庫に住み続けるのはどうなのかとは思うけど……。 これは、一度……公爵家に戻って執事のニウス……いえ当主のローマンに相談したほうが良いかもしれない……。
宰相さん家の食料を食べちゃった件も含めて……。
なんて考えている頃……。
私の生まれ育った家をべちゃんこにされ、トロワ公爵家では大騒ぎになっていたらしい。 なんて言っても王子2人から制裁を受けた感じで、なおかつ、それによって世界樹が正しく動き出したとあっては……トロワ公爵家の失態と言う事になるだろう。
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