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26.これも私が悪いの?
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早朝早く目を覚まし、身支度を整えてパン生地を作る。
……魔術で……これは秘密。
店主家族は日々起きるのが遅くなっていて、最近は昼過ぎに起きて来る。 自由に出来る時間があるから私は魔術を使う。 仕事は一人でする方が楽。 魔術を使ってなければ無理。 きっとパン屋家族が全員で手伝ってくれていても無理だと思う。
常連さんから受けている注文を確認+αで店舗用。
食パン、堅パン、バターパン、蒸パン。
忙しい人向けの総菜パン。
特別な日用の菓子パン。
これにお貴族様専用の高価なパンの開発を命じられている。 店主が貴族様専用の食材を無暗に買って来るから、それをどう使うか考えて作る。
のだけど……
店主が期待しているような貴族様なんて、宰相さんから予約を受けるようになった1月前から全く増えていないのに、店主はまだ貴族ご用達となることを諦めていないから困ってしまう。
魔術でパン生地の材料を混ぜつくり、発酵を促し、その間に店舗の掃除を行うのだけど、その頃に狙ったようにポトンと封筒入りのカードが床に落ちる。
大体3日の1回……から1日に2回。
『愛している』
『君は素晴らしい人だ』
『君が酷い扱いを受けているのが耐えられない』
『私に助けさせて欲しい』
『君に触れたい』
『会えないのが辛い』
『君を僕の色に染め上げたい』
『一緒に食事をしたい』
『君を守りたい』
この言葉に、季節の移り変わり、側を通るときのパンの香り、王都の情勢等の感想、それに美しい花びら、色づいた葉、私を描いた絵が一緒に入っている事もある。
そのメッセージが届き始める少し前から貴族騎士はパンを買いに来なくなっていた。 多分、彼だろうと言う思いはあったのだけど、顔を見せないから見て見ないふりが出来た。 まぁ、顔を見ていても適当に誤魔化し笑いをするだけなのだけど……。
それよりも、問題は……店主のイライラ。
イライラを気晴らしするために酒を飲み、起きるのが遅くなる。
それでも接客をしているだけ良いのかな?
「なぜ、貴族の客が増えない?! 閣下のご用達ともなれば貴族が興味を持つものだろう!!」
これ以上……いえ、もう十二分に一人で作る量の限界を迎えているのだから……私としては助かっている。
店主のイライラは日々増してくる。
家族間の関係を維持するためか?
イライラの矛先は他人の私が悪いで収められて日々が過ぎる。
「どうなっているんだ!! オマエは、何か失礼な事でも言ったんじゃないか!! 閉店間際に買占めてくれる良客だったんだぞ!! 今度顔を合わせた時には、愛しているぐらい言ってやれ!!」
「そんな無責任な事は言えません!!」
「オマエは、うちを潰したいのか!!」
「閉店後、割引をして宿屋、酒場、露天商等に売ればどうなんですか?」
「割引だと?! うちの価値を下げるような事をしては、貴族の客がつかなくなる!! あぁ、うるさい!! ぐちゃぐちゃと!! なんで俺に逆らうんだ!!」
投げつけられるのは、めん棒。
びっくりして逃げるのが遅れ額にあたった。
「いたっ!!」
うずくまった私の髪を引っ張り、果物をカットしていたナイフを首元に当てた。
「……」
「貴族相手にもっとうまく立ち回れ」
ヒヤリとしたナイフの感触、果物の匂い……だけど……
「私が居ないとパンが出せない癖に」
言えば、顔を真っ赤にしながら私を無造作にオーブンに向かって叩きつける。 火が入ってなくて良かった……。
「もう……やだ……」
ボソリと呟いたその日から、仕事中見張られ、それ以外の時は鎖で繋がれるようになった。
『愛している』
『囚われの君も美しい』
『僕の腕の中で、君を閉じ込めたい』
メッセージの内容は、私の状況を分かっているようで……それを楽しんでいるようで……。
「父さんに逆らえばどうなるか分かっているの? 早く配達の準備をしないと」
店主の息子が私を見張る。
早朝の下準備、掃除時間は、長い鎖でつながれた状態で仕事を行っている。 人目につかない限り鎖は解かれる事がない。
チャンスは巡らない。
メッセージを送りながら、貴族騎士は助けようとしてくれない。
「閣下に認められるパンを焼け!! オマエが中途半端なものしか作らないから、閣下はうちのパンを広めてくれないんだ!! 出しても出しても貴族が店に来ることはない、オマエの努力不足だ!!」
貴族専用の高価なパンを作れと言われ作った。
その日は特に気合を入れさせられ、新鮮なフルーツが購入されていた。
日々通ってくる宰相家の使用人が依頼したのかと思って作った。 レモンから取り出した増粘安定剤に砂糖を混ぜ、飾り用のフルーツを宝石のように輝かせた。 時間と暇をかけて作ったソレは、他のパンと同じように店に並べられ……売れ残った。
「なんでオマエは、売れる商品を作れないんだ!! 給料から引いて置くぞ!」
「分かりました。 新商品は自分で買います」
最初は……親切な人達だったのに……自分で住めるように手入れをするならと店の天井裏を使わせてもらった当時は無料だったのに、今では綺麗だからと家賃と言って給料を引いた。 食事を作れば店主家族が私より先に食べるけれど、材料費は出してくれない。 買い物の駄賃と調理場の使用量らしい。 貯金をする余裕がなくなってきていた。
私は……勢いのままに残り物のパンを籠に入れ、代金を支払い籠と共に外へと出た。
いや、逃げ出した。
このまま逃げ出す気だった。
「待て!! 何処に行くんだ!!」
追われて私は必死に逃げようとした。 近所の常連さんが、私と追って来る店主とその家族の間にさり気に立ち塞がってくれたから、私は逃げ出す事が出来た。
もういい……帰らない。
もともとパン作りが特別好きな訳じゃない。
美味しいものを食べるのが好きだっただけ。
だから、生きていく方法として利用しようと考えたのに……、嫌だなぁと思うようになっていた。 店主だって私が居なければ、自分で地道にパンを作っていて、酒におぼれる事も無かっただろう。 奥さんも娘さんもお洒落にお金を使い周囲との軋轢を生む事は無かったのだろう。
私って……ダメだなぁ……。
「どうしたの?」
突然に声をかけられビクッとした。
声が若いと言うか幼さのある柔らかな中性的な声で、貴族騎士ではない事はすぐにわかった。
「何でもありませんよ」
振り返り笑って見せる。
品の良いがシンプルな服を着た少年だった。 背丈は、私のウエストあたりの……多分子供。 マナの量が多い子だから、外見年齢が生まれた年数とは限らないし……貴族らしい華やかな服ではないけれど庶民には思えなかった。
白銀の髪に青い瞳、中性的な穏やかな顔立ち。
「そんな風には見えませんよ。 それにそんな寒そうな恰好で外に出歩くのは良くはないです。 えっと……私の上着は小さすぎますね。 どこかお茶の飲める所に行きましょうか?」
「お茶ですか?」
思い当たるのは、茶葉を売る店での試飲ぐらいだろうか? お酒を飲む場はあるけれど、お茶を飲ませる店等はない。 ただ、良いお茶を買ってもらうために、試飲をさせているだけだ。
「えぇ、美味しそうなパンを持っているのを見ていたら、美味しいお茶も必要でしょう。 パンを私に分けてくれたら、美味しいお茶をご馳走しますよ」
お互い様な条件を少年は出してきたけど……今の私は人を信用する気分になれなかった。
……魔術で……これは秘密。
店主家族は日々起きるのが遅くなっていて、最近は昼過ぎに起きて来る。 自由に出来る時間があるから私は魔術を使う。 仕事は一人でする方が楽。 魔術を使ってなければ無理。 きっとパン屋家族が全員で手伝ってくれていても無理だと思う。
常連さんから受けている注文を確認+αで店舗用。
食パン、堅パン、バターパン、蒸パン。
忙しい人向けの総菜パン。
特別な日用の菓子パン。
これにお貴族様専用の高価なパンの開発を命じられている。 店主が貴族様専用の食材を無暗に買って来るから、それをどう使うか考えて作る。
のだけど……
店主が期待しているような貴族様なんて、宰相さんから予約を受けるようになった1月前から全く増えていないのに、店主はまだ貴族ご用達となることを諦めていないから困ってしまう。
魔術でパン生地の材料を混ぜつくり、発酵を促し、その間に店舗の掃除を行うのだけど、その頃に狙ったようにポトンと封筒入りのカードが床に落ちる。
大体3日の1回……から1日に2回。
『愛している』
『君は素晴らしい人だ』
『君が酷い扱いを受けているのが耐えられない』
『私に助けさせて欲しい』
『君に触れたい』
『会えないのが辛い』
『君を僕の色に染め上げたい』
『一緒に食事をしたい』
『君を守りたい』
この言葉に、季節の移り変わり、側を通るときのパンの香り、王都の情勢等の感想、それに美しい花びら、色づいた葉、私を描いた絵が一緒に入っている事もある。
そのメッセージが届き始める少し前から貴族騎士はパンを買いに来なくなっていた。 多分、彼だろうと言う思いはあったのだけど、顔を見せないから見て見ないふりが出来た。 まぁ、顔を見ていても適当に誤魔化し笑いをするだけなのだけど……。
それよりも、問題は……店主のイライラ。
イライラを気晴らしするために酒を飲み、起きるのが遅くなる。
それでも接客をしているだけ良いのかな?
「なぜ、貴族の客が増えない?! 閣下のご用達ともなれば貴族が興味を持つものだろう!!」
これ以上……いえ、もう十二分に一人で作る量の限界を迎えているのだから……私としては助かっている。
店主のイライラは日々増してくる。
家族間の関係を維持するためか?
イライラの矛先は他人の私が悪いで収められて日々が過ぎる。
「どうなっているんだ!! オマエは、何か失礼な事でも言ったんじゃないか!! 閉店間際に買占めてくれる良客だったんだぞ!! 今度顔を合わせた時には、愛しているぐらい言ってやれ!!」
「そんな無責任な事は言えません!!」
「オマエは、うちを潰したいのか!!」
「閉店後、割引をして宿屋、酒場、露天商等に売ればどうなんですか?」
「割引だと?! うちの価値を下げるような事をしては、貴族の客がつかなくなる!! あぁ、うるさい!! ぐちゃぐちゃと!! なんで俺に逆らうんだ!!」
投げつけられるのは、めん棒。
びっくりして逃げるのが遅れ額にあたった。
「いたっ!!」
うずくまった私の髪を引っ張り、果物をカットしていたナイフを首元に当てた。
「……」
「貴族相手にもっとうまく立ち回れ」
ヒヤリとしたナイフの感触、果物の匂い……だけど……
「私が居ないとパンが出せない癖に」
言えば、顔を真っ赤にしながら私を無造作にオーブンに向かって叩きつける。 火が入ってなくて良かった……。
「もう……やだ……」
ボソリと呟いたその日から、仕事中見張られ、それ以外の時は鎖で繋がれるようになった。
『愛している』
『囚われの君も美しい』
『僕の腕の中で、君を閉じ込めたい』
メッセージの内容は、私の状況を分かっているようで……それを楽しんでいるようで……。
「父さんに逆らえばどうなるか分かっているの? 早く配達の準備をしないと」
店主の息子が私を見張る。
早朝の下準備、掃除時間は、長い鎖でつながれた状態で仕事を行っている。 人目につかない限り鎖は解かれる事がない。
チャンスは巡らない。
メッセージを送りながら、貴族騎士は助けようとしてくれない。
「閣下に認められるパンを焼け!! オマエが中途半端なものしか作らないから、閣下はうちのパンを広めてくれないんだ!! 出しても出しても貴族が店に来ることはない、オマエの努力不足だ!!」
貴族専用の高価なパンを作れと言われ作った。
その日は特に気合を入れさせられ、新鮮なフルーツが購入されていた。
日々通ってくる宰相家の使用人が依頼したのかと思って作った。 レモンから取り出した増粘安定剤に砂糖を混ぜ、飾り用のフルーツを宝石のように輝かせた。 時間と暇をかけて作ったソレは、他のパンと同じように店に並べられ……売れ残った。
「なんでオマエは、売れる商品を作れないんだ!! 給料から引いて置くぞ!」
「分かりました。 新商品は自分で買います」
最初は……親切な人達だったのに……自分で住めるように手入れをするならと店の天井裏を使わせてもらった当時は無料だったのに、今では綺麗だからと家賃と言って給料を引いた。 食事を作れば店主家族が私より先に食べるけれど、材料費は出してくれない。 買い物の駄賃と調理場の使用量らしい。 貯金をする余裕がなくなってきていた。
私は……勢いのままに残り物のパンを籠に入れ、代金を支払い籠と共に外へと出た。
いや、逃げ出した。
このまま逃げ出す気だった。
「待て!! 何処に行くんだ!!」
追われて私は必死に逃げようとした。 近所の常連さんが、私と追って来る店主とその家族の間にさり気に立ち塞がってくれたから、私は逃げ出す事が出来た。
もういい……帰らない。
もともとパン作りが特別好きな訳じゃない。
美味しいものを食べるのが好きだっただけ。
だから、生きていく方法として利用しようと考えたのに……、嫌だなぁと思うようになっていた。 店主だって私が居なければ、自分で地道にパンを作っていて、酒におぼれる事も無かっただろう。 奥さんも娘さんもお洒落にお金を使い周囲との軋轢を生む事は無かったのだろう。
私って……ダメだなぁ……。
「どうしたの?」
突然に声をかけられビクッとした。
声が若いと言うか幼さのある柔らかな中性的な声で、貴族騎士ではない事はすぐにわかった。
「何でもありませんよ」
振り返り笑って見せる。
品の良いがシンプルな服を着た少年だった。 背丈は、私のウエストあたりの……多分子供。 マナの量が多い子だから、外見年齢が生まれた年数とは限らないし……貴族らしい華やかな服ではないけれど庶民には思えなかった。
白銀の髪に青い瞳、中性的な穏やかな顔立ち。
「そんな風には見えませんよ。 それにそんな寒そうな恰好で外に出歩くのは良くはないです。 えっと……私の上着は小さすぎますね。 どこかお茶の飲める所に行きましょうか?」
「お茶ですか?」
思い当たるのは、茶葉を売る店での試飲ぐらいだろうか? お酒を飲む場はあるけれど、お茶を飲ませる店等はない。 ただ、良いお茶を買ってもらうために、試飲をさせているだけだ。
「えぇ、美味しそうなパンを持っているのを見ていたら、美味しいお茶も必要でしょう。 パンを私に分けてくれたら、美味しいお茶をご馳走しますよ」
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