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53.防衛会議
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間者の存在を聞き、ボンヤリと日々を過ごしていたアルフレットがようやく活動し始めた。 やはり団長は王や王妃様と同様に国を愛しているんだ。 多くのものがそう思い安堵した。
久々に開かれる幹部会。
トップが狼姿と言うのが、先日までのアルフレットの腑抜けぶりを知っているだけに、殆どのものは見て見ぬふりを決めた。
集まったのは、
アルフレット
色騎士の隊長、魔導師長、
色騎士(赤、青、黄、緑、白、黒)
呪術部長、解析部長、情報部長、
その6割が動物化しており、お世話係に一般の騎士が助手としてついている。
黒に所属しながらもアルフレットの従者兼副団長であるロイが発言する。
「現在、近隣3国から間者が頻繁に王都に侵入。 各地で魔獣を解放、放火、橋、道路など重要施設のインフラを中心に破壊させている状況です。 対応は、隠居組の騎士復帰、冒険者の雇用を行い治安維持に努めておりますが……これは、開戦宣言がなされていないだけで、既に戦争と言って良いでしょう」
「今後の激化も考えたら、ご隠居様や一流冒険者が呪われることも配慮しないとダメよねぇ?」
ジュリが疲れた様子で言えば、アルフレットは同意した。
「そういう事も、あるだろうな。 忙しいだろうが、順次彼等の身代わり人形の制作も頼む」
「本当に、無茶を言うわね……呪術部、魔道騎士さんから人材を借りられないものかしら?」
小さなハリネズミとなった魔道騎士長が言う。
「うちは、魔力を爆発させるのが専門でね」
ミーヤキャットな呪術部長は、
「うちは対応できるだろうけれど、戦時に入るなら呪符を作っておく必要もあるから、他所に避ける人員はありませんな。 むしろ外部でありますが、教会に頼むのがよろしいのではないでしょうか?」
呪術部長の言葉はまっとうだが、その瞬間アルフレットの耳と尻尾がシュンと垂れた。
「3国はココまでコチラの戦力を入念に削ぎ、何を考えているんでしょう?」
ゴリラな騎士団長が問えば、リーンが答えた。
「公にはなっていないけど、周辺3国は日照りと大雨が交互に来て夏の収穫も全滅、秋収穫のものも夏の大雨で流され、日照りで消滅。 この冬どころか今も食糧がやばいらしいよ」
黄騎士が苦笑交じりに言う。
「うちの王妃様は、貴族騎士であろうと関わらず、力があるなら働けって、貯水池の管理、山の手入れ、暇なら畑も耕せって人だからなぁ……かなり強引だが、あの先見の明には感服する」
大地との調和性が高い緑騎士は、最も民衆に近い働きをしており愛情を向けられ、ミニドラゴンの姿となっていた。
「ですね、うちは例年以上の作物が期待できるのですから、普通に支援を要請してくればいいものを」
黄騎士の従者が言えば、ロイが淡々と述べる。
「守るべき自国の国民がいる以上、彼等が望むような作物の放出は行いませんよ。 彼等に無駄にされた作物も、民もありますからね。 それに今年は良くても来年が良いとは限りませんからね」
「うぉん!」
アルフレットが吠えれば、視線が集まる。
「そんな訳で、3国の連中は農耕地には手を出さない。 奴らが行うのは我が国の王家簒奪。 そして、食糧庫を解放した上で、植民地化を進めていくのが目的だろうと予測している。 ただ、これはあくまで憶測であり、今後の諜報部隊の活躍に期待する。」
アルフレットの言葉に全員が頷いた。
「面倒をかけるが、まずは向こうの油断を誘いたい。 呪いの解除はシバラク待ってもらうことになるが、いつでも解除できるように準備だけはしておいて欲しい」
「はっ!!」
黒、黄は諜報活動。
白は呪術部と合流し呪符づくり。
赤、青は王都の見回りと各ギルドとの連携調整。
緑と一般騎士はインフラの回復と非常時の非難ルートの確認、非難先の選定。
このように各々の仕事が任された。
そうして会議は解散となった。
そして、ジュリはアルフレットの前に立ちふさがる。
「さて、今日こそ団長の身代わり人形を作成しましょうか?」
久々に開かれる幹部会。
トップが狼姿と言うのが、先日までのアルフレットの腑抜けぶりを知っているだけに、殆どのものは見て見ぬふりを決めた。
集まったのは、
アルフレット
色騎士の隊長、魔導師長、
色騎士(赤、青、黄、緑、白、黒)
呪術部長、解析部長、情報部長、
その6割が動物化しており、お世話係に一般の騎士が助手としてついている。
黒に所属しながらもアルフレットの従者兼副団長であるロイが発言する。
「現在、近隣3国から間者が頻繁に王都に侵入。 各地で魔獣を解放、放火、橋、道路など重要施設のインフラを中心に破壊させている状況です。 対応は、隠居組の騎士復帰、冒険者の雇用を行い治安維持に努めておりますが……これは、開戦宣言がなされていないだけで、既に戦争と言って良いでしょう」
「今後の激化も考えたら、ご隠居様や一流冒険者が呪われることも配慮しないとダメよねぇ?」
ジュリが疲れた様子で言えば、アルフレットは同意した。
「そういう事も、あるだろうな。 忙しいだろうが、順次彼等の身代わり人形の制作も頼む」
「本当に、無茶を言うわね……呪術部、魔道騎士さんから人材を借りられないものかしら?」
小さなハリネズミとなった魔道騎士長が言う。
「うちは、魔力を爆発させるのが専門でね」
ミーヤキャットな呪術部長は、
「うちは対応できるだろうけれど、戦時に入るなら呪符を作っておく必要もあるから、他所に避ける人員はありませんな。 むしろ外部でありますが、教会に頼むのがよろしいのではないでしょうか?」
呪術部長の言葉はまっとうだが、その瞬間アルフレットの耳と尻尾がシュンと垂れた。
「3国はココまでコチラの戦力を入念に削ぎ、何を考えているんでしょう?」
ゴリラな騎士団長が問えば、リーンが答えた。
「公にはなっていないけど、周辺3国は日照りと大雨が交互に来て夏の収穫も全滅、秋収穫のものも夏の大雨で流され、日照りで消滅。 この冬どころか今も食糧がやばいらしいよ」
黄騎士が苦笑交じりに言う。
「うちの王妃様は、貴族騎士であろうと関わらず、力があるなら働けって、貯水池の管理、山の手入れ、暇なら畑も耕せって人だからなぁ……かなり強引だが、あの先見の明には感服する」
大地との調和性が高い緑騎士は、最も民衆に近い働きをしており愛情を向けられ、ミニドラゴンの姿となっていた。
「ですね、うちは例年以上の作物が期待できるのですから、普通に支援を要請してくればいいものを」
黄騎士の従者が言えば、ロイが淡々と述べる。
「守るべき自国の国民がいる以上、彼等が望むような作物の放出は行いませんよ。 彼等に無駄にされた作物も、民もありますからね。 それに今年は良くても来年が良いとは限りませんからね」
「うぉん!」
アルフレットが吠えれば、視線が集まる。
「そんな訳で、3国の連中は農耕地には手を出さない。 奴らが行うのは我が国の王家簒奪。 そして、食糧庫を解放した上で、植民地化を進めていくのが目的だろうと予測している。 ただ、これはあくまで憶測であり、今後の諜報部隊の活躍に期待する。」
アルフレットの言葉に全員が頷いた。
「面倒をかけるが、まずは向こうの油断を誘いたい。 呪いの解除はシバラク待ってもらうことになるが、いつでも解除できるように準備だけはしておいて欲しい」
「はっ!!」
黒、黄は諜報活動。
白は呪術部と合流し呪符づくり。
赤、青は王都の見回りと各ギルドとの連携調整。
緑と一般騎士はインフラの回復と非常時の非難ルートの確認、非難先の選定。
このように各々の仕事が任された。
そうして会議は解散となった。
そして、ジュリはアルフレットの前に立ちふさがる。
「さて、今日こそ団長の身代わり人形を作成しましょうか?」
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