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「ヴォルフラム。天族がどこにいるかわかりますか」
「わからないな」
天族が厄介なのは移動能力に長けていることが挙げられる。
大きな白い翼で空を自由に飛ぶ。雨は苦手なため、雨が降っている地域には現れないと言われている。ジークベルトたちは現れない地域ではなく、現れる地域を捜す必要があった。
捜さずに待っていても遭遇することはできる。彼らの目的が人間の殲滅である以上、魔人を倒す必要があるのだから、動かなくても最後はこの首都にやってきて王城を狙う。
「それでは、天族を保護していたフリアエとは何種でどこに生息しているのでしょうか」
ジークベルトの問いにヴォルフラムは間髪を入れずはっきりと答えた。
「汽水魚人種でネウス川の下流に生息している」
ネウス川流域はグリューネヴェラー公爵の領地にあり、ヴォルフラムは若いころからその近辺の開発を精力的に行っていた。
魔人としての能力と同等ともいえるほどの統治能力を発揮していた。
「ヴォルフラム」
「はい。なんでしょうか? ジークベルト王」
「あなたに作戦を立ててもらいますよヴォルフラム。私がもっとも強い天族を殺せるように作戦を立てなさい。あなたなら出来るでしょう」
◇◇◇◇◇
黒い瞳のツァクマキエルは、臆病風に吹かれ生まれ育ったネウス川下流へと戻ってきた。育ててくれたフリアエの顔をみたら、合流すると告げての一時離脱。
物事を深く考える紫の瞳のセマクィエルは、そのままフリアエの傍に残ってもいいと言ってきたが、ツァクマキエルと同じくらい短慮な青い瞳のサラヒエルは、ぜったいに戻って来るよう命じるかのごとく言った。
赤い瞳のカダキエルも含めて四人は同じようにフリアエに育てられた。誕生には二年から五十年ほどの差はあるが、人間の感覚とは違い僅かでしかない。
青い瞳のサラヒエルは四人のなかでもっとも力が強い。
性格は攻撃的で短慮。彼が人間を滅ぼそうと言いだしたことが始まりでもあった。
紫の瞳のセマクィエルは青い瞳のサラヒエルとは反対に性格は冷静沈着で能力が四人のなかではもっとも弱かった。彼はサラヒエルの意見に懐疑的であったが、他の二人も同意したので同行することにした。
ネウス川下流に戻ってきたツァクマキエルは、嗅いだことはないが危険だとわかる匂いに気付いた。
周囲も静か過ぎた。
彼らが居た頃はもっと動物たちが騒がしく、楽しげに暮らしていた。
「フリアエ?」
川いるはずのフリアエの名を呼ぶが現れる気配がない。
「どこかに行ったのか」
四人が出て行くといった際、フリアエは「おまえたちが戻って来た時には、もういないだろう」と言っていたことを思い出した。
汽水にしか住めないフリアエがどこかへ行くことは容易ではないから「脅しだろう」とカダキエルは言ったのだが、それは脅しではなかったのだとツァクマキエルは感じた。
「フリア……エ」
危険を告げている嗅いだことのない匂い。その元へ吸い寄せられるようにしてツァクマキエルは歩いた。
川から少し離れた木に吊されたフリアエ。痛めつけられた体は、生きているのか死んでいるのかもわからない。
「三人に知らせ……」
知らせに行こうとしたツァクマキエルに、なにかを語ろうとしているかのようにフリアエの腕と唇が動く。
「フリアエ」
生きている!
周囲の警戒をすっかりと忘れてフリアエに近付き、あと少しで手が届くところでフリアエが縦に引き裂かれ内側から人間が現れた。
「お帰り、ツァクマキエル」
「魔人」
肩から翼まで貫かれ、そのままの勢いで引き摺られツァクマキエルは川底に縫い付けられた。
「自己紹介がまだだったな。俺の名前はヴォルフラムだ。グリューネヴェラー・ヴォルフラム」
突き刺された箇所に激痛が走るが、早く逃げなければ危険だと顔を水面から上げたツァクマキエルの耳元でヴォルフラムが”そう”囁いた。
◇◇◇◇◇
聞きたいことを聞きだし、命乞いをするツァクマキエルを殺し、用意しておいた穴にフリアエと共に放り込む。
穴はあと三つあり、墓碑代わりに脇に植樹まで施されていた。
「ヴォルフラム」
山盛りにした土を崩して穴を埋めていたヴォルフラムに声をかけたジークベルトの手には、天族ではない異形が捕らえられていた。
「こちら側から恐怖に戦いた表情で逃げてきたのを捕まえました。名はオルフというそうです」
人間に近い顔と上半身を持ち、馬によく似た下半身を持つ半身馬族。ジークベルトの半分ほどしかない大きさのオルフは、年を経ると人間よりも体が大きくなる半身馬族のなかでは、かなり年若いことがわかる。
「名乗ったのか?」
「もちろん。私は異形の名前など聞きはしません」
顔を腫らしているオルフは、握られている手の色が変色しているが口答えをせず、痛みをも訴えない。
「二本脚の半身馬属か。クラントルからの宣戦布告か?」
「ち、違う! 長はそんなことは望んでない」
「そうか、そうか。じゃあ、お前はたまたまここにやって来て、俺たちと遭遇したってわけか。運が悪いねえ」
「……」
「もう帰るのかな? オルフ」
頷いたオルフを前にしてヴォルフラムはジークベルトの腕を引き無言で”離せ”と言う。ジークベルトが手を離すと、人間では追いつくのが難しいといわれる脚力でこの場から遠ざかろうとオルフは駆け出した―― つもりであったが”転んだ”
地べたに崩れたオルフの目前に、自分の脚とは思えないが、自分の脚があった。現実を拒否しつつ脚に手を伸ばすと、右足が切り落とされていた。
手の感触が間違っているのだと何度も触るが脚はない。
目の前の切り落とされた脚からも、自分からも出血はなく痛みもほとんどない。逆さまに自分をのぞき込むヴォルフラムの笑顔を前にして、頭がすべてを拒否したいと痛み出す。
だが痛みもヴォルフラムの声を遮ることはできない。
「ヴォルフラムに会った証拠を残してやったよ。この切り口でクラントルも信用するさ。お前が天族の意思に賛同するのを止めたってことを」
オルフは立ち上がり―― 急いでこの場から遠ざからなくては ―― 切り落とされた脚を残して去っていった。
ヴォルフラムは脚を拾って穴へと放り投げる。
「ヴォルフラム」
「なんでしょう? ジークベルト王」
「私はあなたがネウス川の河口付近に水門を作ったこと、ネウス川上流に水害防止用の堰を築いたこと、どちらも高く評価していますよ」
「ありがとうございます」
「知ってたんだな」
「まあな」
「生かしておいたのか」
「生かしておいたわけじゃない」
「じゃあなんだ?」
「敵に仕立て上げた。あいつらの自尊心ってやつをくすぐってやったら、軽く飛び立った」
「……」
「戦ってみたくなかった? 滅びし天族、空を支配していた断罪の一族と。バジリウスたちが戦った相手」
「ああ、戦ってみたかった。だから感謝しているよ、ヴォルフラム」
「お前なら喜んでくれると思っていたよ、ジークベルト」
ヴォルフラムはツァクマキエルから聞き出すことができた重要な部分を伝え歩き出した。
「少し旅に出てくる。残りの天族は仲良く殺せよ」
「旅って、目的もない旅ですか?」
「さっき脚を切り落としたオルフが無事に半身馬族の里に帰ることができるかどうか心配だから見届けてやろうとおもってね」
「わからないな」
天族が厄介なのは移動能力に長けていることが挙げられる。
大きな白い翼で空を自由に飛ぶ。雨は苦手なため、雨が降っている地域には現れないと言われている。ジークベルトたちは現れない地域ではなく、現れる地域を捜す必要があった。
捜さずに待っていても遭遇することはできる。彼らの目的が人間の殲滅である以上、魔人を倒す必要があるのだから、動かなくても最後はこの首都にやってきて王城を狙う。
「それでは、天族を保護していたフリアエとは何種でどこに生息しているのでしょうか」
ジークベルトの問いにヴォルフラムは間髪を入れずはっきりと答えた。
「汽水魚人種でネウス川の下流に生息している」
ネウス川流域はグリューネヴェラー公爵の領地にあり、ヴォルフラムは若いころからその近辺の開発を精力的に行っていた。
魔人としての能力と同等ともいえるほどの統治能力を発揮していた。
「ヴォルフラム」
「はい。なんでしょうか? ジークベルト王」
「あなたに作戦を立ててもらいますよヴォルフラム。私がもっとも強い天族を殺せるように作戦を立てなさい。あなたなら出来るでしょう」
◇◇◇◇◇
黒い瞳のツァクマキエルは、臆病風に吹かれ生まれ育ったネウス川下流へと戻ってきた。育ててくれたフリアエの顔をみたら、合流すると告げての一時離脱。
物事を深く考える紫の瞳のセマクィエルは、そのままフリアエの傍に残ってもいいと言ってきたが、ツァクマキエルと同じくらい短慮な青い瞳のサラヒエルは、ぜったいに戻って来るよう命じるかのごとく言った。
赤い瞳のカダキエルも含めて四人は同じようにフリアエに育てられた。誕生には二年から五十年ほどの差はあるが、人間の感覚とは違い僅かでしかない。
青い瞳のサラヒエルは四人のなかでもっとも力が強い。
性格は攻撃的で短慮。彼が人間を滅ぼそうと言いだしたことが始まりでもあった。
紫の瞳のセマクィエルは青い瞳のサラヒエルとは反対に性格は冷静沈着で能力が四人のなかではもっとも弱かった。彼はサラヒエルの意見に懐疑的であったが、他の二人も同意したので同行することにした。
ネウス川下流に戻ってきたツァクマキエルは、嗅いだことはないが危険だとわかる匂いに気付いた。
周囲も静か過ぎた。
彼らが居た頃はもっと動物たちが騒がしく、楽しげに暮らしていた。
「フリアエ?」
川いるはずのフリアエの名を呼ぶが現れる気配がない。
「どこかに行ったのか」
四人が出て行くといった際、フリアエは「おまえたちが戻って来た時には、もういないだろう」と言っていたことを思い出した。
汽水にしか住めないフリアエがどこかへ行くことは容易ではないから「脅しだろう」とカダキエルは言ったのだが、それは脅しではなかったのだとツァクマキエルは感じた。
「フリア……エ」
危険を告げている嗅いだことのない匂い。その元へ吸い寄せられるようにしてツァクマキエルは歩いた。
川から少し離れた木に吊されたフリアエ。痛めつけられた体は、生きているのか死んでいるのかもわからない。
「三人に知らせ……」
知らせに行こうとしたツァクマキエルに、なにかを語ろうとしているかのようにフリアエの腕と唇が動く。
「フリアエ」
生きている!
周囲の警戒をすっかりと忘れてフリアエに近付き、あと少しで手が届くところでフリアエが縦に引き裂かれ内側から人間が現れた。
「お帰り、ツァクマキエル」
「魔人」
肩から翼まで貫かれ、そのままの勢いで引き摺られツァクマキエルは川底に縫い付けられた。
「自己紹介がまだだったな。俺の名前はヴォルフラムだ。グリューネヴェラー・ヴォルフラム」
突き刺された箇所に激痛が走るが、早く逃げなければ危険だと顔を水面から上げたツァクマキエルの耳元でヴォルフラムが”そう”囁いた。
◇◇◇◇◇
聞きたいことを聞きだし、命乞いをするツァクマキエルを殺し、用意しておいた穴にフリアエと共に放り込む。
穴はあと三つあり、墓碑代わりに脇に植樹まで施されていた。
「ヴォルフラム」
山盛りにした土を崩して穴を埋めていたヴォルフラムに声をかけたジークベルトの手には、天族ではない異形が捕らえられていた。
「こちら側から恐怖に戦いた表情で逃げてきたのを捕まえました。名はオルフというそうです」
人間に近い顔と上半身を持ち、馬によく似た下半身を持つ半身馬族。ジークベルトの半分ほどしかない大きさのオルフは、年を経ると人間よりも体が大きくなる半身馬族のなかでは、かなり年若いことがわかる。
「名乗ったのか?」
「もちろん。私は異形の名前など聞きはしません」
顔を腫らしているオルフは、握られている手の色が変色しているが口答えをせず、痛みをも訴えない。
「二本脚の半身馬属か。クラントルからの宣戦布告か?」
「ち、違う! 長はそんなことは望んでない」
「そうか、そうか。じゃあ、お前はたまたまここにやって来て、俺たちと遭遇したってわけか。運が悪いねえ」
「……」
「もう帰るのかな? オルフ」
頷いたオルフを前にしてヴォルフラムはジークベルトの腕を引き無言で”離せ”と言う。ジークベルトが手を離すと、人間では追いつくのが難しいといわれる脚力でこの場から遠ざかろうとオルフは駆け出した―― つもりであったが”転んだ”
地べたに崩れたオルフの目前に、自分の脚とは思えないが、自分の脚があった。現実を拒否しつつ脚に手を伸ばすと、右足が切り落とされていた。
手の感触が間違っているのだと何度も触るが脚はない。
目の前の切り落とされた脚からも、自分からも出血はなく痛みもほとんどない。逆さまに自分をのぞき込むヴォルフラムの笑顔を前にして、頭がすべてを拒否したいと痛み出す。
だが痛みもヴォルフラムの声を遮ることはできない。
「ヴォルフラムに会った証拠を残してやったよ。この切り口でクラントルも信用するさ。お前が天族の意思に賛同するのを止めたってことを」
オルフは立ち上がり―― 急いでこの場から遠ざからなくては ―― 切り落とされた脚を残して去っていった。
ヴォルフラムは脚を拾って穴へと放り投げる。
「ヴォルフラム」
「なんでしょう? ジークベルト王」
「私はあなたがネウス川の河口付近に水門を作ったこと、ネウス川上流に水害防止用の堰を築いたこと、どちらも高く評価していますよ」
「ありがとうございます」
「知ってたんだな」
「まあな」
「生かしておいたのか」
「生かしておいたわけじゃない」
「じゃあなんだ?」
「敵に仕立て上げた。あいつらの自尊心ってやつをくすぐってやったら、軽く飛び立った」
「……」
「戦ってみたくなかった? 滅びし天族、空を支配していた断罪の一族と。バジリウスたちが戦った相手」
「ああ、戦ってみたかった。だから感謝しているよ、ヴォルフラム」
「お前なら喜んでくれると思っていたよ、ジークベルト」
ヴォルフラムはツァクマキエルから聞き出すことができた重要な部分を伝え歩き出した。
「少し旅に出てくる。残りの天族は仲良く殺せよ」
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