死亡回避困難で悪役令嬢は鬱ってる。―理想ENDは天使も悪魔も出し抜いて大往生ですけど?―

ムツキ

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第11章・恩赦

◆ 18・刺客たちの輪舞(中) ◆

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 焦った!!!!
 何とかやり過ごせたが、毎回こうはいかないだろうし……。


 宿屋に戻った私たちは思い思い、部屋で過ごす。
 船長に関しては放置となった。他国であるこの地において突き出すべき役所が不在だ。また、彼は仕事を完遂しただけの船長でしかない。
 誰かが私たちを狙っている事は分かったし、それがモニークとは別の意志によるものだという事も分かった。


 私たちなのか、先輩なのか、……いっそルーファの体を借りた第一王子を狙って……って事は、流石にないか。


「チャーリー、ちょっといいかな?」

 ノックと共にアレックスの声。
 彼を避ける理由はないので、扉を開ける。

「こっそり乗員名簿を拝借したんだ」


 第一王子ともあろうものが盗みをするとは……。


「この中で儀式を使えそうな人物はこの三人」
「何で?」

 突っ込むのも面倒で、先を進める。
 名前しか載ってないノートを見せられても言える事など何もない。

「結界要員で集めた乗員の中でも高位の魔法が使える人物、啓教会とも関係がある人物、両方に当てはまる人をピックアップしたんだ」


 どうやってよ。名前だけでそこまでたどり着いたの??


「あの儀式の間を使った人物って事よね? でも一緒の船に乗っててやる? モニークなんてそれを理由に容疑者から外したのよ、私。ってか、モニークも完全にはシロと思ってないから」
「チャーリーがそう思うのは、モニークの目的が先輩を殺す事だから?」
「そうよ」
「それなら、大勢を巻き込んでやる必要はないよ。砂漠に入れば環境要因からの死亡も演出しやすくなるだろうし」

 嫌な事を平然と言う。
 環境要因の死――いくらでも起きうる地帯に突入するのだ。過去の世界線で一度だって西大陸に足を踏み入れていない。
 私にとっては謎の世界だ。
 アレックスはさらに続ける。

「第一モンスター作りは教団側が行ってきた事で、反教団組織のモニークがその技を使えるのかも怪しい。また、使えたとして、モニークにそれほど強力な魔法が使えるとは思えないんだ。魔法の総量的にも」
「……あんたがそう言うなら、そうなんでしょうよ。でもこの三人の誰かにしろ、全員にしろ、雇われただけなんだろうし? 危険は続くって事よね……」
「そうだね。反組織からのモニーク、モンスターで襲撃の教団、後は……君の父上が用意した刺客もあるかも……」


 なんですって??


 少し言いにくそうな彼に詰め寄る。

「お父様が? え? 私に? 何で??」
「いや、君を狙ってじゃなくて……多分、モニークか先輩を狙って、だと思う」
「え?? 何のために!?」


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