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第11章・恩赦
◆ 19・刺客たちの輪舞(後) ◆
しおりを挟むいやいや、そのスライ先輩とモニークを雇ったのってお父様よね? 自分で雇って自分で狙うってアリ? むしろ、狙いやすくなるから雇ったとか?
父の殺意など基本がヨーク家の利になるかどうかだろう。
普通に考えれば敵対中な事もあり、アレックスが狙われた対象と見てもいいのかもしれない。だが今の彼は、ルーファの姿だ。
流石の父もこの姿でアレックス本人だとは思わない――と考えていたが、あり得ない話ではないのかもしれない。
「あんたを狙ってるんじゃないの? お父様っていつの間にか細かい所まで調べつけちゃってる人よ? どうやって情報を仕入れてるのか謎すぎてキモいのよ」
「……ハハッ、いや、ボク狙いじゃないと思うよ。ところでチャーリーはヨーク家がどちら側についてるか知ってる?」
我が家の事だ。私だってヨーク家令嬢として知るべき事は知っているのだ。
「舐めないでよね、ヨーク家はうまい蜜のある方に肩入れ形式よ!」
胸を反らす私に、アレックスは溜息をつく。あからさますぎる呆れ顔だ。カエルの姿なら、こんなにも腹が立たなかったろう。
「何よ、言いたい事があるなら言いなさいよ」
「えーっと……それ分かってないって事だよね、チャーリー。教団側か反教団側かって意味だったんだけど」
「分かってるって。でも……たぶん、お父様にとって『どっち』なんて意味がないんだと思う」
お父様は灰色計画推進中。そんな人間が片側に寄った考え方をするとも思えないのよね。
今までの世界線でも、父がそんな事を考えていたのかは分からない。私が色々動いて、どんどん世界が変わり始めた結果かもしれない。なにせアレックスすらもイケメンチェンジしている始末だ。
お父様にとっての灰色……。
「二人がお父様のやりたい事の邪魔になっているなら、程良い所で始末を、っては考えてるかもね?」
「……確かにチャーリーの言う通り、ヨーク侯にはそういった一面があるね。でも、貴族とてしの派閥は彼の信念とは別に存在するんだ。そして……ヨーク家は教団側だよ」
そうなの?!?!
今までの色々が頭をよぎる。
「いや、待って? 私ってすっごく教団と相性が悪いというか……命狙われて、殺されて、ひどい目にあって死んできたのよ? あ、言葉通りよ? 本当の本当に『死』んで来たんだからね??」
彼は困ったような表情で頷く。
「うん、そうらしいね……。ルーファから聞いてる」
「だったら、分かるでしょ! ヨーク家がバックアップについてるのに、その娘の私が何だってあんなにも命狙われてきたのよ!」
「声を落として、チャーリー」
「だって……!」
「……チャーリー、酷な事を頼むけど……思い出してみて? ヨーク侯が間に入っていた場合でも、教団に殺されてきた?」
え……っと?
アレックスの言葉に、今度は私が逡巡した。
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