233 / 375
第12章・秘密は舞台
◆ 2・不揃いな助っ人(前) ◆
しおりを挟む
火に焼かれそうになっている中で、火に祈る。
厳密にいえば、フォティアは炎だ。
……それ、って……、私、ミランダを殺した時に……やった手だわ!!
「フォティアに祈るって、つまり炎の魔王に縋るって事ね?! 私って前に契約してるんだもんね?!」
炎の魔王、随分とフランクな女性だったのを覚えている。
私はアーラを差し出す代わりに――。
「そうね……進捗報告!! 進捗報告してもらってないわ!!」
悪魔の地上素通り計画推進に、炎の魔王は他の魔王に働きかけてくれるという話だった。
「〈 フォティア 〉」
呪文を唱えれば、周囲に炎の気配が生まれる。
うん、違う……。絶対的に、何かが違うよね? 悪魔召喚ってどうやるんだっけ!?
〈ネローを……〉
水?
「〈 ネロー 〉」
水の気配が混ざる。
で、どうしろって??
〈ベオルファ〉
口に出そうなど思っていなかった。
ただ、その響きは口から零れ落ちた。
「〈 ベオルファ 〉」
炎と水がぶつかり合い混ざり合う。
それは幻想的ですらあった。部屋に侵入している炎と煙が私の手の中に集約されていく――丸く渦巻く球は、直接触れていない私の手すらも焼きそうなほどに熱さを伝える。高温だ。
手を離すよりも早く、球は爆発した。
またも視界は煙一色。堪らずせき込む私。
何だって言うのよー!!!!
「俺様を呼びし、愚かな魂よ!」
聞き覚えのある声が飛び込んでくる。
「俺様はベオルファ、炎と水の精霊王が系譜ー……って!? チャーリー?!」
「え……、チャーリーィィィィ????」
更に聞き覚えのある声だ。しかも未だかつてない程の取り乱した叫びだ。
パチリと指を鳴らす音と共に、煙が消え去る。
「チャーリー、こ、これを?!」
カエル――ではなく、ルーファの姿をしたアレックスが顔を背けたままマントを差し出す。
その後ろには首を傾げているカエルの姿をした――ルーファだ。
そ、そういえば……!!!!
己の姿を思い出し、短い悲鳴が漏れる。
慌ててアレックスの差し出すマントをもぎ取り羽織る。
「何で、俺様呼んだ? ここドコだよ。俺様、アレックスに言われて王宮にいたんだぜ?」
なんだ、この違和感……ハンパない。
少しも取り乱さないカエルの姿のルーファ。
彼がする嫌そうな態度は、地味にストレスを与えてくる。
「ルーファ止めて、カエルのイメージ崩れる」
「おいおい……」
「ついでに今がどういう状態かって言うと、燃やされてる最中よ」
「マジか……お前どんだけ嫌われてんだよ」
呆れたように言うルーファ。
「え? チャーリー、エイベルはどうしたの? 何でこんなことに」
「いや、知らないし。ってか、あんたが無事で良かったわ。今から共に死ぬ感じだけど」
一人よりはマシかもしれない。
「出るぞ」
流石はルーファだ。
カエルの姿をしていても、悪魔にとって人間の焼き討ちなど大した意味はないらしい。
「おい、アレックス。ぶっ壊せ」
いやいや、誰に向かって言ってんのよ? 武力ゼロ男に投げる言葉としてどうなのよ。
厳密にいえば、フォティアは炎だ。
……それ、って……、私、ミランダを殺した時に……やった手だわ!!
「フォティアに祈るって、つまり炎の魔王に縋るって事ね?! 私って前に契約してるんだもんね?!」
炎の魔王、随分とフランクな女性だったのを覚えている。
私はアーラを差し出す代わりに――。
「そうね……進捗報告!! 進捗報告してもらってないわ!!」
悪魔の地上素通り計画推進に、炎の魔王は他の魔王に働きかけてくれるという話だった。
「〈 フォティア 〉」
呪文を唱えれば、周囲に炎の気配が生まれる。
うん、違う……。絶対的に、何かが違うよね? 悪魔召喚ってどうやるんだっけ!?
〈ネローを……〉
水?
「〈 ネロー 〉」
水の気配が混ざる。
で、どうしろって??
〈ベオルファ〉
口に出そうなど思っていなかった。
ただ、その響きは口から零れ落ちた。
「〈 ベオルファ 〉」
炎と水がぶつかり合い混ざり合う。
それは幻想的ですらあった。部屋に侵入している炎と煙が私の手の中に集約されていく――丸く渦巻く球は、直接触れていない私の手すらも焼きそうなほどに熱さを伝える。高温だ。
手を離すよりも早く、球は爆発した。
またも視界は煙一色。堪らずせき込む私。
何だって言うのよー!!!!
「俺様を呼びし、愚かな魂よ!」
聞き覚えのある声が飛び込んでくる。
「俺様はベオルファ、炎と水の精霊王が系譜ー……って!? チャーリー?!」
「え……、チャーリーィィィィ????」
更に聞き覚えのある声だ。しかも未だかつてない程の取り乱した叫びだ。
パチリと指を鳴らす音と共に、煙が消え去る。
「チャーリー、こ、これを?!」
カエル――ではなく、ルーファの姿をしたアレックスが顔を背けたままマントを差し出す。
その後ろには首を傾げているカエルの姿をした――ルーファだ。
そ、そういえば……!!!!
己の姿を思い出し、短い悲鳴が漏れる。
慌ててアレックスの差し出すマントをもぎ取り羽織る。
「何で、俺様呼んだ? ここドコだよ。俺様、アレックスに言われて王宮にいたんだぜ?」
なんだ、この違和感……ハンパない。
少しも取り乱さないカエルの姿のルーファ。
彼がする嫌そうな態度は、地味にストレスを与えてくる。
「ルーファ止めて、カエルのイメージ崩れる」
「おいおい……」
「ついでに今がどういう状態かって言うと、燃やされてる最中よ」
「マジか……お前どんだけ嫌われてんだよ」
呆れたように言うルーファ。
「え? チャーリー、エイベルはどうしたの? 何でこんなことに」
「いや、知らないし。ってか、あんたが無事で良かったわ。今から共に死ぬ感じだけど」
一人よりはマシかもしれない。
「出るぞ」
流石はルーファだ。
カエルの姿をしていても、悪魔にとって人間の焼き討ちなど大した意味はないらしい。
「おい、アレックス。ぶっ壊せ」
いやいや、誰に向かって言ってんのよ? 武力ゼロ男に投げる言葉としてどうなのよ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています
六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。
しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。
「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
9回巻き戻った公爵令嬢ですが、10回目の人生はどうやらご褒美モードのようです
志野田みかん
恋愛
アリーシア・グランツ公爵令嬢は、異世界から落ちてきた聖女ミアに婚約者を奪われ、断罪されて処刑された。殺されるたびに人生が巻き戻り、そのたびに王太子マクシミリアンはミアに心奪われ、アリーシアは処刑、処刑、処刑!
10回目の人生にして、ようやく貧乏男爵令嬢アリーに生まれ変わった。
もう王太子や聖女には関わらない!と心に決めたのに、病弱な弟のために王宮の侍女として働くことに。するとなぜか、王太子マクシミリアンは聖女ミアには目もくれず、男爵令嬢アリーを溺愛し始めて……。
(頭を空っぽにして笑えることを目指したコメディです。2020年に執筆した作品です。本作を読みたいというお声があったため再掲します)
モブ転生とはこんなもの
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
あたしはナナ。貧乏伯爵令嬢で転生者です。
乙女ゲームのプロローグで死んじゃうモブに転生したけど、奇跡的に助かったおかげで現在元気で幸せです。
今ゲームのラスト近くの婚約破棄の現場にいるんだけど、なんだか様子がおかしいの。
いったいどうしたらいいのかしら……。
現在筆者の時間的かつ体力的に感想などを受け付けない設定にしております。
どうぞよろしくお願いいたします。
他サイトでも公開しています。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる