267 / 375
第13章・悪役闘争
◆ 6・魔王の首 ◆
しおりを挟む
「魔王の首ですって??」
エイベルはこの場にいない。アレックスが彼に別の役目を与えたからだ。
今となっては、この場に彼がいなくて良かったと思う。
「それは、どの魔王か……聞いても?」
魔王と言ってもウチの弟でない可能性はある。なにせ魔王は魔界に数人まだいるのだから――。
「炎の魔王がいいかな!」
よりによって、炎!!!!
私の契約魔王じゃないのっ。
「り、理由を聞いても?」
「え? お姉さん、どうして?」
どうしてって……そりゃぁ……。
炎の魔王とはアーラを引き渡すって契約してるわけで……、コイツは天使側のスパイで……しかも怪しく宙見つめてたし? もしかしてアーラの事で、天使側から炎の魔王排除話が出たって可能性も。
いや、流石に考えすぎ?
「相手は魔王よ、首を取りたいって手伝うにしたって生半可な覚悟じゃできないわ。せめて納得のいく理由とか、なんでソコを選んだのかとか、なんで魔王なのかとか……」
言えば言う程、言い訳じみた口調になる。
彼は「成程ね」と呟き、懐からピンク色の石を取り出した。
「コレに炎の力を入れたいんだよね! 多分、魔王の心臓を入れたら真っ赤に輝くはずなんだっ。そうしたら、死んでるのに死んでない特別な心臓が見れるんだよ!? 凄いなぁって思って、それは是非、見たい!」
「何言ってんのか、よくわからないんだけど? えーっと、心臓を入れるの? 魔王の?」
「あ、首は首で使いたいんだ! 煮込む予定で、あ、それはまた別の薬用なんだけど」
うん、分からない。
チラリとアレックスを見る。
彼は瞬き一つで請け負ってくれた。
「カービー様はご自分のライフワークに対する素材として、魔王が欲しいというわけですね?」
「そうそう!」
「素材としては炎の魔王が最適なのですか?」
「だね! あ、ライフワークの詳しい内容聞きたい? 話すよ!」
「いえ、後ほど個人的に伺いたいと思います。今は条件を詰めましょう。対象は炎の魔王で、生け捕りと討伐、どちらですか?」
「生け捕りかな」
アレックス……クールね。
「次に方法論ですが、シャーロット嬢とスライ様の協力を得て三人で取り組む作業なのか、シャーロット嬢とスライ様が現物支給する形なのか、どちらでしょう?」
「げ、現物……いやいや、アレックス? それはちょっと……」
「時間がもったいないし、現物かな!」
「待って待って!!!! 聖女よりよっぽど高い山じゃないの?! あんた自分でヤんなさいよ!」
先輩も大きく頷く。
だが、彼は首を傾げた。
「魔王なら過去に一匹殺した事あるよ。もう一回チャレンジして成功しちゃってるし、別にって感じかな」
殺せるなら……あんたが、ヤりなさいよ……!!!!
……アレックス、信じていいのよね?! ちゃんと断ってくれるのよね?!
万感の思いを込めて、元婚約者を見つめる。
「では引き換え条件は判明しましたし、決定していいですか?」
無情にも、彼は私と先輩に問いかけた。
エイベルはこの場にいない。アレックスが彼に別の役目を与えたからだ。
今となっては、この場に彼がいなくて良かったと思う。
「それは、どの魔王か……聞いても?」
魔王と言ってもウチの弟でない可能性はある。なにせ魔王は魔界に数人まだいるのだから――。
「炎の魔王がいいかな!」
よりによって、炎!!!!
私の契約魔王じゃないのっ。
「り、理由を聞いても?」
「え? お姉さん、どうして?」
どうしてって……そりゃぁ……。
炎の魔王とはアーラを引き渡すって契約してるわけで……、コイツは天使側のスパイで……しかも怪しく宙見つめてたし? もしかしてアーラの事で、天使側から炎の魔王排除話が出たって可能性も。
いや、流石に考えすぎ?
「相手は魔王よ、首を取りたいって手伝うにしたって生半可な覚悟じゃできないわ。せめて納得のいく理由とか、なんでソコを選んだのかとか、なんで魔王なのかとか……」
言えば言う程、言い訳じみた口調になる。
彼は「成程ね」と呟き、懐からピンク色の石を取り出した。
「コレに炎の力を入れたいんだよね! 多分、魔王の心臓を入れたら真っ赤に輝くはずなんだっ。そうしたら、死んでるのに死んでない特別な心臓が見れるんだよ!? 凄いなぁって思って、それは是非、見たい!」
「何言ってんのか、よくわからないんだけど? えーっと、心臓を入れるの? 魔王の?」
「あ、首は首で使いたいんだ! 煮込む予定で、あ、それはまた別の薬用なんだけど」
うん、分からない。
チラリとアレックスを見る。
彼は瞬き一つで請け負ってくれた。
「カービー様はご自分のライフワークに対する素材として、魔王が欲しいというわけですね?」
「そうそう!」
「素材としては炎の魔王が最適なのですか?」
「だね! あ、ライフワークの詳しい内容聞きたい? 話すよ!」
「いえ、後ほど個人的に伺いたいと思います。今は条件を詰めましょう。対象は炎の魔王で、生け捕りと討伐、どちらですか?」
「生け捕りかな」
アレックス……クールね。
「次に方法論ですが、シャーロット嬢とスライ様の協力を得て三人で取り組む作業なのか、シャーロット嬢とスライ様が現物支給する形なのか、どちらでしょう?」
「げ、現物……いやいや、アレックス? それはちょっと……」
「時間がもったいないし、現物かな!」
「待って待って!!!! 聖女よりよっぽど高い山じゃないの?! あんた自分でヤんなさいよ!」
先輩も大きく頷く。
だが、彼は首を傾げた。
「魔王なら過去に一匹殺した事あるよ。もう一回チャレンジして成功しちゃってるし、別にって感じかな」
殺せるなら……あんたが、ヤりなさいよ……!!!!
……アレックス、信じていいのよね?! ちゃんと断ってくれるのよね?!
万感の思いを込めて、元婚約者を見つめる。
「では引き換え条件は判明しましたし、決定していいですか?」
無情にも、彼は私と先輩に問いかけた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
9回巻き戻った公爵令嬢ですが、10回目の人生はどうやらご褒美モードのようです
志野田みかん
恋愛
アリーシア・グランツ公爵令嬢は、異世界から落ちてきた聖女ミアに婚約者を奪われ、断罪されて処刑された。殺されるたびに人生が巻き戻り、そのたびに王太子マクシミリアンはミアに心奪われ、アリーシアは処刑、処刑、処刑!
10回目の人生にして、ようやく貧乏男爵令嬢アリーに生まれ変わった。
もう王太子や聖女には関わらない!と心に決めたのに、病弱な弟のために王宮の侍女として働くことに。するとなぜか、王太子マクシミリアンは聖女ミアには目もくれず、男爵令嬢アリーを溺愛し始めて……。
(頭を空っぽにして笑えることを目指したコメディです。2020年に執筆した作品です。本作を読みたいというお声があったため再掲します)
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています
六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。
しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。
「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!
モブ転生とはこんなもの
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
あたしはナナ。貧乏伯爵令嬢で転生者です。
乙女ゲームのプロローグで死んじゃうモブに転生したけど、奇跡的に助かったおかげで現在元気で幸せです。
今ゲームのラスト近くの婚約破棄の現場にいるんだけど、なんだか様子がおかしいの。
いったいどうしたらいいのかしら……。
現在筆者の時間的かつ体力的に感想などを受け付けない設定にしております。
どうぞよろしくお願いいたします。
他サイトでも公開しています。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる