死亡回避困難で悪役令嬢は鬱ってる。―理想ENDは天使も悪魔も出し抜いて大往生ですけど?―

ムツキ

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第15章・共謀する聖人

◆ 6・信じたい存在 ◆

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「チャーリー、城を見つけたよ」

 その日の朝食の席――アレックスは重装備で現れた。
 まるで険しい山にでも登るような装いで、数日野宿できそうな程だ。

「……この国、暑いから倒れるわよ」

 冷静に突っ込む。
 そもそも、この地に来た理由は魔王の城だ。見つかったというなら、これほど嬉しい事はないが、彼の装備から察してしまうロクでもない道行に気が重くなる。


 普通に辿り着ける場所じゃないのね……やっぱり。うん。予想はしてたよ……? だって魔王の城だものね?


「チャーリーの分も用意してあるよ。部屋に届けさせたから、用意ができたら行こう」
「……ちなみに……そんな恰好しなきゃいけないような場所にあるの?」

 命に関わるならもちろん、着る。だが、鎧など着つけていない者が付け焼刃で着た所で意味はあるだろうか、とも思う。

「そうだね、砂漠の下にあるんだ」
「……下?」
「地下空洞にあるんだよ」
「……へぇ?」

 あいづちは打つものの、意味はあまり分かっていない。
 それがどうして重装備に繋がるのだろう。

「現地についたらちゃんと説明するよ。それと……、今回エイベルは連れて行かない方向で」

 部屋を出て行く彼を尻目に、食事を再開する。


 エイベルを連れて行かない……? それって本当に大丈夫なの? アレックスは信用してるし、私の唯一に近い……味方だとも……思ってるけど。


 最強の武力であるエイベルと離れるのだ。「はい、分かりました」などと二つ返事を返せることではない。
 なにせ今までが今までだ。避けられる危険は避けたいし、護衛もといガードとなるモノがあるなら、それに頼りたい。
 だからこそ最近では毎日、自分の食事より先に弟の食事を用意し世話をしている。弟とて少しは私の愛情を理解し始めたころだろう。


 今のエイベルなら、私の危機をちゃんと防いでくれるはず。うん。それくらいには仲良くもなったわね? ……っていうのに……なんで??
 未知の城に行こうって言うのに、最強武力を置いていくなんて意味が分からないわ。
 ……アレックスは……、信用していいのよね……?


 慌てて頭を振る。
 良くない考えが心を占めていきそうで、追い払いたかった。

「そうよ……大丈夫」


 大丈夫だ。
 アレックスの今までの言葉、行動……全部が私の味方だったじゃない……。


 脇に立つメイドに声をかける。

「私がいない間、エイベルの食事の世話はしっかりお願いね? あの子、食事抜くと暴れて人殺しかねないから、自衛の為にもしっかりよろしく」

 メイドは微かに身震いし、何度も頷いた。

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