死亡回避困難で悪役令嬢は鬱ってる。―理想ENDは天使も悪魔も出し抜いて大往生ですけど?―

ムツキ

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第15章・共謀する聖人

◆ 7・古城というより廃墟(発見) ◆

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 昼の陽射しの中、崩れかけの砂城が見えて来た。
 言葉通り、砂にまみれているせいで砂の色だし、半分以上が砂に埋まっている。近づけば近づくほど、見えてくる全容に愕然とする。
 崩れた壁、元の色が分からない風化しそうな家具、床板の見えない床。
 むしろ、廃墟だ。

「こんな城……いる?」

 私は信じられない思いで、城を見上げた。
 唯一の同行者アレックスは肩を竦めるのみだ。
 ここまでの行程は普通に馬に乗り、普通に走らせ――予想よりも遠い距離となったが――現在に至る。特に変な連中に絡まれる事も危険もない、穏やかな道中だった。

「見た目は後から整えられるよ。問題は『場』だよ、チャーリー」
「場……って言ったって」

 再度見るが、やはり救いようもないほどの廃墟だ。
 元が普通の家でない事くらいは分かるが、その程度だ。

「で……? まさかココを掃除しろ、とか言わないよね?」
「ここの『時』も『場』も止まっているんだ。魔王が入場する事で、再び動き出すらしい。動きだす前にしっかりと状態を確かめておきたくてね……、エイベルには遠慮してもらったというわけだよ」


 なるほど、エイベルが入る事でスタートするわけね。ある意味、……私が次の段階に入るって意味でもあるし? その場合って、フローレンスの段階はどのくらいがいいんだろ?


「そうね……、城スタートはちょっと待ってもらった方がいいかもね……。ちなみにフローレンスの復活とやらはどれくらいになるの?」
「うん、闇と光は表裏一体だからね。チャーリー風に言えば、城スタートで復活の可能性もあるよ?」
「それは早いわ!」
「うん。まぁ、とりあえず、中を確認しよう。君の場合、『ここ』が終焉の地になるわけで……、あ、もちろん、今までの歴史で考えるなら、だけどね」

 慌てて言葉を取り繕って入るが、はっきりと内容は理解してしまった。


 つまり、魔王の城が『悪役』の死亡現場になるって事ね??


「それを踏まえた上で城の構造と逃げ道の確保、魔王を魔王たらしめる供給源の存在と場所、いざという時の備えを魔王抜きで確認しておきたいんだ」
「……素晴らしいわ、アレックス! その通りだわっ、いざって時の備えは大事ね!!」

 危うく無策で突き進む所だった。情に訴えて命が助かるならこんなにも長い間リスタートしていない。

「じゃあ、早速突入よ! ……って言っても、広いけど、ほぼ天井ないじゃないわね。地下? 地下チェック?」
「まずは地上部分からだよ。はい、これ」

 彼は懐から取り出した石を差し出す。
 何の変哲もない拳大の石――いや、なぜか見覚えがある気がする。

「……これ」
「そう、チャーリーも知っての通り教団の地下、秘密の部屋の前にある石のレプリカだよ」


 そ、……こまでは、全く気付いてなかったわ!


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