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第15章・共謀する聖人
◆ 18・至る(中) ◆
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聞き間違えようもないアレックスの声。よく見れば、見覚えのある部分もある。着ている服も、先ほどまで彼が着用していたものだ。
長すぎる金髪を、本人も不思議そうにつまんでいる。
「アレックス、なの……?」
「え、……うん……、ルーファの髪がいきなり伸びた? いや彼の髪は白色で、生まれながらに白髪だったことは記憶を見てきた以上、間違いのない事実で。色もだけど、髪の長さ。まさか時が経った? この空間は時を……」
ぶつぶつと考え込む男。
私は手を伸ばし、彼の顔を覆う前髪を掴んだ。かすかに覗く青い瞳。
「……アレックス!」
まさかとは思ったけど、でも、……この真っ青な、青空のような色。王家の色……。つまり今のアレックスって、もしかして……。
本来のアレックスの姿なんじゃ?
彼は元々カエルだったわけじゃないし、カエルになったのは私との婚約話のちょっと前で。そこまでは金髪碧眼王子だったわけで……。カエルになって髪とか切らなくてもよくて放置してた結果、本来の姿では伸び続けていたとして……。
私は、そっと手を離した。
「チャーリー?」
これは流石に、相手の意思に任せるべきだと思った。過去を思い出してみても、姿を取り戻したアレックスは常に仮面をつけていた。
理由は分からないが、素顔を見せたくないのかもしれない。
これは、あんたを尊重したんじゃなくて……、いわゆる……うん、無駄な殺害の流れを作らないためなんだから!
アレックスらしき男に背を向ける。
「ちょっと思ったんだけど……アレックス、あんたって今、もしかしたら……人間のあんたの、本来の姿だったりするんじゃないの?」
無言が続き、私は振り返りたい欲求を押さえつけた。
やがて「え?」と、小さな声。
静かな時間が流れる中、無言に耐え切れず口を開く。
「私、鏡もってないから……、どこかその辺で、水か何か、あー、ナイフの刀身とかで写してみれば?」
「うん、今見たよ」
確認タイムだったのね、今。
「チャーリーは……さっき見た?」
「は? 見てるわけないでしょ。あんたの髪が本物かの確認に掴んだだけよ」
我ながら微妙な言い訳をする。
彼はかすかに笑った。
「そっか。……ボクはずっと顔を隠してきたから、気を使ってくれたんだね」
「……そういうわけじゃ……」
言葉に詰まる私。
だが言うべきことは言っておかねばならない。
「私の知ってるあんたって、ずっとカエルだったわけ。しかも急にルーファの姿になったりしてて……だからまぁ、今更あんたの見た目がどう変わろうが気にならないわ」
いや、この言い方は良くない……わね?
「その、えーっと……見た目が変わっても、あんたへの評価は分からないわ!」
……うん、これもあまり良くない気がする! えーっと……えーっと……っ!
「つまり、その……」
言葉を探し発するほどに失敗しているような気がする。
「チャーリー、状況は理解したから安心して。それに、君の気持ちも……ありがとう」
「いやいや、分かってないと思うの?! 私、言い間違ってる気がするもの!」
ザリリッと音がして、思わず振り返る。
金色の髪がパラパラと床――草の上におちる。彼は肩ほどで次々と髪を切り落としていく。
「ちょ……と、あんた……」
「この先に何があるか分からない以上、動きにくいのは困るから」
そうしてマントの裾を切り裂き作った紐を、私に差し出した。
「ごめん、髪を縛ってくれる?」
長すぎる金髪を、本人も不思議そうにつまんでいる。
「アレックス、なの……?」
「え、……うん……、ルーファの髪がいきなり伸びた? いや彼の髪は白色で、生まれながらに白髪だったことは記憶を見てきた以上、間違いのない事実で。色もだけど、髪の長さ。まさか時が経った? この空間は時を……」
ぶつぶつと考え込む男。
私は手を伸ばし、彼の顔を覆う前髪を掴んだ。かすかに覗く青い瞳。
「……アレックス!」
まさかとは思ったけど、でも、……この真っ青な、青空のような色。王家の色……。つまり今のアレックスって、もしかして……。
本来のアレックスの姿なんじゃ?
彼は元々カエルだったわけじゃないし、カエルになったのは私との婚約話のちょっと前で。そこまでは金髪碧眼王子だったわけで……。カエルになって髪とか切らなくてもよくて放置してた結果、本来の姿では伸び続けていたとして……。
私は、そっと手を離した。
「チャーリー?」
これは流石に、相手の意思に任せるべきだと思った。過去を思い出してみても、姿を取り戻したアレックスは常に仮面をつけていた。
理由は分からないが、素顔を見せたくないのかもしれない。
これは、あんたを尊重したんじゃなくて……、いわゆる……うん、無駄な殺害の流れを作らないためなんだから!
アレックスらしき男に背を向ける。
「ちょっと思ったんだけど……アレックス、あんたって今、もしかしたら……人間のあんたの、本来の姿だったりするんじゃないの?」
無言が続き、私は振り返りたい欲求を押さえつけた。
やがて「え?」と、小さな声。
静かな時間が流れる中、無言に耐え切れず口を開く。
「私、鏡もってないから……、どこかその辺で、水か何か、あー、ナイフの刀身とかで写してみれば?」
「うん、今見たよ」
確認タイムだったのね、今。
「チャーリーは……さっき見た?」
「は? 見てるわけないでしょ。あんたの髪が本物かの確認に掴んだだけよ」
我ながら微妙な言い訳をする。
彼はかすかに笑った。
「そっか。……ボクはずっと顔を隠してきたから、気を使ってくれたんだね」
「……そういうわけじゃ……」
言葉に詰まる私。
だが言うべきことは言っておかねばならない。
「私の知ってるあんたって、ずっとカエルだったわけ。しかも急にルーファの姿になったりしてて……だからまぁ、今更あんたの見た目がどう変わろうが気にならないわ」
いや、この言い方は良くない……わね?
「その、えーっと……見た目が変わっても、あんたへの評価は分からないわ!」
……うん、これもあまり良くない気がする! えーっと……えーっと……っ!
「つまり、その……」
言葉を探し発するほどに失敗しているような気がする。
「チャーリー、状況は理解したから安心して。それに、君の気持ちも……ありがとう」
「いやいや、分かってないと思うの?! 私、言い間違ってる気がするもの!」
ザリリッと音がして、思わず振り返る。
金色の髪がパラパラと床――草の上におちる。彼は肩ほどで次々と髪を切り落としていく。
「ちょ……と、あんた……」
「この先に何があるか分からない以上、動きにくいのは困るから」
そうしてマントの裾を切り裂き作った紐を、私に差し出した。
「ごめん、髪を縛ってくれる?」
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