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第15章・共謀する聖人
◆ 23・再生する神 ◆
しおりを挟む「……いやな響きね……、入れ替わるって意味?」
「本質はそうだね。でも……この世界に神が常駐していないって意味だよ」
やっぱりじゃない……!!!!
頭のモヤが晴れた気がした。
やはり神などいなかったのだ。私の人生に救いが薄かったように、世界にだって神などいなかった。祈っていた時間の無駄よりも、聞き届ける相手が不在だったのだと思えば、救われた気がした。
「おそらく一時的に神の力を与えられた人間が、悪役と言う形で世界の暗雲を背負い浄化されることで……」
アレックスはまだ解説を続けている。
私が神だなんて世も末ね……。
「アレックス、つまり私こと悪役は基本、世界再生のトリガーで……。魔王と聖女の争いの末に世界をあるべき姿、まぁ聖女を殺して光で世界を包んで……美しくするのね? とても……崇高な役目だったって」
「うん。……でも、最初からその想いを抱きそうな人間が選出された可能性もあるよ。ただ、分からないのは……チャーリーってことだよね」
実に失礼な言葉ながら、私も同意だ。
誰が見ても私がそんな大層な考えを抱く人間ではないと分かるはずだ。たとえ、天にいるおっさん天使といえども分かっているはずだ。
彼は私をゴミクズのように認識していたのだから――。
「ココに入って、神とやらですよって言われた現在も全く! まーーったく!! そんな気持ちにならないわ」
「うん、だよね。つまりシステムに不具合が発生してるってことだよ。そもそもチャーリーを選んだ時点……、いや、オリガがチャーリー封じたエルロリスの件が関わっていると思う」
おっさん天使の妹にして、ルーファを狂わせた女。
「彼女はもう……私には感じられなくなってる。死んだとは思わないけど……」
「死んではないと思う。死んでたら、ルーファがあんなに穏やかにボクたちに協力しているはずもないからね」
「……そうね」
黙って話を聞いていたミランダが口を開く。
「お嬢様、一応お知らせします。言葉には気を付けた方が良いかと」
「どういう意味よ」
「……私の右側は上界に入れたようです」
白い翼の方をはためかせる。
彼女の右目も銀色に見えた。
「その右目で見たところ、ここには無数の天使たちがいます。現在私たちを取り囲んでいますよ」
え……。
一気に血の気が引く。
冗談ではない。こちらの手の内を天使共に教えてやる気など少しもないのだ。
「ってか、何でよ……、私、神なのに、見えないじゃない……!」
その瞬間、風のざわめきのような笑い声が耳を打った。
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