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第16章・リスタート
◆ 11・操り人形の打診 ◆
しおりを挟む「娘1、父様の操り人形になってみるかい?」
今までが違うとでも????
「なりましょう、成功と生存のためならば!」
「もちろん、反論なしで実行してもらわないとだよ?」
今までもそうでしたが????
「もちろんですとも、お父様!」
私の二つ返事を、父は生温かい視線で頷いた。
「娘1の話を総合すれば、一つの仮説が生まれるよ。すなわち、お前の悪役死亡は必要とされている、だね」
「……でしょうね」
「娘1、お前は分かっていないよ。お前の協力者たちは『理』とやらが邪魔をして発言を制限されていて全てを離せていないらしい。更に協力者たちにとっても、お前が成功した方が利があるらしい。この二つはお前にも分かるね?」
「ええ、まぁ」
父が何を指摘したいのか分からない。
「その上で、お前は協力者として選んではならないタイプの相手を協力者。いや、『頼み』としている。お前よりも状況に詳しい相手。なおかつ、お前の死をこそ前提として話を構築している相手。この二点から考えても、生き残れるわけがないよ」
そこは私だって無策なわけじゃなかった。一応は、使える部分だけを使わせてもらうスタイルでやっていこうと思っていた。
切り時をどう見極めるつもりだったかと言われれば、状況次第でアレックスやルーファと相談をして――と。
「父様が、良い案を一つあげよう。お前はすでに確定しているという勇者より先に『勇者』になるんだ」
「勇者に……でも、お父様、それってどうやって勇者になるの? 箱庭刑の枠外にいる聖女にとっては地続きの現在なのよ? 私が悪役って記憶してるわ……、それって、勇者はもう変動しないってことにならない?」
「ならないよ」
「なんで!」
「お前は記憶を失ってるパターンがあるんでしょ? 記憶喪失のフリをすればいいじゃないか。何も知らない『姉』として『妹』と仲良くやればいいよ。幸い『弟』は言葉が不自由なんだからバレないさ。王子がたも賢いしね」
やろうと思えばできるかもしれない。
だが――果たして、灰色計画推進中の父を信じていいのだろうかという疑問が残る。実際、父の案は闇から光に転向であり私まで『灰色』にしようとしている、とも取れる。
「お前が勇者になれば、妹と弟のことだよ? 成長はお前の思うように進ませればいいよ。これで、お前の望みに近い……間近まではいけると思うね」
ひっかかる言い方だ。
「今回が特殊ステージということは、話しましたよね? それでも……お父様は、成功への道が開かれるって思いますか?」
誰かに肯定してほしかったからかもしれない。
思わず問いかけた言葉に、父は笑った。
「失敗は時の運だよ」
それはそれは明るい笑みだった。
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