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22 休暇は甘味で終わる
ショックだ。休暇の間に祭りが終わってしまう。
誰もが忙しい時期に健康体を持て余してしまう事に罪悪感があった。アデラ様の護衛について心配する必要はないと言われたが、気には病んでしまう。
私は専属護衛二人のうちの二番目に過ぎないけれど、仕事に対する責任感はある。もらっているお金の分は働きたい。
それでも医務室でもらった薬のせいか、睡魔に襲われ一日目はとろとろと眠って過ごした。
問題なのは二日目からだった。
これまで眠り過ぎた事の反動からか、夜中に何度か目が覚めてしまった。
今はいいものの、仕事が始まってからもこれでは昼の集中力にも影響していしまうのではないかと懸念した。
そんな事はないとわかっているが、昼間はいつ呼び出されてもいいように、支給されているズボンに詰襟のシャツを着て、髪もひとつに結っている。
寮は一階が食堂やシャワーのパブリックスペース。二階から四階が居住部屋となっている。
二階の私の部屋にあるのは据え付けのデスクにベッド、衣類を入れるためのチェストと本棚だけで簡素だ。私の荷物は全てこの中に納まっている。
ガーゼの取れない顔が気になって極力壁の鏡は見ないようにしているし、自分の顔は見てもまだ目を合わせられていない。
寝て食べて本を読んで、を繰り返した後、時間を持て余して、久しぶりに裁縫道具を取り出した。
私にも一応趣味があって、内緒ではないが、大っぴらにもしていないそれは、人形の着せ替え服を作る事だ。
田舎から持って出た荷物は、衣類と本とお金と、着せ替え人形だった。
人形の頭は拳より小さく、細身の体には形のいい胸とお尻があり、少女のようにも大人の女性のようにも見える。
乙女だと笑われそうだが、その人形はいつも枕元のチェストの上にいる。
当時も今も流行っているこの人形は、誰のお下がりでもない、私のためだけに両親が買ってくれた唯一のものだ。
着せ替え用の服まではなかったから、私は着られなくなった古着なんかを利用して、ドレスを縫ってはその枚数を増やしていった。
こちらに来てからは使う布も上等なものになり、出来栄えも見栄えも申し分ない。
アデラ様が着ていらっしゃった、ふんわりドレスのラインが再現できないかと、寮監さんに譲ってもらった新聞紙を人形に巻きつけ型をとる。何度も型紙作りをやり直し修正し、納得した所で布を断つ。
首が窮屈に感じて一番上のボタンを解いた。
チクチクと針を動かしていると、騎士よりもお針子の道の方が適正ではなかったかとつい思う。
はぁ。
頭の中は空になっているはずなのに、何度も手がとまる。
親友のダナに今日までの事を、特にファーガス様の事を相談したかったのに、彼女は私が意識を失った日から、急な任務で書状を持ち旅立っているとのこと。
戻りはおおよそで5日後。彼女と会える日は遠い。
彼女なら私の進まない思考を一喝してくれそうで期待していたのにだ。誰にも何も言えず、私の中は結構、かなり煮詰まっている。
コノコン。
ノック音に思考が遮られた。扉を開ける途中でも相手は喋り始めている。
「パトリシア、たった今、預かり物をしたのよ」
ふくよかな体を持つ、寮の管理人さんだった。
「ここは男子禁制って帰ってもらったから」
ビックスマイルを残して去るおばちゃんに手渡されたのは紙袋だった。
紙袋っていうか、新聞紙を貼り合わせて袋にしたもので、開けなくても中には焼いたノキの実がある事はわかる。
ほかほかだ。
ちょっと驚いたのは実がいっぱいで膨らんでいる事じゃなくて、袋の外に梱包用の茶色い紙紐が十字に縛ってあって、まるでプレゼントのように蝶結びが二重にされていたからだ。
焼きノキは立ち食い、歩きながら食いが基本だし、こんな風に売っているとは思えない。
男子禁制。
管理人さんが口にした時にすぐに浮かんだ顔は一つ。
私にこんな差し入れをする男性は一人だけだ。
足早に窓辺に向かい下を見れば、立ち止まりこちらを見上げていたファーガス様とバッチリ目が合った。
制服姿での立ち姿は美しく、あの暴走した姿はとても想像できない。
何か声をかけようかと思ったけれど、彼は少し口角を上げると立ち去てしまった。
ファーガス様にしてはあっさりしすぎていて、その後ろ姿が建物に隠れてしまうまで見送った。
「なんて爽やかな……見た目は完璧です」
内面を知らなければ誰もがその笑顔にやられることだろう。
私は手の中にある袋を抱え直す。
値段が問題になるような物ではない、しかし、これは何も考えずに受け取ってよいものなのかと、しばらく放心した。
一人で立ちすくんでいてもどうにもならない。
どこへ行ったらファーガス様を捕まえる事ができるかなんて知らないし、そもそも素朴な贈り物を返すなんて無粋な事をする気はない。となると、これは素直に食らうしかないという事だ。
茶色い紐は簡単に外れて、しばらくその無骨さに見入った。
どんな顔して、お店の人にこれを頼んだのだろう。
祭りの通りは人が多くて、どの店も列が出来ているに違いない。
贈り物ように包んでほしいとでもリクエストしたのだろうか。
威勢のいいお店の人は客からの変な要望に怪訝な顔をする。かき入れ時で忙しいのに何を言いだすのか、なんて。
だけど後ろの人の迷惑そうな顔にも気づかない……涼しい顔のファーガス様。
ファーガス様は、今まで抱いていた人物とは違う。天と地ほどに違う。
恋人とか言い出すし、私ではなく彼の方が頭を打ったのならば合点いくのだが……そんな事実はなさそうだし。
まったく、おかしな人だ。
彼の笑顔にも種類はあったが、このノキの実のように、ほくほくな顔もあったかもしれない。
くすっと笑ってしまったあと、私は悩んだ末にベッドの支柱にリボンに見立てた紐を結んだ。
運動不足な上に甘味を食らい、こんなにボケていていいのだろうかと思うこの頃。
それでも一緒に食べようと誘う仲間もなく、ダナは帰らず、私はファーガス様の差し入れを一人で食べきっていた。
贈り物は、時に日に二回。ちゃんと仕事をしているのが心配になる回数。ベッドに結わえたリボンはもう五本になっている。
ハトロン紙に包まれたクッキーは秋を感じる葉の形だった。
瓶に詰まったアメは真っ直ぐな棒のどこを切っても同じ模様が出てくると話題のもの。あの女子しかいない行列に並んで手に入れてくれたのかと思うと居た堪れない。彼の勇姿に頬が綻んだ。
両開きの窓を開けても、まだ日差しの強い太陽に秋の様子は伝わってこない。
二階のこの場所からは見慣れた石壁と緑の先。それでも、彼が届けてくれる物から、たしかに街には秋が降りて来ているという気配があった。
これだけ家族ではない人に、自分が気に掛けられるというのが不思議だ。
そして好意の表れた物を前にうろたえどう扱っていいかがわからず、彼の事を考えながら食べ、後生大事にリボンを抱えてしまう。
隊長に考えてみろと言われたが、さてどうしたものか。
これだけの量を散々食らっておいて、ごめんなさいはない気がする。
とにかく、礼は欠かすことができない。
三、四回ほどファーガス様の嘘に付き合ってみるか。その間に記憶が少しずつ戻っているというふりをすればいい。それでさよならだ。
しかし私にそんな高等な演技ができるだろうか……不安は残るがそれが一番だと思うのだ。
私は机に向かい感謝の気持ちをつづり手紙にした。
お礼の言葉だけしかない手紙を管理人さんに預けておいたら、返事はすぐにきた。
『明日の勤務後に緑の門で待っている』
ほほうっ。
字まで美しいのだと感心している場合ではない。
断りようのない一方通行の内容に頭を抱える。
また手紙を預けていては間に合わない。つまり、私には断る術がない。
すっかり甘味に脳が蕩けていたが、私に降りかかった問題は大きいのだ。
誰もが忙しい時期に健康体を持て余してしまう事に罪悪感があった。アデラ様の護衛について心配する必要はないと言われたが、気には病んでしまう。
私は専属護衛二人のうちの二番目に過ぎないけれど、仕事に対する責任感はある。もらっているお金の分は働きたい。
それでも医務室でもらった薬のせいか、睡魔に襲われ一日目はとろとろと眠って過ごした。
問題なのは二日目からだった。
これまで眠り過ぎた事の反動からか、夜中に何度か目が覚めてしまった。
今はいいものの、仕事が始まってからもこれでは昼の集中力にも影響していしまうのではないかと懸念した。
そんな事はないとわかっているが、昼間はいつ呼び出されてもいいように、支給されているズボンに詰襟のシャツを着て、髪もひとつに結っている。
寮は一階が食堂やシャワーのパブリックスペース。二階から四階が居住部屋となっている。
二階の私の部屋にあるのは据え付けのデスクにベッド、衣類を入れるためのチェストと本棚だけで簡素だ。私の荷物は全てこの中に納まっている。
ガーゼの取れない顔が気になって極力壁の鏡は見ないようにしているし、自分の顔は見てもまだ目を合わせられていない。
寝て食べて本を読んで、を繰り返した後、時間を持て余して、久しぶりに裁縫道具を取り出した。
私にも一応趣味があって、内緒ではないが、大っぴらにもしていないそれは、人形の着せ替え服を作る事だ。
田舎から持って出た荷物は、衣類と本とお金と、着せ替え人形だった。
人形の頭は拳より小さく、細身の体には形のいい胸とお尻があり、少女のようにも大人の女性のようにも見える。
乙女だと笑われそうだが、その人形はいつも枕元のチェストの上にいる。
当時も今も流行っているこの人形は、誰のお下がりでもない、私のためだけに両親が買ってくれた唯一のものだ。
着せ替え用の服まではなかったから、私は着られなくなった古着なんかを利用して、ドレスを縫ってはその枚数を増やしていった。
こちらに来てからは使う布も上等なものになり、出来栄えも見栄えも申し分ない。
アデラ様が着ていらっしゃった、ふんわりドレスのラインが再現できないかと、寮監さんに譲ってもらった新聞紙を人形に巻きつけ型をとる。何度も型紙作りをやり直し修正し、納得した所で布を断つ。
首が窮屈に感じて一番上のボタンを解いた。
チクチクと針を動かしていると、騎士よりもお針子の道の方が適正ではなかったかとつい思う。
はぁ。
頭の中は空になっているはずなのに、何度も手がとまる。
親友のダナに今日までの事を、特にファーガス様の事を相談したかったのに、彼女は私が意識を失った日から、急な任務で書状を持ち旅立っているとのこと。
戻りはおおよそで5日後。彼女と会える日は遠い。
彼女なら私の進まない思考を一喝してくれそうで期待していたのにだ。誰にも何も言えず、私の中は結構、かなり煮詰まっている。
コノコン。
ノック音に思考が遮られた。扉を開ける途中でも相手は喋り始めている。
「パトリシア、たった今、預かり物をしたのよ」
ふくよかな体を持つ、寮の管理人さんだった。
「ここは男子禁制って帰ってもらったから」
ビックスマイルを残して去るおばちゃんに手渡されたのは紙袋だった。
紙袋っていうか、新聞紙を貼り合わせて袋にしたもので、開けなくても中には焼いたノキの実がある事はわかる。
ほかほかだ。
ちょっと驚いたのは実がいっぱいで膨らんでいる事じゃなくて、袋の外に梱包用の茶色い紙紐が十字に縛ってあって、まるでプレゼントのように蝶結びが二重にされていたからだ。
焼きノキは立ち食い、歩きながら食いが基本だし、こんな風に売っているとは思えない。
男子禁制。
管理人さんが口にした時にすぐに浮かんだ顔は一つ。
私にこんな差し入れをする男性は一人だけだ。
足早に窓辺に向かい下を見れば、立ち止まりこちらを見上げていたファーガス様とバッチリ目が合った。
制服姿での立ち姿は美しく、あの暴走した姿はとても想像できない。
何か声をかけようかと思ったけれど、彼は少し口角を上げると立ち去てしまった。
ファーガス様にしてはあっさりしすぎていて、その後ろ姿が建物に隠れてしまうまで見送った。
「なんて爽やかな……見た目は完璧です」
内面を知らなければ誰もがその笑顔にやられることだろう。
私は手の中にある袋を抱え直す。
値段が問題になるような物ではない、しかし、これは何も考えずに受け取ってよいものなのかと、しばらく放心した。
一人で立ちすくんでいてもどうにもならない。
どこへ行ったらファーガス様を捕まえる事ができるかなんて知らないし、そもそも素朴な贈り物を返すなんて無粋な事をする気はない。となると、これは素直に食らうしかないという事だ。
茶色い紐は簡単に外れて、しばらくその無骨さに見入った。
どんな顔して、お店の人にこれを頼んだのだろう。
祭りの通りは人が多くて、どの店も列が出来ているに違いない。
贈り物ように包んでほしいとでもリクエストしたのだろうか。
威勢のいいお店の人は客からの変な要望に怪訝な顔をする。かき入れ時で忙しいのに何を言いだすのか、なんて。
だけど後ろの人の迷惑そうな顔にも気づかない……涼しい顔のファーガス様。
ファーガス様は、今まで抱いていた人物とは違う。天と地ほどに違う。
恋人とか言い出すし、私ではなく彼の方が頭を打ったのならば合点いくのだが……そんな事実はなさそうだし。
まったく、おかしな人だ。
彼の笑顔にも種類はあったが、このノキの実のように、ほくほくな顔もあったかもしれない。
くすっと笑ってしまったあと、私は悩んだ末にベッドの支柱にリボンに見立てた紐を結んだ。
運動不足な上に甘味を食らい、こんなにボケていていいのだろうかと思うこの頃。
それでも一緒に食べようと誘う仲間もなく、ダナは帰らず、私はファーガス様の差し入れを一人で食べきっていた。
贈り物は、時に日に二回。ちゃんと仕事をしているのが心配になる回数。ベッドに結わえたリボンはもう五本になっている。
ハトロン紙に包まれたクッキーは秋を感じる葉の形だった。
瓶に詰まったアメは真っ直ぐな棒のどこを切っても同じ模様が出てくると話題のもの。あの女子しかいない行列に並んで手に入れてくれたのかと思うと居た堪れない。彼の勇姿に頬が綻んだ。
両開きの窓を開けても、まだ日差しの強い太陽に秋の様子は伝わってこない。
二階のこの場所からは見慣れた石壁と緑の先。それでも、彼が届けてくれる物から、たしかに街には秋が降りて来ているという気配があった。
これだけ家族ではない人に、自分が気に掛けられるというのが不思議だ。
そして好意の表れた物を前にうろたえどう扱っていいかがわからず、彼の事を考えながら食べ、後生大事にリボンを抱えてしまう。
隊長に考えてみろと言われたが、さてどうしたものか。
これだけの量を散々食らっておいて、ごめんなさいはない気がする。
とにかく、礼は欠かすことができない。
三、四回ほどファーガス様の嘘に付き合ってみるか。その間に記憶が少しずつ戻っているというふりをすればいい。それでさよならだ。
しかし私にそんな高等な演技ができるだろうか……不安は残るがそれが一番だと思うのだ。
私は机に向かい感謝の気持ちをつづり手紙にした。
お礼の言葉だけしかない手紙を管理人さんに預けておいたら、返事はすぐにきた。
『明日の勤務後に緑の門で待っている』
ほほうっ。
字まで美しいのだと感心している場合ではない。
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