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第3話
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「嬉しいこといってくれるじゃないか、そう言ってくれると気が楽だ」
父は本当に嬉しそうだ。そんなに気にしなくてもいいのに。
「お父さんたら、いつもそのことを言っているのよ」
「そうなの?お母さん」
「そうなんだよ、お姉ちゃん。お父さんたらいつもお姉ちゃんのことを心配してるんだよ。もちろん私たちみんなもだけど」
あたしと八つ違いの妹が母の代わりに答えてくれた。
「もー、心配してくれるのは嬉しいけどあたしももう一人前なんだからね」
「そうは言うがな、マーヘン。それは無茶な注文というものだよ。いつかわかる日が来るだろうけど、家族というものはそういうものだ」
父があたしに諭すかのように言った。うーん、言いたいことはわかるんだけどあたしは心配される側だからなー。実感がわかないのよね。
「まあ世界でも上位の強さだと認められれば、今よりは少しは安心していられるのだろうけどな、ねえ父さん」
父が祖父に向かって同意を求める。
「そうだのー。マーヘンは見所があるから、あと二、三年もしたら世界大会にも選ばれるじゃろうて。そうすれば上位にも入れるじゃろう」
父に同意する祖父。いつも繰り返されるやり取り、あたしはこう言われて反論することが出来なかった・・・いつもならば。だけど、今回は事情が違った。
「ねえ、お父さん。なんであたしがこの時期に帰ってきたと思う?」
はやる心を抑えて、父に尋ねる。
「うん?今年は戦争がなかっただけじゃないのか?」
あたしが何を言いたいのかわかっていないようだ。
今の季節は夏、しかも初めの方だ。この時期は戦争が多い。
なぜならちょうど活動するのにいい気温だからだ・・・南の方は凄く暑くて夏はて戦争どころじゃないみたいだけどね。従って、あたしが家に帰るのは圧倒的に活動しにくい冬などが多くなる。
「そういえばさ、世界大会っていつあるんだっけ?」
父の質問には答えずに再び質問をしてみる。
「なんだ、そんなことも覚えていないのか?いいか、あとだいたい二週間後・・だ・・」
どうやら父はあたしが言おうとしている事を悟ったみたいだ。
「まさか・・・」
「あらあら、どうしたんです?お父さん」
いつのまにか台所に行っていた母が・・・おそらく食器を洗っていたのだろう・・・お茶の入ったコップを五つお盆にのせて近づいてきていた。
「あ・・いや・・その・・」
父にしては珍しく歯切れが悪い。あまりもったいぶるのもあたしの精神衛生上に悪いから言っちゃおーっと。
「たぶんお父さんが考えている通りだと思うわ」
「では・・・」
父が唾を飲み込む。周りのみんな・・・台所にいたためにあたしの話を聞けなかった母以外・・・祖父にシベハもあたしが言わんことに気付いたようだ。全員が父の言葉に注目する。
「選ばれたのだな・・世界大会に」
父は本当に嬉しそうだ。そんなに気にしなくてもいいのに。
「お父さんたら、いつもそのことを言っているのよ」
「そうなの?お母さん」
「そうなんだよ、お姉ちゃん。お父さんたらいつもお姉ちゃんのことを心配してるんだよ。もちろん私たちみんなもだけど」
あたしと八つ違いの妹が母の代わりに答えてくれた。
「もー、心配してくれるのは嬉しいけどあたしももう一人前なんだからね」
「そうは言うがな、マーヘン。それは無茶な注文というものだよ。いつかわかる日が来るだろうけど、家族というものはそういうものだ」
父があたしに諭すかのように言った。うーん、言いたいことはわかるんだけどあたしは心配される側だからなー。実感がわかないのよね。
「まあ世界でも上位の強さだと認められれば、今よりは少しは安心していられるのだろうけどな、ねえ父さん」
父が祖父に向かって同意を求める。
「そうだのー。マーヘンは見所があるから、あと二、三年もしたら世界大会にも選ばれるじゃろうて。そうすれば上位にも入れるじゃろう」
父に同意する祖父。いつも繰り返されるやり取り、あたしはこう言われて反論することが出来なかった・・・いつもならば。だけど、今回は事情が違った。
「ねえ、お父さん。なんであたしがこの時期に帰ってきたと思う?」
はやる心を抑えて、父に尋ねる。
「うん?今年は戦争がなかっただけじゃないのか?」
あたしが何を言いたいのかわかっていないようだ。
今の季節は夏、しかも初めの方だ。この時期は戦争が多い。
なぜならちょうど活動するのにいい気温だからだ・・・南の方は凄く暑くて夏はて戦争どころじゃないみたいだけどね。従って、あたしが家に帰るのは圧倒的に活動しにくい冬などが多くなる。
「そういえばさ、世界大会っていつあるんだっけ?」
父の質問には答えずに再び質問をしてみる。
「なんだ、そんなことも覚えていないのか?いいか、あとだいたい二週間後・・だ・・」
どうやら父はあたしが言おうとしている事を悟ったみたいだ。
「まさか・・・」
「あらあら、どうしたんです?お父さん」
いつのまにか台所に行っていた母が・・・おそらく食器を洗っていたのだろう・・・お茶の入ったコップを五つお盆にのせて近づいてきていた。
「あ・・いや・・その・・」
父にしては珍しく歯切れが悪い。あまりもったいぶるのもあたしの精神衛生上に悪いから言っちゃおーっと。
「たぶんお父さんが考えている通りだと思うわ」
「では・・・」
父が唾を飲み込む。周りのみんな・・・台所にいたためにあたしの話を聞けなかった母以外・・・祖父にシベハもあたしが言わんことに気付いたようだ。全員が父の言葉に注目する。
「選ばれたのだな・・世界大会に」
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