その女剣士は世界を救い、英雄となる。

第7話

「これ、マーヘンや、あまりイジメは感心せんぞ」



祖父が笑いながら声をかけてくる。



「はーい」



あたしは祖父に答えた。



「じゃあ、そろそろ行こうか」



うつむいてあたしの言ったことを噛み締めている男・・・年は十六くらいだろうが基本的に男か女で考えるんだよ、あたしは・・・に向かって話しかける。



「はい！」



さっきまでの緊張はどこへいったんだか、元気よく答えてくる。感心、感心。



「ちょっと先に表で待っててくれる？家族に話があるから」



「わかりました。なるべくお早めにお願い致します」



あたしの頼みに男が素直に従ってくれる。



「わかったわ」



あたしが答えると、男はみんなに深々とお辞儀をしたあと、ドアをくぐっていった。



「っというわけで、ちょっくら行ってきますわ」



ドアの閉まるのと同時にあたしがみんなに声をかける。



「今度会ったときには経緯を話してくれよ」



「分かってるよ、お父さん」



「がんばってきなさい、マーヘン」



「うん、がんばるよ」



父のあとに口を開いた母に答える。



「ちょっと早い気もするが・・・世界一取ってくるのじゃぞ」



「・・・やれるだけやってみるわ」



軽がると難しいことを言ってくる祖父に当たり障りのないことを言う。



「ファイトだよ、お姉ちゃん」



「オー。ありがとう、シベハ」



最後に口を開いたシベハに答えた。



「じゃあね。」



あたしが簡潔にそういってドアをぐぐって行った。

何度やっても、こういうのって苦手なのよね。ドアの前には、使いの男が律儀に直立不動で待っていた。



「もうよろしいのですか？」



男が尋ねてくる。



「いいわ。さあて、行きましょうか？えーっと・・・」



「は？どうかしましたか、マーヘン様？」



なっ、なんて鈍感なのかしら・・・、あたしがわざとらしく使いの男が名前を名乗りやすいようにしてあげてるっていうのに・・・。

ふぅ・・・仕方がないちょくでに聞いてあげるか・・・。



「あんたの名前は？」